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第一章 第一話 始動する予兆

第一話です

                    第二話

「お母さん起きて、ねえ起きてよ」

冷たくなったお母さんの手を握り泣きついた僕の手を父によって引き離される。

「蓮よく聞くんだ、お母さんはここより遠い場所に行くんだ、だからせめて、笑顔で見送ろう」

そう言った父の笑顔はどこかぎこちなかった。この顔はいつも困った時によくする顔だった。



ピーピーピー

けたたましくなる端末のアラーム音に、イラつきながらも時間を確認したら、朝5時になっていた、またあの夢だ、ここ最近、あの時の夢をよく見る、母が死んだあの日の夢だ、母の命日が近いからだろうか、母が死んでから十年、今は父と過ごすことに慣れて、なんとか生活できている、汗をかいでしまった顔を洗って、冷蔵庫の中の食材を確認して、スクランブルエッグと、昨日お肉屋さんのおばさんからサービスしてもらったベーコンを焼いて、準備をする。父は今日夜勤明けだから、コーヒーも入れなきゃいけないことを思い出し、ついでにインスタントコーヒーを入れておく。父の寝室から物音が聞こえてきたので、起きてきたのだろう。


「おはよう」

「おはよう、お前、朝起きるの早いな」

「そうかな?」

「ああ、普通その年頃なら、夜遅くまで起きて、朝弱い奴が多いんじゃないか?うちの後輩だって朝眠そうに出社するぞ。」

「まー確かに、それよりも冷めちゃうから早めに食べといて。」

「わかった。」

僕の入れたコーヒーを飲みながら返事をした父はパンにマーガリンを塗っていた。


父との会話をすました後、母の仏壇に御供物をする。その様子を見た父は考え深そうに話しかけてきた

「もうすぐだな、母さんの命日」

「うん、あれから十年経ったんだね」

「その日、休みをもらってるから、一緒に墓参り行こうか」

「うん、じゃ学校行ってきます。」

「ああ、行ってらっしゃい。」


父の見送りを背に学校に登校する。僕はケータイ端末にきたメッセージを確認したところ、ゲームの運営元から一通のメールが届いた、このメールは、ゲーム内でしか開けないので帰ってきてから、確認する事にしよう。


僕がプレイしているゲーム「リオワールド」は、第7世代通信と人工知能を使ったフルダイブ型VRMMOでタイムラグがなく、しかも、人工知能が進化してゲームに出てくる感情を持ったNPCが登場して、そのNPCを仲間にもできるゲームだった、母が死んでから仕事に出ることが多い父が寂しそうにしているう僕を見て、ゲーム開発に携わっているおじさんに頼んだそうだ、そのおかげて、特に寂しい思いはせず、過ごすことができた、世界ランキング1位になったのは、ここまでついてきてくれた仲間達とこのゲームに出会わせてくれた父のおかげだと思う。


学校が終わり、家に帰ってきてゲームをプレイするためメットギアを装着する、電源をつけ、ゲームに集中する、そして意識は深いゲームのなかにダイブされる。


しばらくして、目を開けると、ゲーム内のアバターに意識が移った。


「ああ団長、お帰りなさい」

「ただいま、みんなは?」

「ああ、先日の対戦での被害の確認と、武器の点検を行なっているよ。」

こいつはこのクランの副団長を務めてもらっているクリス、雷を操る短槍使いの騎士でよくサポートしてもらっている。ちなみに僕が結成しているクランは、幹部も合わせて役50人で構成されている、その全てはゲーム内のNPCで構成されている。この特徴が僕たちが結成しているクラン「ウィンドミル」の特徴で、珍しいと一緒にこのゲームをプレイしている同級生が言っていた。


「そういえば、この前行っていた白鯨の新兵器のテストどうなったの?」

「ああ、技術局によると、威力は問題ないけど作成するのに時間はかかって、一ヶ月に一個のペースなら作ることが可能見たいだ。」

「そうなんだ、じゃあ、常に2個装備することで進めようか」

「団長」

「エイハブどうしたの」

エイハブは僕たちが所有している戦艦に搭載されている人工知能で、戦艦の管理などを手伝ってくれている

「先日の戦闘で故障してしまった兵器の使用が可能となりました。」

「わかった、この前の戦闘で損傷してしまった箇所とかはどうなっているの?」

「ええ今、約90%ぐらいは修復完了しています」

「次の戦闘では問題なく使用できるね」

「はい、どんだけ無茶な戦闘を行なっても耐えることができます。」

「またこの前の事根にもっているの?」

「当たり前です、目標のモンスターに戦艦ごと体当たりするなんて非常識すぎます」

「いやーあの時はしょうがなかったっていうか」

先日、最高難易度のクエスト内での戦闘のことでまだ根に持っているそうだ、確かにあんなに危険なことは二度どやりたく無い。

「もう二度どあんな作戦やらないでくださいてか、もうやらないと誓ってください。」

「はい」

「そういえば、レン今日お前、ここにくる予定だったけ?」

エイハブと会話していると隣のクリスが不思議そうに僕に尋ねてきた。

「いや、運営元からメールが届いたんだ、みんなを会議室に読んでくれないか。」

そうクリスに頼むと、僕は手元に運営元から届いたメールを確認する。


ーーーーーーーーー世界一位プレイヤーレン様へ直接依頼のお願いーーーーーーーーーーーーー


この一通のメールによって僕たちの運命が変わってしまうことを、この時の僕達は知らなかった


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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