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人類最強の異世界ゴリマッチョおじさん、奴隷商から三姉妹を救ったらオタ趣味が捗った件  作者: 浅見朝志


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第17話 ピーチアリゲーターと昔の記憶

 山奥の里を出て数時間歩くと辺りはすっかり暗くなってしまったため、俺は少し開けた場所で野宿をすることにした。そして翌日の早朝からまた1、2時間ばかり歩くと沼地に着く。チラホラと活発に歩き回っては交配を繰り返すピーチアリゲーターたちの姿が見える。

 

 ……ピーチアリゲーター、か。実物を見るのは20年以上ぶりだな。

 

 ピーチアリゲーターの背中に生える樹木、そこに実るピンク色の果実を見ると、トラウマのせいか、少し喉につかえを覚える。俺は昔、それのせいで死にかけたことがあるのだ。

 

「……完全に自業自得だったけどな」


 当時のことは今でも鮮明に思い返すことができる。




 ──それは俺がまだ家族を失う前のこと。戦士だった姉たちが増殖しすぎたピーチアリゲーターを狩猟するため泥沼へと向かうのに、俺がくっついて行ったときのことだった。




「んまっ、んまっ!」

「美味しいか、ゴリウス」

「うんっ! んまいっ!」


 当時の俺は7歳かそこらで、今は亡き10歳年上の姉ふたりにもらったピーチの実に舌鼓を打っていた。

 

「ほれほれゴリウス、いっぱい食べなさいな」

「おかわりもあるぞ」

「うんっ、ありがとー! ねぇーちゃん!」


 バッタバッタとピーチアリゲーターを討伐していく姉たちの後ろで、俺は両手いっぱいに抱えたピーチの実をひたすら食べまくる。


「あっ」


 ピーチの実をひとつ落としてしまい、俺はそれを拾いに姉たちの後ろから少し離れてしまった。それが事の発端だった。


〔グルァッ!〕

「うわっ⁉」


 食べかけのピーチの実を口に咥えたまま拾おうと身を屈めていた俺は、突如として飛びかかってきた全長6メートル級のピーチアリゲーターに反応できず、固まってしまった。しかし、

 

「ゴリウス、危ないぞ」


 姉のひとりが手のひらで軽く撫でるようにピーチアリゲーターに触れると、ズギャアン! と、赤い輝きと共に雷鳴のような音が轟いて、ピーチアリゲーターが遠くまで飛んでいった。おかげで俺がピーチアリゲーターに食い殺されることはなかったのだが。


「……んごっ⁉︎」

「ゴリウスっ⁉︎」

「……ブクブクブク」

「ゴリウスーッ!!!」


 俺は驚いた拍子に口に咥えていたピーチの実の種を飲み込んでしまい、それで窒息してしまったのだった。


 ……。


 …………。


 ………………とまあ、その窒息経験がトラウマになって、以来ピーチの実を見ると喉がキュってなるんだよなぁ。普通に食べられはするけども。


 ちなみに窒息については姉たちが【不思議な力】でなんとかしてくれた。姉たちが俺の胸に触れるやいなや、ピーチアリゲーターを倒したとき同様の赤い光がほとばしって俺の喉につかえていた種だけが粉々になったのだ。


「あれは本当に不思議な力だったな……俺には未だに使えないが……」


 姉たちは本当に優秀な戦士たちだった。研鑽された戦士としての実力とその不思議な力で、数多のドラゴンを葬り俺や多くの人々を守ったのだ。


「……ん?」


 つい懐かしさに浸ってボーッとしていると、縄張りに足を踏み入れられて怒り心頭な様子のピーチアリゲーターが俺に向かって飛びかかってくるところだった。


「ふんっ!」


 姉たちがそうしていたように、俺もまた平手でピーチアリゲーターを地面にはたき落とすようにする。ドガァンッ! とピーチアリゲーターが地面にめり込む派手な音がする。

 

「……違うな」


 はたき落とされたピーチアリゲーターは目を回して気絶しているが、こうじゃない。今のはただの力づくだ。姉たちは【力を込めず】にはたき落としていた。それに音も【ドガァン】じゃなくて、雷鳴のような【スギャアン】って感じだったんだよな。

 

 ──以前に一度、姉たちに訊いたことがある。どうやったらその力を使えるの? と。

 

『○○○○? ゴリウス。これは【○○の力】さ』

『○○○。○○○、ゴリウスも使えるようになるわ。なにせ、私たちの○○○○だもの』


 姉たちが俺の頭を優しく撫でながら答えてくれたのを、俺は今でも覚えている。

 

 ……あれは、いったいなんと言っていたんだろうか。幼いころの記憶だから、断片的なことしか思い出せない。


〔ガァァァッ!〕


 そんな風に昔を思い返していると、仲間を攻撃されたことでピーチアリゲーターたちが怒り、一斉に俺に向かって来る。

 

「【最強の力】、だったか? いや違う。もしかして【柔軟の力】? 手首のスナップを効かせて、こう……違うな」


 ドガァン、ボカァンッ! と、次々に襲い掛かってくるピーチアリゲーターを次々に平手ではたく。しかし、一向に姉たちが使っていたような赤い輝きは生まれなかった。


「違う、こうでもない! これも違う……違う! ……ん?」


 次のピーチアリゲーターが掛かってこなかったので、ふと辺りを見渡すと、俺の周りに気絶したピーチアリゲーターの山ができていた。


「……しまった。4、5体倒してピーチの実をちょっと貰うだけのつもりだったのだが」


 気が付けばこの沼地一帯のピーチアリゲーターをすべて倒してしまっていたらしい。足元に転がる個体の数は優に30を越していた。


「わ、悪かったな、ピーチの実だけもらったら帰るから……」


 俺は気絶するピーチアリゲーターたちから背負った藁かごいっぱいになるまで実を採取して、沼地を後にした。




【NEXT >> 第18話 ゴリウスの帰還と三姉妹】

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