記憶喪失2日目 lll
部屋に戻ると、絨毯の色がチャコールグレーに変わってる。
この色好き〜きれいだな〜
「靴を脱ぐ場所も作りました。
この黒いところで脱いでください」
「はい。ありがとうございます」
靴脱いで生活できるの幸せ!
嬉しくって口角が上がる。絨毯に座り込んで絨毯を触る。
「どうですか?」
「ふわふわで気持ちいいです‼︎」
寝転がりたい。頬ずりがしたい。ふわふわ毛布とふわふわクッションが欲しい(某有名なダメにするクッション)。
「お嬢様、奥様がいらっしゃいました。お立ちください」
はっ!お母様
さっと立ち上がって服を直す。
セシルさんが扉を開けて、お母様が入ってくる。
土足禁止になったのを知っているから、黒い部分で靴を脱いで部屋に入ってくれる。
「コゼット、おはよう。
アフタヌーンティーを一緒にできて嬉しいわ」
「お母様おはようございます」
頭を下げると、優しく微笑んでくれる。
お医者様が来た一昨日は混乱してたけど、今は状況もちゃんと理解できてるから驚いたり怯えたりしない。
「私もアフタヌーンティーに誘っていただけて、とても嬉しかったです。」
「フフ 私も本当に嬉しいのよ。
今日は何をしていたの?昨日は窓から庭を熱心に見ていたと聞いたわ」
話し方がとっても穏やかで優しい。綺麗で子供がいるように見えない。
「朝の中庭が綺麗で小鳥とリスが可愛かったので眺めてました。あと図書室に連れて行ってもらって絵本を2冊読みました。
本がたくさんあってとっっても幸せです。
マリザに聞いたんですけど、お祖父様が図書室の本を増やしたと」
「とっても本がお好きな偉大な方でした。
見たことない本があるとすぐ買ってしまって、よくお祖母様が呆れてたのよ」
お金があるからできることだ。すごい!羨ましい!
「お祖母様は今どちらにいらっしゃるんですか?お話ししたいです」
「・・お祖母様は10年前に亡くなりました。
残念だけど、お話はできないの」
困り眉で言われる。
困らせるつもりはなかったんだけどな。
お祖母様もお祖父様も亡くなられてるのか
両親の年齢的には若くして無くなってる気がする
医療が進んでないのかな?寿命が短いの、遺伝的なものがあるのか。調べてみる価値あり!本読みたい!
「残念ですけど、しょうがないですね。
お父様は本のお話できますか?お祖父様のお話など」
「喜んでしてくださると思いますよ。
旦那様は好んで本を読むことはないですけど、お祖父様のお話をいろいろしてくださるはずです」
「お話ししたいです!」
お母様はすごく驚いてる。なぜ?
「なら旦那様にすぐお話ししますね。
今日は疲れたと思うので、明日はどう?」
「お願いします!」
ここ3日で一番の笑顔。お母様もマリザもセシルもアンもみんな笑顔で、笑い声が響いてる。
美味しいケーキを食べて、少し食べてからお母様は帰られた。
お母様が帰ってから、絨毯の上に座って絵本を読んで夕飯食べて、また本を絵本を読む。
なんて幸せな時間。寝る時間までに3冊読んで、読み返しました。
「お嬢様、お休みの時間ですよ
お風呂で温まったので冷える前にベッドへどうぞ」
「ありがとうマリザ。
髪ちゃんと乾かしてるからか寝癖もつかなくてすごいです」
あれ、本がなくなってる。
「絵本は?」
「寝ようと思って気になって読んでしまったら、寝れなくなってしまうでしょうから夜は預かっておきます」
そんなことある?こっそり読むのが王道じゃないの?
「読まないので置いておいてください!」
「読まないんですから置いておく必要ないです。
お嬢様、おやすみなさい。いい夢を」
頭を下げてマリザが出て行こうとする
「おやすみなさい....」 悲しい




