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人類最強の異世界ゴリマッチョおじさん、奴隷商から三姉妹を救ったらオタ趣味が捗った件  作者: 浅見朝志


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第10話 姪ってことで

 キキョウたち三姉妹が家に来た翌日はみんなで祭りへと繰り出すことにした。

 

「まさか……里のみんながお仕事を休んでお祭りに参加しているなんて」

「まあ、珍しいよな」


 感嘆か呆れか分からないため息を吐くキキョウへと、俺はあいまいに笑った。キキョウとしてはさっそく今日から仕事探しをしたかったらしいが、あいにくなことだった。この里では年に一度の祭りの期間はどのお店も本業を休んで露店を出したり、遊び惚けてたりするのが普通なのだ。


「昨日も話した通り、生活が安定するまでの間は俺が衣食住を保証する。だから祭りは祭りで楽しむといい」

「はい……ありがとうございます、ゴリウスさん。その代わりと言ってはなんですが、家事全般は私にお任せください。お料理やお掃除には自信がありますので!」

「う、うむ」


 意気込むキキョウに、俺は少々気圧されながらも頷いた。

 

「ゴリウスさん、お姉ちゃん! 何してるのー! 早く早くっ!」

「ごーうすたん、ねぇねー! はやくっ!」


 少し前の方から祭りの昼の賑やかな雰囲気にウズウズしているらしいセリとスズシロがぶんぶんと手を振って俺たちを急かしてくる。


「それじゃあ俺たちも行こうか、キキョウさ──」

「ゴリウスさん、私たちのことは」

「あ、ああ。そうだったな……行こうか、キキョウ」

「はいっ」


 並んで歩き出しながら、俺は少々気恥ずかしくて頬を掻いた。

 

 ……俺としては【姪】扱いをするにしたって、名前を呼び捨てにする必要はないと思うんだがなぁ。

 

 昨日の夜、ご飯を食べながら三姉妹たちの今後についてを軽く話し合っているとき、セリから『そういえばゴリウス様の姪って? 露店のおじさんがそんなことを言ってましたよね?』と訊かれた。もう誤魔化す意味もなかったし、それに里の多くの人々に三姉妹が俺の姪という誤解を受けていることもあって、素直にすべてを白状することにしたのだ。

 

「すまないな、俺の嘘のせいで今後はなにかと迷惑をかけるかも……」

「全然気にしないですよ。むしろいっそのこと、私たちが本当に姪ってことにしちゃえばよくないですか?」

「えっ?」


 そうすればわざわざ里のひとりひとりの誤解を解いていく必要もないですし、というセリの提案にキキョウも納得したようで、今後は特に根掘り葉掘りと訊かれない限りは姪ということにして暮らそう、ということになった。

 

「そうしたら呼び方も変えなきゃですよね。さすがに叔父に【様】付けはおかしいから……これからはゴリウスさんと呼んでもいいですか?」

「うむ、もちろんだ。正直なところ、セリちゃんたちくらいの年の子に様付けで呼ばれるのはむずがゆくてな」

「よかった! じゃあゴリウスさん、これからは私たちのことも呼び捨てでお願いしますね!」

「えっ……? セリちゃんたちをか?」

「セリ、です」

「……セリ」

「はいっ!」


 満面の笑みで返してくるセリに、それ以上は何も言えなかった。キキョウもニコニコしているだけだし、スズは何にも気にして無さそうだった。

 

 ……しかしなぁ、姉妹たちへの呼び方まではともかく、結局これからも他の人には三姉妹を姪だとして嘘を吐き続けることになるのか……。

 

 なんて、心の中で少し葛藤はあったものの、


「この子たちがウワサの姪御さんだね?」

「可愛いなぁ」

「あまり似てないけど……姪ならそんなもんか?」


 祭りを巡る中で、俺が連れる三姉妹についてを誰もが勝手に姪と解釈して声をかけてきてくれるので、いちいち誤解を解く必要がなかったのは確かに楽だった。それに、


「ゴリウスさん、あっちの屋台になんか可愛いのがあるよっ?」

「なにっ?」

「可愛いテディ・ベアだよ! ゴリウスさん、取って~!」

「よしっ、取ろう!」


 セリが気を利かせてくれるおかげで露店に並ぶ可愛い景品をいっさいの躊躇(ちゅうちょ)なく取れるのはものすごくありがたかった。


 ──そうして祭りを巡り、帰って来て夜ご飯も食べ終わった。

 

「ゴリウスさん、これをお願いします」

「うむ」

 

 俺はキッチンの流し場でキキョウが洗い終わった食器を拭いている。ご飯はキキョウがとても美味しいものを作ってくれたので、洗い物くらいは俺がと思ったのだが、『私に任せてゴリウスさんは休んでいてください!』と譲ってくれず、妥協案としてふたりでやることになったのだ。

 

「しかしセリとスズはグッスリだな」

「ふふっ、そうですね」


 リビングのソファで座りながら眠るセリに、スズはしがみつくようにして眠っていた。

 

「お祭りなんて本当に久しぶりでしたし、スズに至っては初めてでしたから」

「すごくはしゃいでいたな」

「本当に。あんなに喜んだ顔、久しぶりで……よかった」


 慈愛に満ちた表情で、キキョウは微笑んだ。その横顔は姉というよりも、むしろ母性のようなものに感じた。


 ……まだキキョウ自身もひとりの子どもだろうに。


 俺は、どうかこれからこの3人がこの里で幸せな日々を過ごしていけますように、と願わずにはいられなかった。




【NEXT >> 第11話 キキョウの仕事探し】

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