第8話 とりあえず村に行ってみようかな
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ありがとうございます。
「いやあ、魔法薬をすぐ取り出せる所に入れてなかったもんだからさ、助けるの遅れてごめんよ」
空を飛ぶにあたり、貴重品が全て入っている袋を、服の中の腹の所にガムテでがんじがらめにしておいたのが仇になったな。
「なにをおっしゃる、冒険者殿は命を救ってくださった。十分です」
小さい剣士のピンタさんと俺は、鋼ムカデの巣がある岩山で偽救草を採取してから降りて、今は平原を一緒に歩いてるところだ。降りてる時は鋼ムカデに遭遇しなかった。
ちなみにピンタさんがあそこにいた理由は、すごいテンプレだった。
ピンタさんの住む貧しいココッタ村では、流行り病が蔓延してるらしい。
……まあ、そういうことだ。
所でこのピンタさんは、ぶっちゃけ人間ではない。
なんでかって尻尾がついてる、その上肩幅が超狭い。
分かりやすく言うと、動物が無理矢理二足歩行してるような体型なのだ。
でも、もうなんかすごい流暢な日本語で話しかけてくる。
動物が言葉話すなんて世界の常識でしょ、そんなことより昨日なに食べた?
みたいな知ってて当たり前な雰囲気を醸し出してて、いまだに切り出せない。
今のとこどうやら成人男性っぽい、くらいしかわからん。
いや人間に当てはめた考えで、ハスキーな声だから成人男性って思っただけでそれもどうかわからんけど。
生まれながらにハスキーな声をした、二足歩行する動物の若者って線もあるかもしれん。
鉄仮面してるから何の動物なんだかもわからん。
すごい気になる。
いやウルトラ鑑定すればわかるんだが、あれはアホみたいなポーズをとらねば発動しない為に、人前でやるにはあまりにハードルが高い。プライバシーの問題がある上に俺の羞恥心が爆発しちゃう。
「冒険者殿は魔法が使えるのですね、あれ程の攻撃魔法に回復魔法まで、いや、すばらしい。所で、まだお名前を伺っていないのですがお名前はなんと……」
兜の中から興味の視線が飛んでる気がする。
「名前はヤスダ、俺別に冒険者じゃないですよ、ていうか冒険者って職業なんですか?」
剣士のピンタさんは驚いたのか体ごとこちらに向けてきた。
「なんと、冒険者ではなかった、というか冒険者を知らないのですか?よほど遠い国からいらっしゃったのか?
冒険者と言うのは、ステータスの職業欄に冒険者と出るのではなく、冒険者ギルドに登録して依頼をこなして生活する者たちの総称なのです」
テンプレのような解説がかえってきた。
やっぱあったか冒険者ギルド。ファンタジーだわあ。
「うん、大分遠い所から来ましたね、あ、あとピンタさん治したのは俺の魔法じゃなくてこいつの魔法ですよ」
俺の腰で、ウエストバッグみたいな感じにくっついてたマンジュウが、リンリンリンと鳴く。
ボクだよッ、のリンリンリンだな。
「!?、なんですかな!?箱?が動いてる?……白い箱?」
おお、かなりびっくりしてるな。
さて、魔物を飼ってるのが常識的なのかどうか、これでわかるかな?
魔物飼うとか超珍しいです。始めて見ました。あなたは悪魔の使いですか?みたいなことになったら、俺の偽救草渡して空高くとんずらしよう。
「これは俺が育ててる宝箱ミミックなんです。名前はマンジュウ」
マンジュウの音を聞いて距離を取っていた剣士は、それを聞いて納得したのか、体の緊張がほぐれた感じだ。
「魔物使いの方でしたか、なるほど、ミミックの従魔とは珍しいですね、始めて見ました」
「魔物使いってのがいるんですか?それって職業?」
「遠国では違う呼び名なのですかな?ステータスの職業欄に調教師、ペットシッター、あとは農夫など、なにかを育てる職業が出て魔物を使役していれば、総じて魔物使いと呼ばれたりしますな。ああ、あとそのまま魔物使いという職業の場合もあるそうです」
調教師……ペットシッター……に農夫……農夫?
