1「制裁を」
――私達『白銀の豺虎』がヘルディア市街へ向かう少し前。
「義手の調子はどうかな?」
「ああ、大丈夫だ」
私はわきわきと機械の指を動かし、そしてニヤリと笑った。
すると、ソフィアがザギンクの方を向いて、
「おおっ、これは凄いです……流石ソフィア様!!」
「えへっ……凄いでしょ?」
ザギンクが目を輝かせているのを見て、嬉しそうに頬を緩めていた。
「ウテナ、本当に大丈夫なのだろうな……?」
「大丈夫……すぐに傷は治る」
「なら安心か」
『白銀の豺虎』の制服を着たウテナがそう言い、トウマの方へと走っていった。
いつの間にトウマと心の距離を縮めたのであろうな。
私はその光景を見ては微笑んでいた。
すると、
「す、すまんが……其方、ここのボタンを留めてくれぬか?」
レイラと話をしていたエルヴィットの声が、私の耳に入り込んできた。
「ああ、留めてやろうじゃないか!!」
「ぶわっ、其方には頼んでおらぬ!!!」
逃げるエルヴィットを私は追いかける。
すると、
「大将軍様よ、オレの鎌は知らねぇか?」
「ああ、それなら武器保管庫にあると思うぞ」
「分ぁった」
大鎌を探していたユダが武器保管庫へと向かっていった。
私はユダと話していた際にエルヴィットを見失ってしまい、肩を落としてレイラの元へ戻る。
「エルヴィットは私のことを嫌いなのだろうか」
「嫌いじゃないと思うよ! だってリキアに起こされるのとかその他諸々嫌がってはいなかったし」
「ん、そうなのか……なら良かった」
ほっとした私は笑みを浮かべ、ソフィアの方へと行く。
「ソフィア、留守は頼んだぞ」
「うん……!! 任せといて」
「ふっ、変な実験とかはするなよ?」
「しないよ……そもそも実験器具なんて実家から持ってきてないし」
ソフィアの実家がどうなっているのかが気になったが、私はテーブルに置いていた帽子を被る。
「はぁ……はぁ」
息を切らしたエルヴィットが戻ってきて、レイラの後ろに隠れる。
「エルヴィット、戻ったか」
私はエルヴィットに微笑みかける。
すると、トウマとウテナ、そしてユダが戻ってきた。
トウマとウテナは何かを仲睦まじく話しながら、ユダはその近くで大鎌を手に頭を掻いている。
「皆戻って来たか」
私の声に、トウマ、ウテナ、レイラ、エルヴィット、ユダ、ザギンクの六人が真剣な表情をする。
「アジトにはソフィアが留守をしてくれる――我々は今からヘルディア市街に行き、蔓延っている病の元を断つぞ!!」
私は腰に付けている鞘に刀を挿し、そう啖呵を切った。
どうも、焼き鮭です。
もし
「面白い!!」「病魔との戦いが早く見たい!!「自分もリキアに追いかけられたい」
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