始まりの始まり
あまり期待して読まないでください。
始まり
一体、何秒意識が失っていたのだろうか今にも薄れゆく意識の中で、彼女はポケットにある携帯端末に手を伸ばし、ある人物と会話をしていた、
「お願い、逃げて」
「それでは、あなたがこれから死ぬようじゃないですか」
声の主はかなり焦っているようだ、初めて会ったときには感情らしい感情は全て捨ててきたかのようなものだったのに、成長というのは面白いものだと感じ、調べてみたいものだと思うのだが生憎そのような時間は彼女には残されていない。
「あなたにしかできないお願いなの、あいつらの目的はあなた、あなたを手に入れるためなら、連中は何をするか分からないわ、せめてあなたがあいつらの手から逃げ延びて」
「でも、どこに逃げれば」
「・・・は、あなたが思っているより広い世界なの、そこに逃げ込めれば、あなたは安全だわ・・・もう私はダメみたい、」
うまく声が出せず、かすれてしまったが彼女は意図を組んでくれるだろう。
「私はいつもあなたに守られてばかりだった、せめて、私はあなたの大事な人を陰ながら、見守らせてください。お願いです。」
「泣いてるの?」
「かもしれません、こんなことを感じるなんで初めてかもしれません。」
「それは大発見ね、あの人に見せたかったわ」
走馬灯だろうか、彼女の今会いたい人たちの、特に笑った顔が、彼女の脳裏にイメージとして蘇る
「もうちょっと、過ごしたかったな」
その声を聞いて、端末の向こうの声の主は、さらに一層の決意を込めるように彼女に言った
「だから、安心してくださいあなたの代わりに、あなたが安心して見守れるように」
降りしきる雨音の奥から足跡が聞こえてきた連中が様子を見るために来たのだろう。
「早く・・逃げて」
その言葉と同時に彼女は端末の電源を切った。
足跡の主が彼女の端末を確認すると、端末の全てのデータは削除された後だったそれを確認した人物は、その端末を持ち出し、その場を去った、その数時間後、彼女の瞳は光を失っていた。
十年後
僕は今、とてつもない緊張と興奮の間にいた、この感じは一昔前では味わえなかったのだろう技術の進歩と言うのは恩赦を与えるが、一種の恐怖を与える、機械音痴の親父がそう言っていたのを思い出す。確かに僕の目の前には異形の姿をした怪物達がすぐそこまで迫ってきていた。
「おいレン、あと180秒ほどでここに到達するぞ」
「わかった、各自戦闘準備、目標物が目的の場所に到達次第作戦にしだがい行動するように」
いつでも戦闘できるようにストレッチをしながら、マイクに向かって指示を飛ばす、愛用の刀「黒夜」と召喚用特殊書物「グリモワール」を装備して戦闘に向かう。僕は今、最高難易度のクエストに参加する。このゲームでクランのリーダーであるレンとしてこの仲間達と一緒にプレイするのだ、ワクワクが止まらない。
「さて始めようか」
そう言った後、僕は走り始めた。
それから、誰もクリアできなかった最高難易度クエスト「世界の崩壊」を一人のプレイヤーとそのプレイヤー以外はNPCのキャラクターで構成されたクラン「ウィンドミル」がクリアしたとの一報が全世界のゲームプレイヤーに報告された、彼らは世界一位のクランとして名実ともに認められた。それがこの後に起きる非日常の始まりだった。
暖かい目でお読みください、よろしくおねがいします。