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事後処理

 「・・・あれ?ここは?・・いててて」


 目が覚めると見知らぬ天井であった。あたりを見回すと、ベットが等間隔に並んでおり、すぐ横の机には包帯が置いてある。ここは病院のようだ。頭とおなかに痛みを感じたので見てみると、包帯が巻かれていた。だれかが治療してくれたみたいだ。


 しばらくすると、ベントが白衣を着た人物と一緒にやってきた。


 「・・ルーク!良かった目が覚めたんだね!」


 ベントが嬉しそうに駆け寄って来てくれた。ベントも無事で良かった。見たところ大きな怪我はなさそうだ。となりにいる白衣を着た優しそうなおじさんはお医者様だろう。後で礼を言おう。


 「ベントも無事でよかったよ。ここまで運んで来てくれたの?」


 「・・・うん。あの後大きな音で目が覚めて、ルークを探していたら死んだドラゴンがいてびっくりしたよ。ドラゴンの傍を探していたら木に引っかかっているルークを見つけたんだ」


 「ごめん迷惑をかけて。それでドラゴンの卵はどうなった?」


 「無事だよ。今は僕が泊っている宿屋に置いてある」


 そうなんだ。良かった。ドラゴンを倒したのに卵が無かったら多分泣いていたかも。これでケート先生からの依頼は達成できた。そう言えば医者の人に感謝しないと。


 「どなたか存じませんが治療していただきありがとうございます」


 僕が頭を下げると、にこやかにほほ笑んでくれた。


 「いいってことよ。それにお金もちゃんともらってるしな。俺はボンドだ。」


 「ありがとうございます。ボンドさん。ところで村に人があまりいないようでしたけど何かあったんですか?」


 「ああー。ドラゴンのせいで鹿や猪が逃げちまってよ。ろくに食糧がとれなくなっちまったからほとんどの人が移住しちまったのよ。でもあんちゃんがドラゴンを倒してくれたおかげでまた人が戻ってくると思うぜ!本当にありがとう!」


 良かった。僕はただ私欲のためにドラゴンを討伐したけど、結果的に村を助けたみたいだ。素直にうれしい。それにしてもドラゴンってどうするんだろう。


 「ドラゴンってどうするんですか?」


 「うーん。多分だけど軍に言えば高値で買い取ってくれると思うぜ。肉とか素材とかも貴重だしな。俺から軍にいっておこうか?」


 「ありがとうございます。よろしくお願いします」


 「おう!じゃあ行ってくるわ!」


 ボンドさんは病院を出ていった。気前のいい人で良かった。本当にありがたい。しばらく動けそうにないし、軍の人がドラゴンを回収するまではこの村で療養しようかな。先生が来てくれたら一発で回復なんだけど。


 「傷はどう?大丈夫?それにしてもすごいよドラゴンを倒しちゃうなんて!」


 「傷は大丈夫ではないかな。でもまさか僕もドラゴンを倒せるとは思わなかったよ」


 ベントが身を乗り出して僕に聞いてくる。この程度の傷で済んで本当に良かった。それくらい強い相手だった。でも同時に己の未熟さを痛感させられた。やっぱりもっと強くならないと、ダンジョンの攻略なんてできない。早く修行をつけてもらわないと。


 翌日。軍の人がドラゴンを回収しに来た。はじめは僕を見てお前が倒したの?嘘ついてないよね?みたな態度だったが事細かに説明したら納得してくれた。ドラゴンはやはり貴重なようで僕の想定以上の金額を受け取った。これで資金面は大丈夫だろう。


 そして幸運なことにドラゴンの討伐の噂を聞きつけてローズ学長も軍と一緒に来てくれた。


 「もう。だめじゃないですかこんな無茶して。死んだら直せないんですからね」


 そう言いいつつエレメンタルヒールで全快にしてくれた。学長の魔法は本当にすごい。


 「ありがとうございます。でもドラゴンの卵はちゃんと入手しました。これでケート先生に修行をつけてもらえます」


 「まったく。でもよくやりました。頑張りましたね」


 ローズ学長が僕の頭を撫でる。まるで母のようで思わず泣いてしまいそうだった。そして全快になった僕は早速学園に帰ることにした。ボンドさんが泣いて送りだしてくれたのを見て少し寂しい気持ちもしたけど僕にはやることがある。


 「ケート先生。ちゃんとドラゴンの卵を持ってきましたよ!だから修行つけてください!」


 ケート先生は相変わらず自分の机でだらだらとしていた。この人は授業の時以外本当にポンコツだな。だが超越者の一人であるケート先生は実力は確かだろう。


 「えーいやだ」


 ケート先生は机に顔をつけながら断る。この人は本当に・・


 「・・ケートさん。いい加減にしないとあれですよ・・」


 ローズ学長が満面の笑みでケート先生を見つめた。ローズ学長のまわりにどす黒いオーラが集まってくる。こっわ。怒るとこんなに怖い人なんだな。それを見たケート先生はまっすぐに姿勢を正した。


 「はい。分かりました」


 「はいよろしい」


 ケート先生が怒られた子供のようだ。二人の力関係がはっきりと見えたな。


 「じゃあ明日から放課後に修行を行うから訓練場に来いよー」


 「はい!よろしくお願いします!」


 明日から修行開始だ!

 

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