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暗黒卿の魔国譚  作者: ブロンズ
第三章:過去編 彼と六魔の三百年(壱)

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第八話:浮上する黒き鬼

―アルモス視点―




「―――騎士アルモス、只今任務より帰還いたしました」

「うむ。ご苦労であるな」

「……は」

「飛燕竜。並びに、リドル・トロルの討伐。其方にはまだ指令が残っておるが、休息くらいはくれてやる。明日の昼、宰相の執務室へ来るが良い」



「……御意。失礼致します」



 魔皇国で騎士となってから、そこそこの年月が流れた。


 まぁ、相変わらず。

 陛下にこき使われる毎日。

 この世界の暦は向こうと違うため、正確な年月は分からないが。


 今は四十代後半くらいか。

 ……そう、中年の騎士だ。

 よく考えれば、この世界に来て二十年以上経っている計算になるな。


 生物全てには魔素が宿り。

 

 適合できる限界値がある。


 どれ程適応するかが最終的な強さの指標。

 しかし、中年な筈の俺は。

 未だ健在な爺と共に訓練に明け暮れる俺に、成長の限界は訪れていない。


 まぁ、軽くホラーだな。


 中年でまだまだ成長期だぞ……?


 俺の顔つきは未だ二十代。

 しかも、周囲の顔触れも変わらず。

 本当に魔族は長命種で、強力な種族であるらしい。



「―――これはっ、アルモス卿……! 此度の任務、お疲れ様です」

「流石、陛下直属の騎士ですなッ!」


「あぁ……有り難う」


「アルモス殿。後程、隊の訓練をお願いできませぬか」

「また、次の機会で頼む」



 賑やかかつ長大な回廊の半ば。

 騎士たちへ速やかに返答しつつすれ違い、あくまでゆっくりと進んでいく。


 何故って、節々が痛むから。


 名も知らぬ騎士や魔術師。

 彼等に声を掛けられるのは慣れたが。

 どうやら、彼らの中での俺の立ち位置は、魔王直属の暗黒騎士という事で固まっているらしく。


 ……実際の所。

 そんな地位なぞ、存在しない。


 所謂、名誉職みたいなものだ。


 とは言え、俺自身としても、いい加減何らかの役職が欲しい。

 今は、只の平騎士だしな。


 地位とか関係なく。

 何故か上位魔族のお偉いさん達が暗殺者や刺客を送って来てくれるし。


 全く、嬉しい限りで。


 人間国家程ではないが。

 魔皇国にも、腐った箇所は存在すると理解できる。

 

 トップ層が強すぎる故に、クーデターは不可能としても。

 いずれ、どうにかする必要が……と。



 目的地は、この部屋だ。



「―――イザベラ。私だが、居るか?」



 広い回廊をゆっくりと歩く中、鉄扉の前で足を止める。

 呼びかけへの返答はないが。


 何時もの事なので、待つと。


 ……やがて、ゴソゴソと。

 音が聞こえた後、重厚な音と共に鉄扉が開け放たれた。



「アルモス。久しぶりじゃない。いつ帰ってきたのかしら?」

「ついさっきだ」

「じゃあ、念願の休暇が出たの?」

「……長旅の疲れが、たった一日で回復すると思っているらしいな、うちの王様は」



 会話をしながら招き入れられ、俺は彼女の研究室へ踏み込む。 


 無論、人体実験では無く。


 旅の疲れを癒すためにだ。



「あら、あら。……陛下は、貴方を頼りにしてるのよ」

「はははッ……はぁ」

「じゃあ、いつもの薬と回復魔術で良いかしら?」

「すぐにでも頼む。もう、禁断症状が出てきてな。……ほら、腕が痙攣してる」



 もう、俺はクスリが無いと駄目。

 そういう身体なんだと。

 

 暗い意味を込め。

 痙攣する腕を見せつけてやる。



「それ、ただ筋肉が疲れてるだけだと思うわよ? 本当によくやるわ。貴方、私の中では宰相閣下と局長に並んで仕事魔人よ?」

「その言葉を定着させようとしないでくれ」


「ダメなの?」

「私は、双璧程仕事に生きてない」

「どうかしら。いつも口だけじゃない」

「誰だって、休みは欲しいものだ。それに、君だって忙しいだろう? ――宮廷魔導士団長殿」



 ごく最近の話なのだが。

 かつて魔皇国に存在した組織が再建された。


 現在の所属者こそ、あまり多くはないらしいが。


 今は黎明期、発展期だからな。

 その長を務める彼女がやるべきことは山積みで。

 陛下曰く、「魔術馬鹿を更生させ、シャルンドアを束ねさせる第一歩」らしい。



「同じ研究部署でも、統括局よりはマシよ。あそこ、凄く忙しいっていうし」

「メノウさんに感謝だな」



 魔皇国でも、宰相と並ぶ過労死枠。

 統括局長メノウさん。

 彼は、いつだって大書庫で書類整理をしていて。


 国内だけならまだしも、外部の情報も一手に引き受け。

 その上で、分析も担う。

 

