22/29
情報戦略室6
……裏が取れたのですかと聞くと長官はバカを言うなと答えた。全ての裏を取っていたら始まらない、情報量は人間の処理限界を大きく超える。「仮装大賞」という名前の通り、全ては作り物。これを見てその日のうちだけ落ち着くならそれでも良し、だが違和感に気がついたとなれば検証にかかる。そして、どこかに感じていた違和感、不調和の正体。一つ混じりものがあった時点で、気がつくべきだった。全ては偽物なのだ。成立させるのに必要な絶対条件を満たしていないものが複数個、どこかがおかしい、成り立たない。検証する以前に制作側の意図を考えればわかる。「すべて偽物だと、気がつくか」。ダメージが幾ばくか回復すれば、正常な思考に入る。全て本物であるというルートだけは存在しないというなら、もう偽物であるという結論しかない。見捨てられた後で、なければいいが……。本部の意向は、情報戦略室にもほとんど届かない。




