記憶7 特製の武器製作
「ごちそうさん」
頼斗は空になった器をキッチンの流し台に入れる。
「美味しかった~」
「そうですね~」
優衣が器を和花の分とまとめて流し台に入れる。
「んじゃ、洗っとくからゆっくりしてください」
「お言葉に甘えて」
和花はさっそく、リビングのソファに座り、テレビを見てる。
その横に優衣が座る。
頼斗はせっせと器を洗う。
「どこも緊急ニュースばっかりね」
「私たちって今非番ってことなんですか?」
「そうじゃない?」
すると、部屋が揺れる。
ズズン
「地震!?」
しかし、揺れはいつまでたっても収まらない。
「長すぎるな・・・」
すると、北エリアの電気が消える。
「わぁ!真っ暗!」
「きゃ!先輩!どこさわってるんですか!」
「良いではないか良いではないか」
「や・・・ちょっ・・・」
「何やってんだよ・・・」
頼斗がキッチンからランタンを持って現れた。
和花は優衣の胸を揉んでいる状態で固まっている。
「こういうの好き?」
「どーでもいいだろ」
「うっ・・・うっ・・・汚された・・・」
「もう良いから」
頼斗はランタンをソファ前の机に置く。
「そんで、何があったか分かってるんですか?」
「分かってない」
「連絡とれよ」
「さっきから取ってるけど、応答がないのよ」
「・・・とにかく、今日もう真っ暗だから外出は危険だわ。明日、明るくなったら出掛けましょう」
「はい、懐中電灯」
頼斗が懐中電灯を和花に渡す。
「どうやら北エリア全域で停電だろうし、それで満足だろ」
「全然大丈夫」
「俺は自分の部屋にいくから」
頼斗は自分の部屋に向かっていった。
「私たちも・・・」
「そうね」
二人も部屋に戻る。
頼斗は部屋でドラグノフのマガジンに弾を込めていた。
「めんどくさいけど・・・やらなきゃ駄目だしな・・・」
そう言いながらもドラグノフに弾を込めていた。
一方、和花達は布団に入りながら話をしていた。
「ねぇ」
「なんですか?」
「優衣あんた、惚れた?」
「だ、誰にですか!」
「へぇー、やっぱり惚れたんだ~」
「や、やめてくださいよ」
「分かった分かったこれ以上は聴かないわよ」
しばし無言が続く。
遠くからはゴゴゴと地鳴りのようなものがなっている。
「先輩、起きてます?」
「起きてるよ」
「この音ってまさかとは思いますけど、北エリアが沈んでいる音とかじゃ無いですか?」
「そんなわけないって」
「そうですよね、あははは・・・はは・・・はぁ・・・」
「寝ますか」
「おやすみ~」
「おやすみなさい」
次の日の朝
「朝か・・・」
「優衣・・・朝よ」
「う~ん・・・あと五分は大丈夫だよ~」
「何寝ぼけてんのよ」
「はっ!そうだった!」
「すいません、寝ぼけて」
二人がリビングに行くと、頼斗が朝食を用意してた。
「あれ?目玉焼きに・・・ベーコン・・・それにパンまで、電気来てないのによく作ったね」
「カセットコンロですよ」
「あぁ、そういう手があったか」
「頂きますか」
「頂きます~」
三人はきちんと朝食を食べ終わると、器を片付けて、色々と話し合う。
「これから周囲の状況を確認しながら移動する」
「銃は斎藤くんが持ってていいけど、極力使わないこと良いね?」
「はい」
「移動手段は・・・軽トラかな?」
「あ、じーちゃんの車使って良いですよ」
「んじゃあ、それね。後は・・・」
「武器になるようなものは無いの?」
「あ、それなら私に作らせてください」
「優衣に武器は任せるわ」
「斎藤くん、釘バットある?」
「ねぇーよ!」
「冗談冗談。頑丈な棒と、長めの包丁、ガムテープある?」
「包丁はキッチン、パイプとガムテープはガレージにあるはずです」
「ありがとう」
優衣はキッチンから包丁を持ってガレージに向かって行った。
「移動する場所だけど、一先ず、中央公園かな?そこで時計台に登って北エリアを見て、そこから決める。それで良いわね」
「はい」
すると、優衣が戻ってくる。
「出来ました!槍です」
優衣が持っているのは鉄パイプの先に包丁をガムテープで取り付けて、鉄パイプの持つところにはガムテープが巻いてある。
「これって犯罪じゃないんですか?」
「非常時だから良いのよ」
「そんなもんですか・・・」
頼斗はリュックにマガジンを入れる。
「準備できた?」
「出来ました」
「おう」
三人はガレージに向かう。
ガレージには一台の車が止まっていた。
「これってハンヴィーじゃない!」
「ハンヴィー?」
頼斗の頭の上に?マークが浮かぶ。
「ハマーのことよ。ハンヴィーはあだ名見たいな物で、アメリカ軍にも配備されている車よ」
「へぇー」
「これは・・・狭い道は無理ね」
「この大きさじゃそうなりますね」
「とにかく乗って、出発するわよ」
ハマーに乗り込む。
「行くわよ」
エンジンをかける。
ドルゥン
すごいエンジン音がガレージに響く。
そして、北エリアの中心部のうみほたる島立北エリア中央公園に向かって走り出した。
少し走ると、大きめの道に出る。
「な・・に・・・これ・・・」
和花は目を疑う。
道を堂々とゾンビが歩いている。
そして、路肩には乗用車が数台乗り捨ててあり、住宅に突っ込んでいる車もあった。
エンジン音に気が付いたのかゾンビが寄ってくる。
「何かに掴まって!」
ドン
車はゾンビを轢いて中央公園に向かう。
頑張って書いてますので応援よろしくお願いします。