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第4章|サクラマス化学株式会社 東京本社 <2>人事課長 岩名鮎子さん

<2>


今日の鈴木先生は、濃紺色のスーツに薄水色のストライプシャツを合わせて、茶色っぽいストライプ柄のネクタイを締めている。

秋晴れの空にぴったりの、爽やかなコーディネートだ。



「足立さん、本日が保健師として初めての会社訪問だそうですね。担当者にお会いする約束の時間まで、あと8分あります。何か、事前に聞いておかれたいことはありますか?」



「え~……えーと。ご質問したい内容が、特に思いつきません」



 正直に、自分の気持ちを伝えてみた。



「そうですか……。ならば、それはそれで。本日お伺いする『サクラマス化学株式会社』さんは、数年前から僕が担当させてもらっている会社です。一般消費者にはあまり馴染みがないかもしれませんが、親会社の『シャケ・サケコーポレーション』は株式上場しており、東証銘柄です」




―――株?トウショウ? なんのことだろう?




「まぁとにかく、失礼のないようお願いします、ということです」


「ハイっ、頑張ります!」




カバンの中には、昨日の夜、一生懸命インターネットで調べた資料を印刷したものを入れてきた。

人事担当の人から質問されたから、これを見ながら話そうと思っている。



「では、行きましょうか」



 鈴木先生の後をついて、待ち合わせ場所のすぐ近くにあるビルに入る。まだ新しいビルみたいだ。

小さなエレベーターに、鈴木先生と一緒に乗り込む。ふっと、爽やかな匂いがした。




――――鈴木先生って、香水、つけてるのかな。いい香り……。


 産業医の、鈴木先生。『株式会社E・M・A』のオフィスで見かけることはたまにあったけど、笑っているところは、まだ一度も見たことがない。物静かな感じの人だ。この人が家で香水をシュッと吹いているところが想像できない。

でも、香りもビジネスマンの身だしなみの一環なのかもしれない。



「つきましたよ」


 私と鈴木先生が到着すると、受付ちかくの社員さんが気付いて、少々お待ちください、と言ってくれた。しばらくして奥の座席から、1人の女性社員さんが歩いてきた。



「今日は特別に保健師さんが同行してくださるって、お聞きしていました。はじめまして。お会いできて嬉しいです。『サクラマス化学株式会社』人事課長の、岩名いわなと申します」




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サクラマス化学株式会社


  人事課長

      岩名いわな  鮎子あゆこ


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