「農夫?、が魔物育てるんですか?」
「そうです。植物系の魔物がなつく場合があると、聞いたことがあります。魔物は基本生き物ではないらしいのですが、稀に生き物の魔物が生まれてくることがあるそうです。そういう魔物はテイムして仲間にできるのだとか」
ほう、生き物の魔物が生まれてくるのか……。
うん、全然意味わからんな。
そういやムカデは真っ二つにしても一切体液的なもの出なかったけど、始めて会った時マンジュウはボコボコにされて血だらけだったな。
まあなんか、当りモンスターだったってことだな。
「そうか、俺の職業教師だからなあ、マンジュウはレアモンスターだったのか?」
リンリンリン
よくわからない、のリンリンリンだな。
「……美しい音色ですね、職業教師ですか。王都の学園に数人いると聞いたことがあります。良い職業に恵まれたようですね。それにしても、宝箱ミミックですか…………ん?白い箱……ヤスダ、……アンダ?」
ピンタさんは、急に何やら考え込んでいる。
「……どうしました?」
ピンタさんは、はっとしてあわてて顔の前で手をふる
「あ、いえいえ、なんでもありません。それよりもうすぐで村ですよ、ああ、早く娘の元気な顔が見たい」
ピンタさんの口から何やら妙な単語が出た。
ちなみにピンタさんの身長は120センチ位だ。
「娘?ちょっとピンタさん?年いくつですか?」
「年ですか?今年42になりますな」
思ったより年上って言うか完全なるオッサンだった。
「ほう、そんな年だったんですか?」
「ははは、おお、そういえば鉄仮面を着けたままでしたな、これでは子供だと思われてもしかたない。我々カワウソ族は人族に比べると小さいですからな」
カワウソ!?
一番知りたかった単語が出たっ!!
まさかのカワウソ!!
その想定は無かったわあ。
「あ、ほら村が見えて来ましたよ、まあ村と言うより今は3家族しか住んでない集落なんですが」
お、拙いながらも柵で囲ってあるらしい土地の中に、いくつかの家が見える。まあ、ぶっちゃけあばら家だが。
というか、それより何よりカワウソ族が気になるわ……。
…………あ、居たっ、居たわ。
村の柵の入り口になんかいると思ってたら、あれでっかいカワウソだわ。
人に獣耳パターンじゃねえんだなあ、しゃべる動物パターンかこのファンタジー世界は。
良かった。体のほとんど動物で、頭だけ人間みたいな人面犬システムじゃなくて。
「ちょっとピンタさん兜取って貰えます?」
ピンタさんは、何やらキョトンした感じで
「ああ、これちょっと取るの大変なやつなんですよ、面貌上げるだけでいいですか?」
そう言ってピンタさんは、鉄仮面の顔にあたる部分だけパカッと開いた。
……うん、鉄仮面の中はばっちりカワウソの頭が入ってた。
良かった助けられて、一歩間違ってたら、しゃべるカワウソ死ぬとこだったわ。
四十過ぎのオッサンカワウソらしいが、めっちゃ可愛いらしい。
志○動物園だわ。
あ、村の前に居た方のカワウソがこっちに気づいたのか、向かってくる。
でも足取りは重そうだ。
あのカワウソ例の流行り病なんじゃなかろうか。
「あなたっ、ゴホゴホっ」
「ププルっ、ダメじゃないか家で寝てないと」
お?ピンタさんの奥さんっぽいな。
「何言ってるんですか!?起きたら鎧が無くなっていて、私は……ゴホッゴホッ」
「そうだっププルこれを食べなさい」
ピンタさんがよろける奥さんカワウソを支えながら、腰のバッグから偽救草を取り出す。
その草を見て奥さんは眼を見開く
「あなたゴホ、これ偽救草、あんな危ない所に一人で、ゴホゴホ、うう」
あ、奥さんカワウソがポロポロ泣き出してしまった。
奥さんはポロポロ、ピンタさんオロオロ。
……ああ、そういえばあの草って多分高価なんだよな。
