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帝國の歷史

ここら辺は面倒なら読まなくても結構ですが、読んだ方が理解が捗るかと。

 汝平和を欲さば、戰への備へをせよ-出展不明-


 平和は()によつてのみ守らるる-アドルフ・ヒトラー(ドイツ國總統)-


 安全を自らの力によつて守る意思を持たざる場合、いかなる國家といへども、獨立と平和を期待することは出來ぬ-ニッコロ・マキャベリ(イタリアの思想家)-


 帝國曆前12年、中華民國および南米聯邦(連邦)に地球外知的生命體(生命体)の宇宙船が飛來。初の人類以外の知的生命體との遭遇である。人類はこれと交戰。これを第一次大人類戰爭と()す。


 地球外知的生命體の無人兵器はあらゆるエネルギー兵器、實彈兵器を無力化。人類はこれをギリシャ神話の武具にちなみΑιγίς(アイギス)と命名。


 帝國曆前4年、國際聯盟はアイギスとの閒に媾和條約を締結。締結場所を以てウラジオストクの和約と稱す。人類は中華民國の大半、()ソビエト東部、南米南部を喪失。


 帝國曆元年、ローマ條約によつて地球上の全國家による聯邦國家「Die im Reichstag und Reichsrat vertretenen Kaiserreiche und Königreiche und Länder(帝國議會および帝國參議院によつて代表される諸皇帝國および諸王國および諸邦)」通稱「das Reich(帝國)」が結成。初代皇帝ヨーゼフ。帝都ゲルマニア(舊ベルリン)。


 帝國曆43年、第二次大人類戰爭、勃發。


 帝國曆48年、モスクワの和約、締結。帝國は舊ソ連領の大半、インド亞大陸、北米北部、中東の大半を喪失。以後暫しの平和の時代を迎える。


 帝國曆123年、北米およびオセアニアにおいて反帝國蜂起が發生。帝國はこれを鎭壓(鎮圧)。これを第四代皇帝の名を借り、ヴィルヘルム帝戰爭と稱す。この戰爭において、第一皇子フランツ、重傷を負う。


 帝國曆135年、ヴィルヘルム帝急死。政務は實質不可能に近いと言われたフランツ第一皇子とその妹フリーダ皇女との閒に帝位繼承問題が發生。フランツ皇子が帝位をフリーダ皇女に讓ると宣言することで對立(対立)は一應の終熄を見る。フリーダ女帝、第五代皇帝に卽位(即位)


 帝國曆152年、第三次大人類戰爭、勃發。フリーダが第一皇子ラインハルト、大陸打通作戰にて薨去。


 帝國曆155年、カイロの和約、締結。帝國はインドシナ半島、中東全域、アフリカの大半、イタリア半島、ドイツ以東の東歐、スカンジナビア半島、南北アメリカの大半を喪失。


 帝國曆163年、フリーダ女帝、薨去。第一皇子の薨去に伴い、第二皇子ハインリヒ、第六代皇帝に卽位。


 帝國曆167年、第四次大人類戰爭、勃發。


 哲學者たちは、人類の歷史を三段階に分類した。有史より16世紀頃にかけての古代、22世紀までの中世、そして現代に至る近世である。


 第一の段階において、人は君主に無條件に服從し、本來あるべき姿を保つてゐた。


 しかし第二の段階においては、その秩序が徐々に崩潰し、つひには國民が君主を弑逆する國すら出現するに至り、世界は闇黑時代に突入した。


 これが本來あるべき姿に恢復されたのが第三の段階である。世界は秩序と光、()の自由を取り戾し、人は平和と繁榮を享受した。闇黑時代としての中世といふ觀念は22世紀末には既に認識されてをり、人は古代專制政治への囘歸(回帰)をルネサンスと呼んだ。


 哲學者はこの働きを絕對精神の活動と呼ぶ。平和と繁榮、眞の自由を求める精神が歷史を突き動かして來たとするのだ。

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