0.プロローグ
最強の魔術騎士が自分の星に帰る為に奮闘します。宜しくお願いします。
とある星間戦争の最中、万能魔法の使い手で最強の魔術騎士と恐れられていた俺だが、迂闊にも油断をしてしまったわけだ。
俺達が追っているのは数々の惑星を荒らしまわり、悪の限りを尽くす帝国軍。対して俺たちが属するのは全宇宙の平和を掲げる共和同盟軍だ。遂に奴らの本拠地である移動惑星サージアを発見し、上陸する事に成功した時の事である。
◇ ◇ ◇
圧倒的な魔法力のある俺が惑星イメルダの騎士団の指揮官として、数年がかりでようやく見つけた帝国軍の本拠地、移動惑星サージアの首都グェンにあるグェン城に乗り込んだ時の事。部下である約100人の魔術騎士を従え開城された城に堂々と先頭で乗り込み、奴らを追いつめた瞬間、俺は多重の拘束魔法をかけられてしまったのだ。その上すぐさまシールド魔法で城を固められたので、部下達は俺を救うことが出来ない。城に入れないのだから致しかたないのだ。
俺の方はというと、少々の拘束魔法程度なら、直ぐに解除することは出来るのだが、総勢50人程の敵の魔術師から一気にそれをかけられたものだから、さすがの俺でも手も足も出なかった。ただ、言わせて貰えば、例え50人の拘束魔法であろうとも、予め分かってさえいれば十分に対処は出来たのだが、数年間探しまくった移動惑星を漸く見つけたことによる気のゆるみと不意打ちだな。こうなってはどうしようもない。
ただ言えることは、拘束魔法を掛けられていようが、そもそも俺は基礎的ステータスがすこぶる高い。それに加えて超強力な身体強化魔法やシールドをかけているのだ。それもまだ当分は効いているはず。敵の魔法攻撃や物理攻撃など一切効かない。ふふふ、お前たち、先ずはシールドの解除から始めるべきだったな。すぐさま拘束魔法の解除に取り掛かった俺に帝国軍の連中は焦り出した。攻撃は効かず、拘束も解除されると残るは自分たちの破滅だけだ。そこで奴らが取った手段はというと、俺を未知の世界に放り出してしまう事。
多重の追放魔法に解除に間に合わず、抗うことも出来ぬまま、気が付けば見知らぬ星に飛ばされていたのだった。
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