 ……まぁ、軽く拷問だな。

 彼まで死霊種にならなければ良いんだが、なったらなったで一生働かされることだろう。



「いずれは、君に領の管理を任せるっていう話もある。すべき事は、どんどん増えるだろうな。――ざまぁみやがれ」

「大分荒んでるわね。はい、いつもの」

「……ありがとう……ございます」



 何か言い返されるかと思ったのだが、逆に優しくされてしまった。


 流石腹黒魔女だ、心得ているな。


 男のプライドに一番効く攻撃を。


 その痛みを心臓に感じるまま。

 更に、渡された薬を一息に呷ると……うむ。


 新たなる力に目醒めそうな程。



 ―――五臓六腑が悲鳴を上げる。



「お味はどうかしら?」

「マズ過ぎてクセになりそうだ。ゴブリンの臓物を混ぜたウイスキーより酷い」

「あら、昔の貴方の言葉訛りみたいね」

「……その話はしないでくれ」



 相も変わらず。

 考えたくないことを的確に思い出させてくる魔女だな。


 それは、昔の話だが。

 俺の言葉遣いが、ゴブリンとオーガとオークの公用語を発酵させ、無理矢理人間種の標準語にぶち込んだ感じだと陛下やイザベラに揶揄われた事がある。


 ……どんな訛りだよ。


 そも、俺は今でも。

 ゴブリン公用語を理解しているとは言いづらい。


 挨拶と挑発を間違えた事なぞ。


 それこそ、一回や二回ではないしな。



「――それで? 次の任務はもう聞いたのかしら」



 イザベラは調合に使った薬品を棚に戻し。

 こちらへと戻ってくる。


 (ヤク)の投与は前座のようなモノ。


 回復の施術までが一連の流れだが。


 その疑問は、興味本位。

 どのように俺が虐められているのかを知りたいのだろう。



「明日話すと言っていた。長期任務じゃなきゃいいんだがな」

「ふーん。“腹癒せ(はらいせ)”」


「……なぁ」

「何かしら。今日は失敗してないわよ?」

「毎回失敗するな。……ではなく。その魔術の名前、どうにかならないか?」

「どうして? この魔術が一番効くのよ。筋肉の疲労を回復するのは無理でも、気力とかなら出来るから我慢してちょうだい」



 その名前を聞くたびに。

 自分が、悪い事でもしたかのように錯覚する。


 腹いせに何かされそう。


 身体弄繰り回されそう。


 というか、普段は無詠唱だから気にならない事が多いが。

 実は、イザベラもネーミングセンスが無い。


 やはり、研究職って。

 色々な物を作ったりするから、名前を適当に付けるのだろうか。



 それとも、俺の偏見か?

 

 

 ……何にせよ、やって貰う立場ゆえ。

 一番効くと言われれば、何も返せず。


 伏して待っていると。

 やがて、彼女の手が背中から離れ……どうやら、施術は終了したみたいだな。



「後は、ゆっくりと休息を取る事を薦めるわ」

「あぁ、了解した」

「何なら、そのベッドで寝ていくかしら?」

「それはやめておくよ。寝ている間に弄繰り回されそうだ。……じゃあ、薦められた通り、自室へ戻る。今回も有り難うな」


「――そう。気が向いたら、研究に付き合って頂戴。それで、チャラにしてあげる」



 適当に手を振って返事をしながら。

 警戒して部屋を出る。

 毎回、即効性のある物を処方してもらっているので、身体は軽くなるのだが。


 筋肉疲労まではどうしようもなく。


 今日は、ゆっくりと寝るとしよう。


 目的地は自室。


 もう、部屋ってよりはねぐら。

 俺は、ただ寝るためだけに帰る部屋へと歩き出した。



 ……………。



 ……………。



「―――おい、またかよ」

「…‥グッ……ッ! ――ぁ……ぐぁぁ……ッ!?」



 ようやく安心して就寝してたのに、いきなり襲い掛かりやがって。


 常識ないのかよ。


 俺は嬢のデリバリーなんか注文してねぇぞ。

 しかも、全身黒装束で、屈強な筋肉男とか。


 客なめてんの?

