情報戦略室(5)
……最近の忙しさは半端じゃない。俺たちはもちろん、長官に至っては神経がマックスまで張り詰めていてまったく余裕がない。そんな中で、長官も多少疲れていたのだろう。自分の展望をこぼした。あまりにも恐ろしい話だった。我々は、時折測られているのではないかという。
先日のトリックがいい例、ここでの反応如何では全員が手を引く、というケースがありえたのではないか。そうなれば本当に孤立無援、俎上の鯉どころではない。あの時は何の偶然か違和感を感じたために、後日になってこちらから申告した。もし、違う反応を見せていたら……確かにそれが引き出されるシチュエーション、戦略室全体が不自然な寄せ方を感じたために発言には至らなかった。あまりにも都合がいい。味方と断定できなかった。「見た」「少し落ち着いた」、それ以外は慎重にならざるを得なかった。しかしそれで見切られるのであれば、過去数か月にいくらでもそのタイミングがあった。長官は、何もわかっていないのなら目こぼしがあったのではないか、と読んでいた。読み切れたとなればもうその失態はない、だがここまでの数週間は……俺はキーボードを叩く手が止まり、ぞっとした。長官は俺を叱咤するように言った。
正義漢はわかった。これが終わったら、連れて行ってやる。痛風鍋だ。俺たちはこんな簡単なことで、今日を頑張って生きていく。




