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転生コウモリちゃんは吸血姫になりました~領地を広げて死者(私)の楽園を作りますね!~  作者: 十一屋 翠
第3章 暗黒都市開発編

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第43話 墓穴に入るのは……

 それは一瞬だった。

 突然崩れ落ちる地面に巻き込まれる連合軍の兵士達。

 騎士が、司祭が、アンデッド達ですら穴の中に落ちてゆく。

 広大な大地が一瞬で陥没してゆく様は、壮観ですらあった。


「簡易ダンジョンの一斉崩落、おっかないねぇ」


 そう、この崩落は私達の日中避難用に作った簡易ダンジョンが原因だ。


「簡易ダンジョンは前回の戦いで発見されてしまいましたからね。どうせバレたのなら再利用した方が効率的ですから」


 再利用っていうか、再破壊なんだよなぁ。


「やたらめったらアリの巣みたいに広く深く掘り進んで地盤をゆるゆるにしておいて、木材や魔法で辛うじて補強、そして敵の軍勢が中心近くまで近づいて来た所で一気に補強箇所を破壊」


「そうなればただでさえ緩んでいた地盤が連合軍の軍勢の重さに耐えかねます。しかも一斉に移動し魔法をまで放つ振動のおまけつき。これで崩壊しない筈がありません」


 一応駄目だったら私の魔法で地盤に止めを刺す予定だったんだけどね。

 こうして見事に連合軍は崩落に巻き込まれた。

土砂に巻き込まれ死ぬ者、落下時に当たり所が悪くて死ぬ者、降ってきた瓦礫に潰されて死ぬ者と様々。


「う、うう……ぐぁっ!?」」


辛うじて生き延びる者達もいたけど、一緒に落下していたアンデッド達によって止めをさされる。

アンデッド達は痛みを感じないからこそ、こうして危険な崩落現場で生き残りを潰してゆく。


「でも後方にちょっと生き残ってる兵が居るね」


「そちらは日中組の皆さんと動物アンデッド達に頑張ってもらいましょう」


 もはや戦場で動く者は死体のみ。

僅かな生き残りも苦尽くされつつあり、戦闘は完全に私達の勝利で終わろうとしていた……その時だった。


 ドン! ドン! ドン!


 地面を吹き飛ばし、何かが地上に飛び出してきたのだ。


「なになに!?」


「やはり生き残りが居ましたか!」


 飛び出してきたのは騎士達だった。連合軍の騎士、それに聖騎士、一部には司祭の姿も見える。


「何でアレで生きてるのぉ?」


「防御魔法を全開でかけて耐えきったのでしょう。やはり練度の高い兵は危険ですね」


 マジかよ。異世界の騎士ってヤバ過ぎない?

 あんな大崩落に巻き込まれても生きてるなんて、マジで漫画の主人公みたいじゃん。


「どうすんのアレ?」


「普通に戦うしかないですね。あのレベルになるとグールや動物アンデッドでは相手になりません。ダークエルフ達がチームを組んで戦えば対応できますが、地盤が緩くなっているので彼等を投入するのは避けたいですね」


「という事は……」


「はい、お姉様の出番です!」


 ですよねー! だってこの中じゃ私が(いまいち実感がないんだけど)一番強いんだもんね。


「はぁ、わかったよ。行ってきます」


「はい、行ってらっしゃいお姉様! 勝利の報告をおまちしております!」


 そこはご武運をお祈りしておりますじゃないの? あとキラキラした目で私の活躍を期待するな。

 どれだけ強くなってても私の中身は元一般人なんだぞ。

 異世界のめっちゃ強い騎士に自分がどれだけ通じるかなんて分かんないんだからね。


「クィクィ」


 すると私の横にミイラ一号君が並び、腰に装備した魔剣の柄尻をパンと叩く。


「一緒に戦うから心配ないって?」


「コクッ」


 そうだよと頷くミイラ一号君。

 ううっ、良い奴だよコイツ!

 流石私の一番最初の眷属! 頼りになるぅ!


「よし、それじゃあ行こうか!」


「コクッ」


 私達は宙に舞うとアドルネルを危険に晒せないよう町の入り口に落ちたち、騎士達がやって来るのを待つ。

 直接彼等の下に行かないのは、お城の先生から受けた教えを思い出したからだ。


「高貴な種族たるもの、自ら挑戦者の下へ行く必要はありません。向こうに来させるのです」


 というのも例の吸血鬼の種族ブランドを高める為の演出なんだとか。

 そうして終結した生き残りの騎士達が私の下へとやって来る。


「ようこそ私の領地へ。歓迎いたしますよ」


「……お前が白蛇公女か!」


 ……うん、なんか自分の事を二つ名で呼ばれるって凄くヘンな気分。

 〇〇中学の不良、鉄パイプのなんちゃらみたいなのを現実で言われるとはなぁ。

 とと、いけない。ちゃんと受け答えしなきゃ。高貴な吸血鬼は第一印象が大事だからね。先生もそう言ってた。


「白蛇公女という名は知りませんが、私は呪海大公ヴォイラード・クロムシェルの娘メルリル・クロムシェルと申します」


「「「「っ!!」」」」


 生き残りの騎士達がお父様の名前を聞いて気色ばむ。


「勇気ある挑戦者よ、ここまでたどり着いた貴方達に敬意を表して、私達が直接相手をしてあげましょう」


 先生から教わった吸血鬼らしい振る舞いを演技をすると、ミイラ一号君がすっと魔剣を抜いて私の横に立つ。


「たかがグール1体を供にして何が出来る!」


 と、生き残りの中にいた聖騎士が弾丸のような勢いで飛び出してきた。

 ってあんな重そうな鎧を着てるのにめっちゃ速っ!?


「神の祝福を受けし聖剣の前に滅べ!」


 聖騎士が太陽の輝きを感じさせる光を放つ剣を振りかぶりミイラ一号君に襲い掛かる。

 それは自分達を迎え撃つ敵がたかがグール1体と言う事への怒りからか。

 でも、だからこそ彼は気を付けるべきだったんだ。


「待て! グールが一匹なんておかしい!」


 けれど彼は仲間の忠告を無視してミイラ一号君に剣を振り下ろす。

 刹那、ミイラ一号君が体をわずかに捻っただけで剣は空振りして地面を砕く。


「なっ!? にっ!?」


 最初の「な」は剣を避けられた事への驚愕。

 そして次の「に」は自分の視界が傾いている事への驚愕だった。


 ドシャッ。


 そうして、一番最初に飛び出してきた聖騎士は、ミイラ一号君の剣によっていつのまにか斜めに切られ、わずか数秒で真っ二つになって絶命したのだった。

 って、私の眷属強すぎぃ! ホント剣を持つとキャラ変わるなこのミイラ!

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