表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/19

8 誕プレ

彼女の誕生日が近づくある日


大学の講義が早く終わった私は、

彼女の誕生日プレゼントを買いに来ていた。


事前に本人に希望を聞き、渡すと約束していたもの。


ここ数日、私は彼と彼女について目を逸らしていた、

見ていたくなかった。

正直、彼女に会うのも少し怖かった。


ただ、約束を破るわけには行かない。


プレゼントを買い、彼女にいつ渡せるか、とlineで問う。

彼女からの返信はすぐに来た。


「今日でもいいよw」


すぐに彼女から指定された店に向かう。

変わらない彼女の姿が、そこにはあった。


何気ない日常の会話。いつも通りの空気感


彼女を不快にさせたくない私は、

彼との事について深く聞くことはしなかった。


「気をつけてね、何かあったら私に連絡するんだよ?」


私が彼女に伝えたのはそれだけ。


深く聞くべきであるのは理解していた。

でも、できなかった。


彼女の口から、その答えを聞くことを

その勇気が私にはなかった。


ただひとつ、悪あがきをした。


彼女が希望した誕プレは、洋服


私はプレゼントしたワンピースを、

彼と会う日に着ていくように誘導した。


「私のチョイスだから、Aちゃんに似合うか分からなくてさ」


「私が次会えるの、いつか分からないし、

彩翔さんに、似合っているか聞いて欲しいな。」


本当にただの悪あがき、


何かあった時に、

彼女が ”私” という逃げ先をすぐに思い出せるように


そして、"彼" への、ちょっとした威嚇



「わかった !! 着ていく !! 」

可愛く返答する彼女。


守りきれないかもしれない。

彼女にとっての "幸せ" を

邪魔する結果になるかも知れない。


でも、私は諦めきれないのだから、仕方ない。


彼女が笑顔である未来を信じて


ギリギリまで足掻くことを決心した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