 商売辞めろよ、向いてない。



「……頼んだ覚えはないから、帰ってくれ」

「………ッ―――!?」



 腹部を抑え、苦悶の表情を浮かべる男の首を即座に撥ね。

 剣に付着した血を拭う。


 昔の俺であったのなら。

 多少は、躊躇したのだろう。

 

 だが、今は何も感じない。

 せいぜい、自室が汚れた事に顔を顰める程度だ。


 ……いや、マジで。


 後処理どうしよう。

 


「―――あ。もしかして、目覚まし業者さんだったりしたか?」


 

 嘆息しながら時計を見ると。

 起床時刻の少し前。

 寝覚めは良い方なので寝過ごすことは無かっただろうが、余裕をもって部屋を出れるに越したことは無いので、そこだけは感謝しておこうか。


 後片付けからは目を背け。


 礼服を纏って部屋を出る。


 騎士なんだから、何時でも鎧を着ろ――なんて言うヤツは、滅びればいい。

 マジで重いんだぞ? あの全身鎧。




   ◇




「おや……? アルモス殿」

「どうも、宰相閣下」

「お早いですね。時間にはなっていませんが」

「お早いという言葉を貴方にだけは言わせたくありませんが……戻ってきているのは知っていたんですね。――いえ、部屋で男に襲われたんで、逃げてきたんですよ」


「それは、それは。災難でしたね」

「掃除の手配を頼めますか?」

「えぇ、えぇ。では、後程手配しておきましょう」

「ありがとうございます」



 只でさえ忙しいバルガスさんに仕事を任せる人間の屑。


 いや、人間じゃねえし。

 魔王に魂売った悪人だから、ノーカウントと。


 忙しなく動く彼の話し相手として。

 相槌を打ちつつ暇を潰していると。

 

 ノックされることもなく扉が開く。

 入ってきたのは勿論、唯我独尊な我らが陛下だ。



「―――来ておったか。遅刻しなかったのは褒めてやる」

「うちには、使い捨ての目覚まし機があるんでね」

「――ふッ……くくくッ」

「なんじゃ? ……あぁ。また暗殺者か? 其方も、随分と人気者になったの」



 バルガスさんのツボに入ったらしいな。

 中々に不謹慎だが。


 というか、国王さん?

 そういう情報をしっかりと仕入れているのなら、如何にかしてくれないっすか?


 心配で心配で。

 夜しか眠れないのだが。

 


「そんな人気者にはなりたくないですね。まぁ、どうにかしてくれる気が無いのは分かったので良いです。――次の任務というのは?」

「あぁ、それはじゃな……っと。何用じゃ」



 今度はしっかりとノックされ。

 再び部屋のドアが開く。


 今人気の待ち合わせ場所か? 宰相の執務室。


 今度入ってきたのは。

 我らが、魔導士団長。

 もう昼に近いというのに、まだまだ眠そうで。

 


「イザベラか。何か用でもあったかの?」

「それがね? 陛下。そこの騎士が寝坊しないように起こしに行ってあげたら、部屋は血だらけだし、黒装束の首なし死体はあるしで、本当に驚いちゃった」

「―――あぁ、アルモス殿の専用目覚まし機ですよ……ククッ」



 自分が言い出しっぺなんだが。

 やっぱり不謹慎な気がしないでもない。


 というかバルガスさん。


 いつまで笑っているんです? 


 彼も一度は死んでいる身だし。

 案外、こういう冗談に対しては寛容なのかもしれないな。


 ……混沌を極める部屋の中。

 話が進まないので、改めて俺から話題を切り出しにかかる。 



「――陛下。任務の仔細(しさい)を伺っても?」

「うむ。別に魔術バカが居た所で、問題は無い」

「……もう、陛下ったら」


「では、帰るのか?」

「……いいえ。私も聞かせてもらうわ」

「私は、公務を行いながら聞いておりますので」



 大層な肩書を持っている割に、王様と魔女は暇なのか? 

 そこの老宰相が忙しいのは疑いようもないし、少しは誰かの仕事に協力してあげようという気はないのだろうか。


 当然、思っても言えないので。

 俺も、椅子に座って耳を傾けることにするが。



「此度の任務なのじゃが―――カルディナがあるじゃろう?」

「えぇ……また、スピットロードが出る時期ですか?」



 カルディナとは、魔皇国西側にある都市で。

 有角種の一族が治めている。

 そして、あの都市を治める領主は魔皇国でも三指に入る剣の使い手なので、多少領地から離れた場所で起きたイレギュラーなどすぐに解決しそうなものだが。


 やはり、領主ゆえに多忙だからな。

 外部から兵を派遣する場合もある。


 俺も任務で定期的に行くし。

 今回も、そういった手合いの依頼だと思うのだが……。




「陥落した」

「「―――は……?」」




 続く魔王の二の句で、驚愕に目を見開く俺とイザベラ。


 宰相は事前に知ってるだろうし。


 反応が無いのも頷けるのだが。


 俺の耳がおかしくなったか?

 いま、この国最高クラスの騎士が居るから大丈夫って思ってたばっかなんですけど。


 何を、いとも簡単に。

 陥落とか言ってくれちゃってんの?



