表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類最強の異世界ゴリマッチョおじさん、奴隷商から三姉妹を救ったらオタ趣味が捗った件  作者: 浅見朝志


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/37

第12話 里長コンと喫茶店

 山奥の里の中央から少し北に行った先、路地の裏の隠れ家的な場所にその喫茶店はあった。

 

「うむ、看板が出ているな。【コン喫茶】……ここで間違いないようだ」


 募集内容に書いてあったのと同じ店名を確認して、俺は喫茶店の戸を開ける。まだオープン前らしく店内はガランとしていた。


「里長ー! いないのかー?」

「なんじゃなんじゃ、騒々しいのぅ!」


 ドタドタと階段を駆け下りるような音がして、店の奥から出てきたのはとても珍しい恰好(かっこう)の、キツネ耳を頭の上からひょっこり生やした少女だった。

 

「えっ……?」


 キキョウが目を丸くするが、まあそれも仕方ないだろう。

 

「キキョウ、この方がこの山奥の里の長である【コン】さんだ。外見は幼いがこれでもかなりの長命で、今年で確かにひゃ──」

「クォラッ! ゴリウスッ!」

「いたっ!」


 コンが身軽に飛んで俺の後頭部に蹴りを入れてくる。

 

「ワシは永遠の18歳、合法ロリっ()なんじゃ! 歳の話はするなっ!」

「あ、はい……すみません」


 里長であるコンはこの辺りでは他に見ないが妖狐(ようこ)という種族であり、人間とは違ってかなりの長命らしい。この里の開祖(かいそ)であり、長らく里の民を導いて来てくれた里長なので多くの人から慕われている。


「で、その珍妙な恰好はいったい……?」

「これはコスプレじゃ。極東の島に生息するオータックと呼ばれる種族に崇められている【ミニスカメイド】と呼ばれる衣装らしいのじゃが……似合うておるじゃろ?」

「こすぷれ……? うん、まあ似合ってはいるな」


 ……みにすかめいど、か。特徴的なフリルの付いた白いエプロンが黒地の服にマッチしていて確かに可愛いな。ヨシ、今度自作してみよう。

 

 そうは思いつつ、俺は表情には出さずにグッとこらえる。


「里長、今日はこの喫茶店での従業員募集を見て来たんだ」

「なっ……! イヤじゃイヤじゃ! お前みたいな強面(こわもて)は雇いとぅない!」

「俺じゃない!」


 俺はキキョウの背中を軽く押す。

 

「応募するのはこの子だ」

「ほぅ? 素材はなかなか……」

「調理のスキルは俺がお墨付きを出せる。外で働いていた経験もある。申し分ないと思うがどうだろうか?」

「ふぅむ……」


 コンは腕組みをしながら、キキョウのことを値踏みするように眺める。


「あ、あのっ! 調理経験は長く、接客経験もあります! 作れるお料理の種類も30種類はあります。精一杯がんばりますので、どうかよろしくお願いします!」

「心意気は良いんじゃがのぅ……可愛くない」

「えっ……」


 そのコンのひと言に、なぜか俺がカチンときた。


「失礼な! ちゃんと可愛いだろう!」

「いや、可愛くない」

「よく見ろ、とてもきれいな顔立ちをしてる! 俺みたいにゴツゴツしてないし、とても女性らしいだろう!」

「何を言っとるんじゃお前は……」


 コンは呆れたように言うと、キキョウの方を見た。


「お前はお前でなにを顔を赤くしとるんじゃ」

「えっ⁉ あ、いえ、これはその……!」

「自分で何か無いのか、アピールポイントは」

「あ、アピールポイントですか……? その、お料理は得意で……」

「そうじゃない」


 コンはため息を吐いた。


「ワシが求めているのは真の理解者のみじゃ。それが分からぬ者を雇うつもりはない」

「そんな……」

「ただし、じゃ」


 肩を落としそうになるキキョウへと、コンは人差し指を突き付けた。


「お前が明日までにお前がこの店の一員としての適性を示すことができるのであれば再考の余地はある。もしワシの店で働きたいのであれば答えを探すがよい」

「適正、ですか……?」

「あとは自分で考えろ。ほれ、帰った帰った!」


 そう言われて、俺たちはコンに店を追い出されてしまった。




 * * *




「うむぅ……適正とは、いったい……」

「分かりませんね……」


 その日の夜、俺とキキョウはふたりで頭を悩ませていた。

 

 ……そもそも喫茶店に勤めるにあたって必要なものって調理経験や接客経験の他に何かあるだろうか? あまり思い当たらないのだが。

 

「えぇと、大丈夫?」

 

 黙りこくる俺たちを見かねてか、セリが心配そうに声をかけてくる。


「あんまり無理しないでね……?」

「うん、ありがとうセリ」

「喫茶店なんだよね? どんなお店だったの?」

「すごくきれいな場所だったわよ。内装も可愛くて」


 キキョウとセリがそんな話をしていると、それまで着せ替え人形のミーたんと遊んでいたスズシロが駆け寄ってくる。


「ねぇねー、かわいいのっ? なにがっ?」

「私が働きたいなーって思っているお店がね、かわいいってお話よ」

「いいなぁ、スズも行きたいっ!」

「そうね。もし私が働くことができたらね」

「ねぇねーはカワイイから、カワイイところに行ったらもっとカワイイくなるね!」

「あはは、ありがとう」


 キキョウにギュウっと抱きしめられて、スズシロは満面の笑みを浮かべる。


「スズ、ぜったいねぇねー見に行くからねー!」

「うん……あっ」


 キキョウは何かに気が付いたかのように、ハッとする。


「あの喫茶店って、もしかして……」

「どうかしたのか、キキョウ?」

「あっ、いえ……ただ、示すことのできることは見つかったかも……」

「ほっ、本当かっ? いったい何だったんだっ?」

「え、えぇっと、それは……」


 キキョウは少し頬は赤くした。

 

「ちょっと言うのが恥ずかしいかも、です」

「え……? そうなのか?」

「ごめんなさい。間違ってたらなお恥ずかしいので、その、明日もし合格できたらお話するという形でもいいですか……?」

「あ、ああ。もちろん、無理に聞き出したりはしないが」


 どうやらセリやスズシロとの会話で何かを掴んだらしい。それならそれでよかった。夜も深まってきたのでリビングを後にした三姉妹は客室へと戻り、俺も寝室の4階へと戻ろうとして……ふと思いとどまる。


「コンさんの着ていたあの可愛い服……軽く【図面】だけ描いておくか」


 俺は1階へと降りることにした。




【NEXT >> 第13話 メイド服】

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


この画面の下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


なにとぞ、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