表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生コウモリちゃんは吸血姫になりました~領地を広げて死者(私)の楽園を作りますね!~  作者: 十一屋 翠
第4章 吸血鬼大戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/61

最終話 吸血鬼は今日も領地拡大に勤しむ

 結局、コンゴウルとの戦いで建国式典はグダグダになってしまった。

 各国の使者達は巻き込まれたらかなわんと逃げ出してしまい、式典どころではなくなってしまったのだ。


「うふふふ」


 しかしそんな中、アドルネルだけはニッコニコだった。


「だって、各国の使者達の前でお姉様の力をこれでもかと示す事が出来たんですよ。アレを見た使者達の顔と言ったら、お姉様に見せたかったです」


 いやー、そんなモンを見せられてもねぇ。


「誰も彼もが恐怖と絶望に塗れた顔で内心に潜ませていた敵意を粉々に砕かれ、我が国と同盟を求めていた小国や少数種族は最初から友好を求めて良かったと心底安堵していたんですよ」


 まぁ、あの惨状を外側から見ればそうもなるよねぇ。

 私も滅茶苦茶になった大地を見てなんじゃこりゃってなったもん。


「更にお姉様達の戦いで破壊された山から新たな鉱脈が発見されたんですよ!」


「え? そうなの!?」


 鉱脈って鉄とか金とかのアレだよね?


「なんの価値もないと思われていた山から鉱脈が発見されたんですから大事件ですよ。しかもこれまでわが国には存在しないと思われていた貴重な鉱石なので、周辺国はさぞかし悔しがるでしょうね! まぁ最初は試掘を兼ねて国内での使用に留まるでしょうが」


 めっちゃ嬉しそうに採掘された鉱石についての報告を読み上げるアドルネル。


「かなりの埋蔵量が期待されるみたいですから、これは我が国の新たな産業になりますよ。それに今回は中立的立場とか言って動かなかったドワーフ達も、この鉱石が手に入るとなれば重い腰を上げるでしょうね。上手く交渉出来ればドワーフが人間と敵対する種族と友好的になるチャンスです。彼等は人間寄りの中立でしたが、裏では希少な鉱石を求めて人間に敵対的な種族と交渉を持っていた事は公然の秘密だったので」


 成程、公然の秘密だった利敵行為が今後は表立って行われるようになると。

 そうなると人間寄りだったドワーフは私達寄りとは言わないまでも、完全中立になって人間側にとってはやりにくくなると。


「それにお姉様達の戦いで出来た谷は防衛設備として利用できます。移動用の橋だけをかけて谷だけはそのままにしておけばそちらの方面にかける巡回のコストを下げる事が出来ますから」


「あの谷まで利用するとか、アドルネルはちゃっかりさんだなぁ」


 でも流石に無数に出来たクレーターは利用手段がないっぽい。


「クレーターは整備をして貯水池として利用する予定です。川がいくつか分断されてしまったので、それを直しがてらクレーターに流し込んで小さな湖を作りましょう」


 お、おう。出来たものは全部利用するその根性、お嬢様って言うより主婦って感じが凄いね。

 ともあれ、コンゴウルとの戦いは思った以上に私達にとってメリットが多かったらしい。


「そう考えるとコンゴウルにも少しくらい感謝してもいいかもね」


「おう、少しと言わず思いっきり感謝しろよな!」


「ははは、抜かせ……って、え?」


 何やら聞き覚えがある声に振り返れば、そこには見覚えるのある色んな動物の混ざった獣の姿が……


「って、コンゴウル!? 何でここに!?」


 ギャー! まさかこの間のリベンジ!?


「おう、今日は遊びに来たぜ!」


「遊びぃ~?」


 そんな事言ってこいつの事だから、遊び=バトルの可能性が高い。


「ほれ、土産も持って来たぜ」


 と、コンゴウルが毛皮の中から袋を取り出すとこちらに差し出してくる。


「各種レアポーションの詰め合わせだ。俺達にゃ不要だがその人間の娘とかにはあると便利だろ?」


「えっと、ありがと」


 思った以上にまともな土産にちょっとびっくりする。

 でもまぁ、折角もらったんだから有効活用させてもらおう。


「お、お姉様、これエルダーポーションですよ!?」


 そうしたら、突然アドルネルが悲鳴のような声を上げる。


「エルダーポーション? 何それ?」


「高位ポーションを厳格な環境で熟成させた貴重な品です! ただの高位ポーションと言うだけでなく、古酒のように時間をかけて寝かせないと出来ない物凄く貴重なポーションなんですよ!」


 ほえー、ポーションにもそんなお酒みたいな年代物があるんだ。


「いいの?」


 さすがにアドルネルがここまで驚く貴重品をお土産として貰ってしまってもいいのかつい確認してしまう。


「良いって事よ。これからお前の所に世話になる訳だしな」


「は?」

 いや待て、何を勝手に引っ越し宣言してんのさ。


「何せこれからここには強敵がひっきりなしにやって来るからな。その嬢ちゃん達が生き残る為にもこのくらいは用意しとかないとな」


「だから勝手に住む事にしない……今なんつった?」


「だからこの土地はこれから無数の敵に襲われるつったんだよ」


「襲われる? 何で?」


 私達の戦いで周辺国はビビリちらかして逆らう気を失ったんじゃないの?


「おうよ、俺達の戦いに当てられた世界中の強者達が動き出したんだよ」


「世界中の強者!?」


 何それぇ!!


「へへっ、楽しみじゃねぇか。ここに居ればそいつ等が自分からやって来るんだぜ。腕が鳴るってもんだ!」


「鳴らせるなんなもん!」


 どどどどうしてこうなったぁー!


「大変です陛下! 吸血コウモリからの報告です! 西の大国が我が国へ宣戦布告をして軍を動かしたそうです!」


「はぁ!?」


 ドアを蹴とばす勢いで飛び込んできたダークエルフの報告に心臓が止まりそうになる。


「我ガ主! 東のドラゴン達ガ群レヲ成シテ我ガ国ニ向カッテ来テイルト報告ガ!」


「ふぁっ!?」


 今度はオークが壁を破壊する勢いで部屋に飛び込んでくる。


「女王! 魔族ノ王ガ最強ハ自分ダト女王ニ戦イヲ挑ニ来マシタ!」


「来たの!?」


 更に慌てふためいたゴブリンが殴り込みの報告に現れる。


「ガハハ! どいつもこいつも動くのが早ぇじゃねぇか! こりゃ急いでやって来て正解だったな!」


「「「「主様―大変です!!」」」」


「もう勘弁してーっ!」


 次々にやって来る新たな敵の報告に私は頭を抱える。


「一体いつになった静かな楽園でノンビリ出来るのぉーっ!」


 我が国の領地拡大は、暫く終わりそうにないのだった。とほほ……

これにて小さな吸血鬼の物語は完結です。

皆様最後までお読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