第33話 戦力増強と強さの確認はイコール
「今日も今日とて防衛体制の増築だ~」
「でちゅー!」
という訳で今日も今日とて都市の改造にいそしんでおります。
新たに眷属に加わったソルフィもやる気満々だ。
ちなみにアドルネルは都市開発の陣頭指揮に出ているのでここにはいません。
「きょうはなにをちゅるのでちゅか?」
「今日は眷属のアンデッドを増やすんだよ」
「アンデッドはごちゅじんさまのしょうきでかってにふえるんじゃないんでちゅか?」
うん、その通り。
土地を支配したことでフェネシアの町周辺は瘴気に覆われる事となり、その範囲内で死んだ者は自動的にアンデッドに変貌するようになった。
「それだと寿命や不慮の事故で死ぬ死体を待つことになるからね。積極的に獲物を狩りに行くんだよ」
「なるほどでちゅ。それでどこのまちをせめるんでちゅか?」
おいおい、防衛体制を整えるって言ってるのに他の町を攻める訳ないじゃん。
こういうところはまだまだ生まれたてだなぁ。
「攻めないよ、今は動物のアンデッドを増やしているんだ」
「どうぶちゅ? それってよわくないでちゅか? にんげんのちぇんちか、まものをけんぞくにしたほうがよくないでちゅか?」
うん、確かに単純な強さならそうだ。
「確かにね。でも毒蛇のアンデッドは単純な強さじゃなく毒による一撃や小さな体を活かしてどこにでも入れる利点があるんだ。ネズミも同様で偵察や病気の蔓延って手段が使える。犬や猫は人間に怪しまれずに偵察が出来る事がメリットかな」
そう、弱い戦力でも使いようによっては大きな戦力になる。
小さい事は戦う上ではデメリットでも、偵察のためには利点になるといったようにね。
まぁアドルネルの受け売りなんだけど。
「なるほど、でもそれならごちゅじんさまがわざわざけんぞくにするひちゅようはないんじゃないでちゅか?」
「え?」
「だってていさちゅやどくのようなちからにたよらないこうげきをしゅりょくにちゅるならよわくてもいいでちゅ。だからほかのけんぞくたちにてあたりしだいにどうぶちゅをおそわせればごちゅじんさまはつよいけんぞくをうみだすことにせんねんできるでちゅ」
「……天才かよ」
た、確かに。言われてみれば毒蛇アンデッドは眷属産の性能が低いアンデッドでもたいして問題ないよね。
高性能な毒蛇アンデッドが欲しくなったらその時だけ私が直々に眷属にすればいいだけだし。
つまり、とにかく数が欲しい今の状況なら、ソルフィの言う通りにした方が圧倒的に効率がいいじゃないか!
「もちかちてわたちのごちゅじんさまってバカなんでちゅ?」
「馬鹿って言うなー! 馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞ!」
「このごちゅじんちゃまだめだめでちゅ。わたちがちっかりしないと……」
生まれて数日の眷属に頭を心配されただと!?
「ごちゅじんちゃまのけいかくはこんごソルフィがチェックするでちゅ。アドルネルにもいっておくでちゅ」
やだ、私の眷属厳しすぎ!?
◆
「とうわけでごちゅじんちゃまにはじぶんののうりょくをちってもらいまちゅ」
なんかいきなり仕切られてます。
「自分の能力?」
「でちゅ。ごちゅじんちゃまはじぶんののうりょくをむだにあそばせていまちゅ。だからなにができるか、どんなおうようができるかをちるためにのうりょくをちっかりりかいちてもらいまちゅ」
ほえー、しっかりしてるなぁ。人生計画とか立ててそう。
「まずはちんぷるなせんとうのうりょくでちゅ。ごちゅじんさまはタイマンでどれだけちゅよいかいろんなまものとたたかってたしかめるでちゅ」
あっ、それは私も気になってた。
お父様や先生達の話だと私はかなり強い吸血鬼らしいんだけど、いまいち実感が湧かないんだよね。
でも城の近くにいる魔物や、人間の国の秘密兵器を倒せたから実際に強いんだとは思う。
ただ、それが具体的にどのくらい強いのかは戦ってみないと分からないというのが現状なんだよね。
「いろんなてきとたたかって、どのランクのまものにかてるのかがわかれば、こんごあいたいちゅるてきとのせんりょくさをはかりやすくなりまちゅ」
おお、ちゃんとしっかりした理由があるんだね。
「というわけでこのあたりであばれているブラッドファングをたおちてもらうでちゅ」
「いきなりぶち込んでくるじゃん」
「ブラッドファングはしーらんくのぼうけんちゃたちがチームでとうばつするれべるのまものでちゅ。よわいアンデッドたちがおそわれているのでそのついでにちからをはかるでちゅ」
あー、アンデッド達が襲われてるのなら間引きしないとだね。
「これをたおせればごちゅじんちゃまはたんどくでしーらんくのまもの、そしてしーらんくのぼうけんちゃぱーてぃをたおせるというしょうめいになるでちゅ」
なるほど、魔物だけでなく人間の強さの基準も間接的に測れるのか。
やっぱウチの眷属賢くない?
「ところでブラッドファングってどんな魔物なの?」
「おおかみのまものでちゅ。5たいくらいでむれをつくってかりをするでちゅ」
五体くらいの群れで狩りをする狼の魔物?
「ちなみにサウザンドウルフの群れは?」
「ひかくにならないくらいさがあるでちゅ。ザウザンドウルフいったいでブラッドファングのむれをよゆうでせんめつできるでちゅ」
そっかー、一体で殲滅できちゃうかー。
「えっと、私サウザンドウルフの群れを単独で殲滅できるんだけど……」
「でちゅ?」
「でちゅ」
ソルフィがマジで? って顔で聞き返してきたので、こっちもマジだよと返事をしておいた。
「……じゃあサクッとたおしてつぎにいくでちゅ」
という訳でCランク冒険者パーティ相当の強さがある事が確認されました。
「つぎはびーらんくそうとうのですとろいぐりずりーでちゅ。びーらんくはいちりゅうのぼうけんしゃでちゅ」
「ちなみにデッドリーベアと比べると?」
「……たおしたでちゅ?」
「でちゅ」
尋ねられたので答える。
「……ちゃくっとおわらせてつぎにいくでちゅ」
という訳でBランク相当の強さも確認されました。
結局近場ではそれ以上の敵がいなかった為に、Aランク相当の実力は確認できなかったけど、王国戦勢騎士団との戦いも考慮すると多分Aランクくらいあるだろという事で決着がついた。
「たくちゃんけんぞくがふえまちた!」
そして眷属のアンデッド達に動物狩りを頼んだところとても沢山の眷属が集まり、マジで私がいちいち血を吸う必要なかったなと実感させられたのだった。
面白い、もっと読みたいと思ってくださった方は、「楽しい!」などの感想や評価、またはブクマなどをしてくださると作者がとても喜びやる気が出ます。