ていうかそもそも草食べたら治るのか?がわけわからんし安心できん。
カワウソ奥さんがかなりヤバそうな状態なのは、一目でわかるが。
これは羞恥心とかプライバシーとか言ってらんねえな。
一大人としてできることをしようの場面だ。
「ピンタさんちょっと待って」
ピンタさんと奥さんがこっちを向く。
奥さんはピンタさんしか見えてなかったのか、なんかびっくりしてる。
まあ俺が変なポーズ取ったら、ピンタさんも驚きはじめたが。
くっ……恥ずかしい……死ぬほど恥ずかしい。まあいいや、ウルトラ鑑定。
名前 ププル・リバーフェニックス ♀
年齢 38才
職業 裁縫師
種族 ニホンカワウソ族
称号 奥さんの鑑
レベル 8
HP 21/67 ※病(セレナ病)
MP 33/33
STR 18
AGI 14
VIT 15
INT 28
MND 22
DEX 43
装備
無し
所持スキル
裁縫レベル3
初級布装備作成、中級布装備作成、アクセサリー作成
短剣術レベル1
突き刺し、瞬刺
……リバーフェニックス?すごい名前だな。カワウソなのに、ていうかニホンカワウソ族?……。
次はセレナ病とやらを鑑定してと……。
病気名 セレナ病
大陸西部が発生源とされる流行り病、初期症状が咳に発熱であり、風邪と変わらない為症状が悪化するまで重病だと気づかずそのうえ空気感染する。
症状が悪化すると徐々に呼吸が困難になる。
自然治癒することはほとんど無く、最終的には多くの感染者が死に至る。
サイカ国の伯爵の娘セレナが感染し、国中に感染が広まった事からセレナ病と名付けられた。
中級状態異常回復薬、水属性上級回復魔法、光属性中級回復魔法、などで治癒可能。
よしよし、いけるようだな。
「鑑定スキルで調べたら、マンジュウの魔法で治せるみたいだから、偽救草取っといた方がいいよ」
「なんと、しかし、良いのですか?」
「任してみそ、奥さん以外の病気の人みんな村にいます?」
「え?は、はい、みんな寝込んでいて家から出れません」
「よし、わかった」
日本だと絶滅してるニホンカワウソだからな。
助けようと思う。
「マンジュウ、村全体範囲にしてどしゃ降りヒールだ、気合い入れてやれ」
リンリンリンリンッ
突然綺麗な音が響いて奥さんはびっくりしてるが、音の鳴る白い箱の中から次いでとんでもない量の青い煙みたいなのが吹き出してきて、もっとびっくりだ。
スキル名 水魔法・どしゃ降りヒール
種類 回復
効果 体力回復・大、状態異常治癒・中
発動条件及び説明
MPを消費し呪文を唱えると発動する。魔物は呪文必要無し、ただし呪文分のタイムラグ有り。
範囲回復魔法、青い雨雲が広がり雨が降る範囲にいる者の体力と状態異常を回復する。ちなみに範囲内にいれば雨に当たらなくても回復する。
MPの消費量に比例して効果範囲も広がる。
どしゃ降りヒールはこんな感じの、雨に当たらなくても回復するならなんでわざわざ濡らすんだろう?という突っ込みどころがあるが、かなり優秀な回復魔法だ。
奥さんとピンタさんにも、青い光を放つ雨粒が当たる。
シュワシュワという妙に清涼感ある音と共に、奥さんの体が淡い青い光に包まれる。
よし、奥さんのHP満タンになった。状態異常も消えてる。
あの村にいれば、間違いなくみんな回復してることだろう。
お、村の家から何人かカワウソが出てきたぞ。
「……あなた体が軽い、息も苦しくないわ。こ、この方は?」
「あ、ああ偽救草を採取する時に出会ったヤスダ様だ」
「ヤスダ?でもあの白い箱……あなた、もしかしたら、予言の……」
「ああ、私もそう思うのだ」
なんかピンタさんと奥さんが話してる。予言とかの単語が聞こえるが、そう言えば初対面の時もピンタさん白い箱がどうとか言ってたな。
予言って言えば愛すべき隣人田中くん関連だが……。
