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転生コウモリちゃんは吸血姫になりました~領地を広げて死者(私)の楽園を作りますね!~  作者: 十一屋 翠
第3章 暗黒都市開発編

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第46話 神の化身? いいえ吸血鬼です

「「「「……」」」」


 壁の向こうから現れた司祭達は何故か私を攻撃せずに呆然とした様子でこちらを見ているばかりだった。


「えーっと、何で動かないの?」


「「「「っ!!」」」」


その奇妙な光景に思わず声を掛けてしまうと、流石に彼等も我に返る。


「な、何故だ!?」


「何故って何が?」


「何故お前は生きている!?」


「……は?」


 ええと、どういう事?

 私等はドッカンドッカンやり合ってたんだから、壁の向こうに居た彼等にはどっちが勝ったかなんてわかんない筈だ。

 なのに何でああもはっきりと私が生きているのはおかしいなんて言えるんだろう?

 まるで私が倒されたに違いないと確信していたかのような発言だ。


「何でも何も、私達が勝ったからに決まってるじゃない」


「ありえん! 神の裁きを受けて生きていられる筈がない!!」


「神の裁き? 何それ?」


「雷だ! 天より降り来るは神の裁きの証!! 邪悪を撃ち滅ぼす神の力だ!」


あ、あー、成程、成程ね、この世界の人達って雷の事を神の裁きって思ってるんだ。

そんでさっきから雷がドッカンドッカン落ちてたから、きっと壁の向こうでは神様が落とした雷が悪い吸血鬼に罰を与えてるに違いないと勘違いした訳かぁ。


そういえば大昔の人って、天災を神様が怒ってるとか思って雨ごいやら生贄やらを差し出したりしてたって言うもんね。


「答えろ! どうやって神の裁きを免れたのだ!」


「どうもこうも、こうやってかな。サンダー!」


 私は大げさなリアクションと共に一番前に居る司祭の足元に落とす。

 これで私が落としたと分かったら、相手も凄く動揺するだろう。

 何せ神様の力と思ってるみたいだからね。


「神よ、何故私達に!?」


 と思ったら彼は私じゃなく神様が落としたと勘違いしてしまった。


「今のは私の魔法だよ。雷の魔法を使って騎士達を倒したんだ」


「ふざけるな! 吸血鬼ごときに、いやこの世界の存在にそんなことが出来る訳が無いだろう!」


 うわ、めっちゃ否定してくるじゃん。


「雷は神の権能! 神以外の何者にも雷を操ることなどできんのだ!」


 雷を操れない? それって魔法を使っても?

 でも私は普通に再現できたんだけどなぁ。


「んー、もしかして人間と私達だと魔法の使い方が違うからかなぁ?」


 人間は呪文を唱えて魔法を使うけれど、私達吸血鬼は自分自身が魔法に近い魔力生命体だ。

 だから吸血鬼の魔法は魔力にイメージを注ぎ込むだけで発現する。

 なので火や氷を生み出すのと同じように雷を扱える。

 そこが人間達との違いなのかもしれない。まぁ人間の魔法の仕組みを良く知らないから断言はできないんだけどね。


 あっ、もしかしたら前世の知識で雷の科学的なメカニズムをざっくりだけど知っているのも関係しているのかも。


「でもまぁ、出来るのは事実だしね。サンダー!」


 ドォンドォンと私は司祭達の周りに雷を落とす。

 それも偶然ではなく明らかに人為的なのが分かるように、円を描くように雷を落としてやった。


「どう? 偶然じゃそんな雷の落ち方はしないでしょ?」


「…………バカな、本当にお前がやっているのか?」


 信じられないという驚愕の表情で司祭達は私を見上げる。

疑うなぁ。私は返事の代わりに尋ねた司祭の直前に雷を落とす。


「これが答えだよ」


「……あ、あり得ない、神の権能を吸血鬼が使うなど! お前は本当に吸血鬼なのか!」


 吸血鬼かそうでないかと言えば吸血鬼なんだけどね。


「吸血鬼だよ。ただまぁ、もしかしたら普通の吸血鬼じゃないのかもね」


 事実私は前世の記憶を持っている。

 そういう意味では普通の吸血鬼とは言えないだろう。


「で、どうするの?」


「ど、どうとは?」


「神の権能を使う私とこれ以上戦う? それとも逃げる? 逃げるなら見逃してあげてもいいよ?」


 私は悠然とした態度で彼等に撤退を許す。


「あ、あり得ない。あり得ない!!」


 そう言いつつも彼等は後ずさりをしている。

 そして私との距離がある程度まで離れたところで一目散に逃げ出した。


 私はその姿が見えなくなるまで見送ると……


「っはぁ~~~っ、何とか騙されてくれたぁー」


 ため息を吐いて地面に軟着陸した。


「危なかったー。この状況で神聖魔法ぶち込まれたらこっちがやられてたよ」


 あんな熱いの二度とゴメンだってーの。

 こっちの演技に上手く騙されてくれて良かったよホントに。


「けど雷は神の力かぁ。ふむ、これは上手く立ち回れば向こうも安易に手出しできなくなるかもだね」


 全ての敵を退けて戦いに勝利した私は、今後の事について思いを馳せる。

 そんな私をねぎらうように、夜明けの光が私を暖かく包む。


 ジュ~~~~~~


「って、あっちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 焼けてる! めっちゃ焼けてる!!


「お、おわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 太陽の光に襲われた私は、慌てて地面に突っ込んで難を逃れたのだった。


「モグラか私は!!」


 くっ、最後までシマらないって言うか、また太陽オチですかー!

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