いっぱい
メイドさんが出ていってから、少しして涙は止まって落ち着いてきた。
本当はお布団の中で丸まっていたいけど、暗闇の中に行くのが怖い。
コンコンコン
「コゼット、お部屋に入るわよ」
綺麗なドレスを着た女の人が入ってきた。
「コゼットおはよう。
マリザが血相を変えて私のところに来ましたよ。お医者様も呼びにいってます。」
手を伸ばしてきてくれるが
「いや..」
弱々しい声しか出なかったが、女の人は無理に手を伸ばしてくることはなかった
「お母様ですよ。わからない?
マリザのことは分からなかったと聞いたけど、どお?」
優しく聞かれ、どう答えたらいいか分からなくて考えている間
笑顔で待ってくれている。
「・・・分からないです」
俯いて話す。
優しく、笑顔で
「顔を上げて、分からなくても何にも問題はないわ
ここはコゼットのお部屋、私はあなたのお母様よ
自分のことはわかる?」
首をふる。顔は上げられない。
大きな声もで話せない。顔も上げられない。目に涙がたまる。
「お名前はコゼット・ティウス、5歳よ
お兄ちゃんとお姉ちゃんがいて、まだあなたのことは話してないわ。お父様は心配してきっと廊下をうろうろしてるはずよ」
ふふっと笑いながら話してくれる。
お父様は話を聞いてすぐに部屋にこようとしてくれたようだけど、マリザで怖がってるんだから貴方はダメだとお母様が言ったらしい。
私は体が震えるのを誤魔化しながら、怖いって伝わるように頷く。
「もうすぐに先生が来てくれますからね。
先生は怖がらないで頑張りましょうね。」
怖いけど、頑張ります。
言葉にはならなかったけど、頷く。




