記憶21 ダイナマイト
「何してんの!?」
和花が驚いている。横では同じようにして優衣も驚いている。
「解いてくれよ」
「・・・なんか知らないけど、分かったわ」
和花はまず先に入り口近くで縛られている亜理砂のロープを外す。そして、口に貼られているガムテープを取る。
「ぷはぁ」
優衣が卓と、頼斗の所へ向かう途中に女子中学生の生首と、食べかけの腕を発見する。
「うっ・・・なにこれ?」
「俺達を監禁していた犯人が食ってたんですよ」
「・・・人間がやることじゃないわね」
和花は卓に結ばれているロープを外そうとしている。
パサッ
「おお!これで自由だ!」
卓は立ち上がり、ジャンプをしたり、屈伸をしたりしている。
そのあとすぐに頼斗のロープも外された。
「そこら辺に拳銃落ちてませんか?」
頼斗が回りを見て、段ボールの中などを探す。
「落ちてないけど・・・無くしたの!?」
「違いますよ!奪われたんですよ!」
「誰に?」
「俺達を監禁していたクソ野郎ですよ」
「ってことは、亜理砂ちゃんのも・・・」
亜理砂は頷いている。
優衣は女子中学生の生首を見ている。
「これってどうやって切ったのかな?」
「そりゃ、刃物でしょ」
「それはそうですけど・・・刃物でも何にかなって・・・」
「それならこれじゃない?」
和花は布に巻かれた刺身包丁を見せる。
布には血が大量についていた。
「完全にそれですね」
「まぁ、今押収してもどうしようもないから置いておくけどね」
「そうですね」
ドガッ
頼斗がパイプ椅子を蹴飛ばす。
「あいつ・・・何処行きやがった!?」
「病院からは出てないはずだわ」
「何でわかるんだ?」
卓が頼斗が蹴飛ばしたパイプ椅子を起こして座る。
「外はゾンビが大量にいて出た瞬間に骨だけになるわ」
「そんなに外はひどいのか?」
和花は頷く。
ピンポンパンポーン
突然病院の院内アナウンスが鳴り響く。
『どーも、一部の人は知っていると思うけど誘拐をしたのは俺でーす。今放送を使っているのには訳がありまーす。一度、5階ふれあい広場に集まってください。全員です。集まらなかったら・・・』
ドォォォン
病院の駐車場から爆発音と、振動が伝わる。
「駐車場だ!」
卓が病院の正面入り口に向かい、ロビーから外を見ると駐車場に止まっていた車が数台炎上していた。
炎上している車にゾンビが群がり、ゾンビの来ている服に引火して火だるまになっているゾンビもいた。
『このような爆発が次は病院の中の至るところで起こることになるのでちゃんと集合してね』
アナウンスが切れる。
「・・・これはいかないと不味いですよね」
「当たり前でしょ」
頼斗達は5階のふれあい広場に向かって歩き始めた。
5人はトボトボと階段を上っていく。
「大丈夫だって!俺はいざとなれば爆弾を解体するから!」
「・・・」
「だから元気出そうぜ!」
「・・・」
気が付くと5階のふれあい広場についていた。
ふれあい広場にはアナウンスを聞いたのか避難民が集まっていた。中には自衛隊員までいた。
頼斗達は集団を掻き分けて進むと、頼斗達を監禁した男性が立っていた。
「さぁ!みんな集まったかな?・・・では、俺の要求を聞いてもらおうか?」
すると、人混みの中から自衛隊員が出てくる。
それは多一だった。
「要求は私が聞こう」
「ほぉ・・・んじゃあ聞いてもらおうか・・・」
男性は人差し指をたてる。
「ひとつ、お前らが持っている銃を全部差し出すこと」
今度は中指もたてる。
「ふたつ、地下駐車場に止まっている装甲車を渡すことの二つだ」
「ふざけるな!そんな要求誰が応じるか!」
多一が89式小銃を向ける。
パン
多一が倒れる。
周りでは悲鳴が響いていた。
男性の手には9㎜拳銃が握られていた。
「はぁ~。こんなことする筈じゃなかったんだけどな」
男性はシャツをまくる。すると、腹にはダイナマイトが巻かれていた。
「さぁ、要求を受けてくれますよね?」