「ちょっと、待ってください陛下。カルディナが陥落って――アインハルト侯は?」

「負けたんじゃよ。相手は亜人、オーガ種」

「サブナークのおじさまって、有角種最強の剣士よね?」


「あぁ、紛れもなくな」

「じゃあ、猶更。オーガ種に負けるなんてあり得るのかしら」



 いや、それはない。それだけはあり得ないのだ。

 どれだけ強くなろうとも、腕力だけが取り柄のようなオーガ種が上級魔族の中でも最強格の存在を倒すのは不可能だ。


 だが、事実として都市は陥落したという。


 ―――ならば。

 考えられる可能性は一つだろう。



「……変異種、ですか?」 

「その通り。少ないが、過去にも事例がある黒鬼と呼ばれる変異種でな。一騎打ちで、モノの見事にサブーナクを下したらしい。全く、生け捕りだから良かったものの、サブナーク・アインハルトとあろう者が情けない」


 

 口では失望した体を装いながらも。


 明らかに安堵している様子の陛下。


 やはり、こういう所が民を引き付けるのだろうな。

 俺が同じ目に遭っても、心配してくれるかは甚だ疑問であるが。



「では、今回私は救出任務に……?」

「そうじゃ。サブナーク、及び騎士たちと民の救出。都市の奪取、変異種と奴が率いるオーガ種の撃退又は殲滅がそなたの任務じゃ」

「…………あれ?」



 何か、オマケが山ほどくっ付いて来てるんですけど。

 どう見ても、誰が見ても。

 一人でやる仕事量じゃないだろ。


 俺は、基本的に一人行動ゆえに。


 同伴者がいない事はほぼ確定で。



 ―――え……? どうしろと?



 臣下に死ねと申すか。

 やっぱり俺の事とかはどうでも良いとお思いで?



「――なら。私も付いて行ってあげようかしら?」

「良いの? ……陛下」

「まあ、良いじゃろう。此度は、そ奴一人では心配じゃ」

「なら、何故私に任務を出すのですかね。それこそ、老公とかが一番適任だと思うのですが」



 多少マシになっているが、俺は今でも爺には手も足もでないのだ。


 あの徘徊老龍を放てば。

 都市の一つや二つ、すぐに取り戻せるだろうし。


 一番良い手じゃないのか?



「都市ごと壊滅させたくはないのでな。それに、奴には王廟の警備を任せてある。不測の事態が起きた時にこそ、外には出せん」



 ……王廟、ねぇ。

 俺が、それを見たのは。


 この国へ最初に来た時で。


 しかも、扉だけだったが。


 どうやら爺の主な業務は、あそこを外敵から守護する警備任務らしい。 


 一体、どんな大層な秘宝があるやら。

 伝説の剣とか無いっすか?

 今回の任務で使いたいんで、一振り貸してくれませんか?


 現実逃避もそこそこに。


 俺が行くのは確定らしいので。

 観念して、更なる仔細を伺っていくことにする。



「では、私とイザベラで行くことにしますよ。馬だけは準備してくれるんですよね?」

「それだけは心配するでない。ついでに、コレも持っていけ」

「……これは? 何かの魔道具ですか?」


「あっ!? それ……ッ!」



 渡されたのは、琥珀色の石。

 質感とかは只の石で。

 ややずっしりと重いが、特に何か感じるようなものではなく。

 しかし、こういうのに詳しいイザベラが興奮しているのを見るに、恐らくは貴重な物だろう。



「イザベラ。コレは何だ」

「それ、空間石よっ! (あらかじ)め二点に刻印を行っておき、その二間に限って何度でも転移を行うことができる魔道具(レリック)! 魔皇国でも出土した例は一つだけっていう凄い貴重品!」

「――おい、魔術バカ。興奮しすぎじゃ」



 確かに、魔女は興奮し過ぎだが。

 俺でも凄いと分かるな、それは。


 空間移動アイテムかよ。

 そりゃあ、今まで見た中でもトップクラスにご大層な魔道具だ。



「アルモス。そ奴に渡すなよ? 使い方は、後でバルガスが教えるじゃろ」

「……畏まりました。御享受しましょう」



 また宰相の仕事が増えた。


 只でさえ死霊種で。

 一度死んでるのに。

 もう一度過労死させるつもりなんですかね?


 取り敢えず、隣が騒がしいので。

 イザベラの眼に入らないようにと魔道具を懐にしまってしまおうか。



「……意地悪」

「では、現在判明している情報を教えてもらいましょう。何も分からない状況で飛び込める程、柔な相手じゃないでしょうし」

「そうじゃな。―――バルガス」



 ……この魔王ヤバ過ぎんだろ。

 自分で働くということを知らないんじゃないだろうか。


 後で、俺と同じ薬をイザベラに処方してもらおうか。

 宰相閣下は、俺も頼りにしてるし。



 ―――()()死なれると困るんだ。

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