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人生ついてない彼女の転生スローライフ  作者: 春人


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記憶喪失5日目 lll


 ご飯食べて、セシルに着替えさせてもらう。

少し大きいので裾をセシルが縫ってくれた。


「クマさんってどんな方ですか?」


「クマさんは13歳で先代の庭師さんに弟子入りされてから、ずっとこのお屋敷のお庭をお手入れしてくださってます」


「13歳から?すごい!」


「クマさんは植物をとっても愛している方です。クマさんの剪定後はとっても美しいです」


 おいくつかわからないけど、ずっと続けてるのはすごい。剪定ってすごく大変って聞いた気がする。お仕事を愛してるんだな。


「クマさんはおいくつなんですか?」


「確か、70歳ぐらいだったはずです」


「71歳です」

お!

「マリザおかえり」


「ただいま戻りました、お嬢様」


 71歳。かなりお年を召してる。お祖父様とお祖母様が50代で亡くなってると聞いたから、寿命が長くないと思ってたけどそんなことはないようだ。それかクマさんがとっても元気かだな。


「クマさんと会うのが楽しみ!」


「クマさんも楽しみにされてました。お庭に移動しましょう」


 彼女が私になってから初めて外に出る。すごくドキドキしてる。楽しみのドキドキなのか、初めて外に出るドキドキなのかわからない。

 マリザと手を繋いで、庭に出る。いつも上から見てたから、少しいつもと景色が違う。すっごく綺麗!

 噴水のそばにお爺さんが立ってる。腰が曲がってない。背筋ピーンと立っていて、毎日しっかり動いてる人って感じ。体力仕事だろうな。


「クマさん。お待たせしました」


「私が早くきてしまっただけです。コゼットお嬢様初めまして、お屋敷 全体のお庭の管理を任されてますクマです」


「はじめまして!お会いできるのを楽しみにしてました!」


「嬉しいですなぁ〜コゼットお嬢様は庭に興味があるんですか?お花を植えたいと聞いたのですが」


 優しい笑顔で楽しそうな顔。しわくちゃにしながら話してくれる顔がとっても好きだ。


 マリザが離れたところでお茶の準備とレジャーシートを準備してくれてる。


小声で

「気になるのは、大根とトマトが気になってて育てたいです」


クマさんは驚いた顔をした後に、笑顔で

「いいですね。トマトは可愛いんですよ」


「楽しみです!あとチューリップも育てたいです」


「いいですね。大根とトマトはこの時期にちょうどいいですしチューリップも最高です」


「わぁ〜嬉しいです!本で時期のものを調べてはきました!」


「コゼットお嬢様は勉強熱心なんですね」


「本を読むのが楽しいです!」


 本に書いてあった、この時期の植物で気になるのをリストアップしておいて良かった。気になるのと育てやすいって書いてあるのを選んだつもり。


「では、私が耕して種を蒔いておきますね」


「え、、、耕すのも植えるのもお世話も私がします。この辺りに使ったらダメですか?」


 噴水から左に少しズレたところに作りたいとクマさんに伝える。ここだと部屋から1番綺麗に見える。


「コゼットお嬢様がするんですか?」


「はい!...ただ初めてで不安ですけど、できれば私が最初から最後までしたいです。綺麗な庭にミニ畑作るのはダメですか?」


 私がするんじゃなくて、クマさんがするって話になってたのかな?マリザにはちゃんと伝えておいたつもりなんだけど。。


「そうでしたか、私が勘違いしていたようです。一応見てもらうために用意しておいたんですが使ってもらえそうで良かったです」


 クマさんが準備してくれてたのは、子供用のクワとスコップあとファンシーなジョウロがある。かわいい!使わないかもしれないって思ってたのに準備してくれたの?やさしい‼︎


「かわいい!嬉しいです」


「使ってもらえるとこの子達も喜びます」


「大事なお庭を私が触ってしまってもいいですか?」


「なにも問題ありません。旦那様と奥様の了解ももらってます。なくても、私はお嬢様のお庭づくりに賛成です」


 お茶目なウインクが可愛い。なにこの人、すっごく可愛い。名前もクマさんで可愛いのに存在もこんなにチャーミングなんて。ずっとついていきます!クマさん!心の中でガッツポーズする。


「ありがとうございます!」


「いい笑顔ですね、コゼットお嬢様」


 準備しますねとクマさんが動くので、後をついて回る。

最初は硬いからとクマさんがしてくれるが少しさせてもらう!土を触るのが楽しい!


「硬いですね、クマさん」


「最初は硬いので耕すのが少し大変なんです」


 なるほど、土に触る人生じゃなかったから知らなかったけど楽しい。


「小さいクワでさらに柔らかくしていけばいいですか?」


「はい、お願いします」


 2人で土を作っていく。肥料の土と混ぜてしっかり育つ土台を作っていく。膝をついて顔に土をつけて頑張ってたら、マリザとセシルが悲鳴を上げてオロオロしてたが、時間が経てばなんてことない。私に辞めるつもりもないから余計に。2人が諦めたのか、普通に仕事してる。


「いい感じになりましたね」


「いいですか?!」


「はい。タネを蒔いていきましょう」


 周りをレンガで囲いながら、どこに何を蒔くかを話し合う。クマさんと、あーでもないこーでもないと話しながらやっと決まった。


「トマトは右端、大根は真ん中、チューリップは3種類の色を左端に植えることに決まりました!マリザ!セシル!」


「いいと思います」


「3種類の色が咲くのは綺麗ですね」


「支柱はトマトが成長したら立てていきましょう」


「はい!毎日お水あげていいんですよね?」


「はい、ただ。トマトは根付くまで毎日、大根は発芽まで毎日。チューリップは毎日必要ですが土が乾いたら2回目の水をあげてください」


「わかりました!がんばります‼︎」


「はい、頑張ってくださいね」


「また、いろいろ教えてください!」


 クマさんと別れて、部屋に戻る。歩いてる間、マリザにいかに楽しかったかたくさん話す。

土で沢山汚れたので早いけどお風呂に入れてもらう。


「さっぱりしました!気持ちよかった」


「良かったです」


「本日はお疲れ様でした。頑張ってましたね」


「明日は朝起きたら花壇に行って朝食でお願いします!」


「わかりました。お食事お持ちします」


「おねがいします!」


「お嬢様、奥様に確認したらギロチンにかけられた貴族名簿の観覧許可を出していただけました」


「ほんと!よかった〜」


「本日はお疲れだと思いますので、明日読んでいただきたいです」


 確かに疲れてる。ダメって言われてた、本を読んでいいって言ってもらった。言うこと聞くべきだな。


「わかりました、明日読みます!ご飯食べたらすぐ寝ます」


「かしこまりました」


 マリザとセシルがいい笑顔だ。返答は間違ってなかったな。


 ご飯食べて、少しゆっくりしたらどっと疲れが出た気がする。ベッドに入って寝る準備。


「マリザ、セシルおやすみ」


「「おやすみなさいませ。お嬢様」」




 


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