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第5章|サクラマス化学株式会社 南アルプス工場 <12>工場長を罠にはめるつもりですか?

<12>



――――富士田さんとの話が終わったあと、鈴木先生はおもむろに、買い物へ行くと出かけて行った。



しばらくして「今から戻ります」というメールがあり、工場の入り口に急いで駆けつけた。


工場前の道路に立ってきょろきょろしていると、遠くに先生の姿が見えた。




「あっ、おかえりなさい。……って、鈴木先生、鈴木先生! 本当に大丈夫でしょうか。富士田さんと共謀して、工場長を罠にはめるだなんて……」

私は戻って来たばかりの鈴木先生に駆け寄り、取材中の新聞記者のように聞いた。



「罠、ではありませんよ。足立さん。実体験型シミュレーション、です。はい、これ、差し入れです。そろそろお腹が空いたでしょう。東京に帰るまで、もう少しかかりますから、腹ごなしをしておいてください」


 鈴木先生が、冷たいジュースと、惣菜パンに、チョコを差し出してくれた。



工場のある場所は田舎だからか、なかなか店が見つからなかったようで、”けっこう時間がかかりましたねぇ”、とブツブツ独り言も言っている。



 受け取った手に、ヒヤリとした容器の感覚が沁みる。そういえば空腹はずっと続いていた。



「あ、ありがとうございます。……って、先生は、これから、どうされるんですか」



 鈴木先生は、手元の袋から、先ほど買って来た、酒瓶らしきものを取り出してみせた。



「……え? 日本酒……?」



「僕はこれから工場長と、男同士のサシ飲みをしてきます。足立さん、もうすぐ本社から、人事課長の岩名さんが到着すると思います。僕から合図があるまで、岩名さんと矢豆さんを、引きつけておいて下さい。よろしくお願いします」



「えっ……ええ~~っ!? ……引きつけるって、何をしたらいいんですか」

 先生からのいきなりの提案に、戸惑う。それって業務?



「それは、あなたが自分で考えてください。工場長からお二人の意識を遠ざけて下されば、なんでもいいですから」




「え~……そんなぁ~……」




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