「ヤスダ様、お礼がしたいので是非我が家においで下さい。なにもない村ですが、精一杯おもてなしさせていただきます」
「うーん、お礼とかは別にいいんですけど。でもちょっとだけお邪魔してもいいですか?」
マンジュウウイングで颯爽と飛び去ってもいいんだが、正直予言ってのが気になるからな。
「ええ、どうぞどうぞ」
「じゃあお言葉に甘えて」
それから村に入ると、カワウソたちがピンタさんに寄って来た。
「村長居なくなったって聞いて心配してたんだぞ」
「村長、さっきの光は……」
「体が光って体が軽くなったのっ病気治ったの?」
おお、カワウソだわ、しかしカワウソ10人くらいしか居ない、人少ないんだろうか。
村長村長言われてるな、ピンタさん村長だったのか。
「お父さんっ」
そんな中頭に髪飾りをつけた子供カワウソが、ピンタさんに走って抱きついてくる。
あ、頭についてるの髪飾りじゃねえや、あれカブトムシだ。
……なぜカブトムシが……。
「ぺぺっ、治ったのか」
おお、ピンタさんが涙目で一人の子供カワウソを抱き上げてぎゅっとしてる。
あの子がピンタさんの娘かな?
それから俺の紹介をされて、色んなカワウソ達から礼を言われて、モッフモフになったよ。
……今は村に三軒しか無い家の中で、ちょっとだけ大きなピンタさんの家にお邪魔してる。
何かお茶と煎餅っぽいのを出された。
椅子とかなくゴザ的なものの上に座ってる。
正直、貧しい感じがすごい出てる。
村には家三軒だけで、カワウソ達はなんと全部で13人しか居なかった。
別に流行り病で亡くなったとかじゃない。
千年位前はこの土地にもたくさんカワウソ族が居たらしいが、ここ数百年で井戸水は干上がり作物も作れなくなり、みんな他の土地などに移住してしまい、この土地に残ってるカワウソ族はかなり少ないんだそうだ。
……なんでそんなとこ住んでんだろうこの人達……。
ピンタさんからそんな話を聞いてると、奥の部屋から何か老カワウソが出てきた。
いや皆サイズが違うだけで同じ顔してるんだけども、杖ついてるから老カワウソなんだろうきっと。
何か箱みたいなのかかえてる。
ああ、あれミスリルの箱じゃねえか?魔法の部屋のドアノブ入ってたやつに色味が似てるわ。
「ピンタ、そちらの方が」
「おお、父上、そうです。この方が鋼ムカデに襲われていた私を助けて下さり、従魔のマンジュウ殿が魔法で村のみんなを救って下さったのです。ヤスダ様、こちらは私の父のパニニ・リバーフェニックスでございます」
ピンタさんのお父さんはこっちをじっと見てから、視線を俺の腰で鼻ちょうちん出して寝てるマンジュウに移して、何やらプルプルしだした。
そして突然地面に膝をついて……。
「もしやあなた様は、異世界の黄金の国ジパングから来た、アンダー龍神様でございますか?」
何か妙なことを言い出した。
ジパング……アンダー龍神……。
何言ってるんだ、となるところだが、ここまでの会話にあった単語から何となくピースがうまって答えがうっすら見える。
これ多分俺のことだろうな。
あの見たことある感じのミスリルの箱、あと予言とか言ってたしな。
何やら異世界に来て、予知能力らしきものが使えるようになった田中くんが、何か言い残したとか、そんなんだろう。
この世界の共通語は日本語らしいからな。
安田龍臣
安田がアンダからアンダーで
龍臣がりゅうじんなんだろうな。
おかしな名前になったのは伝言ゲーム効果だろうか。
それにしても黄金の国ジパングて、マルコポーロか……ここ日本人しか来ない世界らしいからな、何者かの悪ふざけびんびん感じるわ。
「……タナカって勇者が予言残したとか何かですか?」
