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転生コウモリちゃんは吸血姫になりました~領地を広げて死者(私)の楽園を作りますね!~  作者: 十一屋 翠
第1章 ザコザココウモリ超進化編

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第2話 なんかミイラが動いてる

 どこにでもいる転生吸血コウモリだった私は、気が付けば人間の姿になっていた。


「何が起きてるのー!?」


 いやホント何が起きてんの!? 誰か教えてー!

 こういう時、こういう時誰か物知りな人は……先輩吸血コウモリ! ……は駄目だ。

 先輩達はあくまで吸血コウモリとして物知りなだけで、専門知識とかは持っていない。

 だから先輩達が重要な情報を入手したにも関わらずそれに気付かず報告を忘れた時なんか、ご主人様は眉間に手を当てて「そうだな、お前達にそれが分かる知性は無いからな」って溜息を吐いていたっけ。


 ちなみに私は前世人間だった記憶があった事もあって、気になった情報をちゃんと報告していたのでご主人さまから「お前は体は小さいが気が回るな」って褒められて果物とか偶にもらえてたんだよね。


「あっ、そうだ! ご主人様! ご主人様に聞けば!」


 ご主人様ならこの状況も理解できるかもしれない、いや分かる筈!

 という訳で私はご主人様の居る城に急ぎ帰る事にした……のだけど。


 ピョンピョン!


「あ、あれ? 飛べない!?」


 飛んで帰ろうとしたら何故か飛べなくなってる!


「あっ、そっか、 人間の姿になったから!」


 何てこったー! これじゃ飛んで帰れないよ!


 しょうがない、歩いて帰るか。

 幸い城の方角は分かるし。

 しかたなく歩いて帰ろうとしたその時、カチャン、という音が後ろから聞こえて来た。


「ん?」


 振り返ると、そこにはミイラが立っていた。


「え?」


 あ、あれ? ミイラが立ってる。えっと、死体は立たないよね?

 いや、異世界だからアンデッドになって動くのか。


「でもアンデッドって……」


 基本アンデッドという存在は、この世に無念があるから発生する、とご主人様が言っていた。

 で、特別な力や魔法で使役された以外のアンデッドは無念に従って本能的に動くから基本周囲にいる生き物を襲うのだとか。

 無念の原因である相手と勘違いして襲ってくるとか、生きている者を羨んでその命で自分が生き返ろうとするとかで。


 で、今の私は人間の姿であって魔物じゃない。

 そして空も飛べないか。


 ズザッ、ミイラがよろりと剣を抱えて私に近づいてくる。


「こ、これもしかしてターゲットにされてるぅぅぅぅ!?」


 やばい! 襲われる!

 私は慌てて走って逃げだした。

 しかし足がもつれて上手く走れない。だってしょうがないじゃない、人間の体なんて久しぶりなんだから!


 私が走って逃げると、ミイラも追いかけてくる。


「ギャー! 追いかけてくるー!」


 幸いだったのはミイラもヨロヨロとした足取りであった為、私に追いつけなかった事だ。

 ヘッポコな足取りで逃げる私とヨロヨロの足取りで追いかけてくるミイラ。

 はたから見ると物凄く間抜けな光景だけど、こっちは必死なんですよ!


「だ、誰か……助け」


 と、そこにガサリと藪の中から誰かが姿を現した。


「あっ!?」


 けれどそれは都合の良い救いの手などではなく、もっと恐ろしい存在だった。


「グロロロロッ」


「マッドタイガー!?」


 森の殺し屋マッドタイガー。

 地球のトラの4倍の体躯を誇り、その性能は地球のトラの私換算で10倍以上。

 更に異世界な能力で全身の毛皮の防御力は地球のトラの数十倍、四肢の爪は日本刀の何倍も鋭く、西洋剣の何倍も威力がある(私換算)。


 空の上から偵察していた時、何人もの人間の戦士達がその毒牙によって獲物になっていったのだ。

 で、そのマッドタイガーが私を見て体を低く沈める。

 完全にロックオンされたーっ!?


「グロォッ!」


 そして跳んだ。


「だっ、た、助けてーっ!」


 言葉にならない救いを求める声。

 けれどそれに応える者はどこにもおらず、私は今度こそ死ん……


ザシュッ!


「……っ!」


 ドザァァァァ!


何かとても重いものが地面に叩きつけられ、周囲が揺れる。

 でも痛みは感じない。

 一瞬で死んだから?


 ふと、力強い血の香りが漂ってくる。


「……え?」


 その匂いに目を開ければ、私の体は何ともなかった。

 代わりに目の前に青白く輝く剣を構えたミイラの姿が。


「え? いつの間に?」


 そして後ろから漂ってくる匂いに振り返れば、そこには真っ二つになったマッドタイガーの巨体が。


「あ、貴方が倒したの?」


 私が尋ねるとミイラが頷く。


「えっと、助けてくれ……た」


 もう一度尋ねると、ミイラはもう一回頷いたのだった。


「……何で?」

面白い、もっと読みたいと思ってくださった方は、「楽しい!」などの感想や評価、またはブクマなどをしてくださると作者がとても喜びやる気が出ます。

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