「!?……おお、やはり、やはりそうでございましたか、そうです。先見勇者タナカ様が二千年もの昔に残した予言、この地に……白き箱を抱えた新たな勇者が現れる。との予言が伝わっておるのです」
「先見勇者タナカより託された使命を、我が一族は二千年もの間代々受け継いできたのです……おお、ついに、ついに我が一族が使命を果す時が……おお……」
話してる途中からおじいちゃんカワウソは、ひざまずいたままポロポロ泣いて話してる。
「おお、ついに」
「やっと……やっとこの時が……」
「ご先祖様……」
いつの間にか、村中のカワウソ族が集まっていた。
みんな泣いてる。ピンタさん夫妻もぼろぼろ泣いてる。
ヤバイ、この人達がこの井戸水すら出ない所に何百年も住んでるのは、どうやら俺のせいだったらしい。
「勇者様、こちらでございます。こちらが二千年の間我が一族が代々受け継いできた、勇者タナカ様より託されし、ミスリルの箱でございます」
「……は、はあ」
ああ、もう勇者だって完全に認識されたな……。
とりあえず箱を受け取ってみる。
ミスリルの箱は錠前で鍵がついてる。スタート地点にあったミスリルの箱は鍵なんてついて無かったけどな…………!?
触った瞬間に錠前が光った。
『知的生命体の接触を感知』
『あなたに問います。2014年のクリスマスにタナカと二人きりでやったレトロゲームシリーズは何?』
クイズみてえの出してきやがったぞ。
しかも黒歴史クイズだ。
「…………がん○れゴエモン」
『……キーワード入力確認、解錠します』
鍵が開いた。
「おお、開いたぞ」
「何をしても空かなかった箱が」
「おお、ご先祖様……」
なにやら感激しているカワウソ達……。
……田中くんからのメッセージか、魔法の部屋で全部受け取ってるはずだが……あ、これすごい嫌な予感がする。
田中くんの性格を知るものとして、すごい嫌な予感が止まらない。
とりあえず絶対一人で見た方がいい気がする。
この角度なら、みんなひざまずいてるから箱の中は見えないよな。
よし、開くぞ。
「……………………」
ミスリルの箱の中には一枚の紙が入ってた。
うつくしいせかいでしょ。
らららと歌いたくなるでしょ。
しまぐにじゃないのよ。
マンモスみたいな魔物もいたよ。
たのしんでもいいよ。
ローマ字使う国とかもあるよ。
うんち。
田中より
「……………………」
なんだこれは……ポエムか?
残念って感情を言語化することに成功したポエムか?
…………あ、たて読みすると「うらしマたロう」って書いてあるわ。
………………いやいやいやいや、そんなわけ無い。田中くんはたまに仕事中にこんな感じのワケわからんメール送ってきて、たて読みにしたら「はらぺこ」だったりしたことが多々あったが、まさかまさか異世界で、しかも二千年またぎではやるまい。
何か隠された重要なメッセージがあるはずだ。
頼むからそうであってくれ。
ウルトラ鑑定
アイテム名 朽ちない紙
分類 紙
レア度 C
価格相場 800000G~900000G
効果及び説明
魔法で劣化防止処理がされている紙。
レア度が高いのは、先見勇者タナカの直筆のメッセージだから。
ちなみに書いてあるメッセージに意味は全くない。
2353年前に、この村にいつかヤスダが来るのを予知した先見勇者タナカが気まぐれで残した物。
タナカがすっぽん鍋を食べている時に、すっぽん→亀→浦島太郎とふと思って紙に書いてみたメッセージ。
タナカも、ヤスダの手に渡っても渡らなくても、どっちでもいい位の気分でカワウソ族に渡した。
タナカは適当な気分だったが、カワウソ族はこの国の恩人である勇者に頼まれたことだと、律儀に二千年もの間ヤスダを待っていた。
ヤスダに対する意味のないメッセージは世界中にあり、タナカ自身いくつ置いたか覚えていない。
………………やばい、罪悪感でくらくらする。