表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/35

第6話 これが噂のパワーレベリングってやつか

 というわけで帰って来ましたスタート地点。

 聖なる力を宿してるらしい小川を、ミミック抱えながら、ミミックに水掛からないように川渡って、今は霊樹の前に魔法の扉を展開して家の中だ。


 さて、さくっとミミックのレベルを上げて、また旅立とうとしたところ結構な問題が生じた。

 こいつは自分ではろくに動けない。ここまで俺が抱えて来た。

 新しいパーティメンバーのこいつが出来ることは、近づいてきた敵に噛みつくことと、抱えてやらないと動けない故に俺の両手の機能を封印する能力があるだけだ。


 格上の敵には全く近寄ってこないプラチナソウル狩りには、1ミリも向かない。

 俺かミスリルゴーレムがこのミミック箱を持って直接プラチナソウルに叩きつける、という強硬策も考えたが、俺やゴーレムの高いステータスであの固い銀色に叩きつけたら、ミミックが木っ端微塵に砕け散るかもしれない。

 スキルに期待したいところだったが、こいつのスキルは……。



スキル名 プレゼントボックス

種類   補助

効果   アイテム生成


発動条件及び説明


仲間のミミックに頼むことで発動する。

一日三回発動可能、宝箱を開く度にランダムでアイテムが入っている。

生成されるアイテムはミミックのレベル依存。

レベルが高ければ高いほどレア度の高いアイテムが生成される。

生成されるアイテムはランダムだが、開いた者に使用又は装備できない物は生成されない。



 というかなりの夢がつまっているスキルだけだ。攻撃スキルは無い。

 だがこれを見た瞬間に絶対にレベルを上げようと心に誓った。


「うーん、どうするか」


 ……ていうか、とりあえずスキルやってみたいな。


「プレゼントボックスってのやってみたいんだが」


 バンバンバンバンッ。


 !?急にミミックの蓋が閉じたり開いたりした。

 ……こいつこういう意思疏通の取り方すんのか……。


 ファーって感じの光の粒子がミミックの箱の回りをふわふわしてる。


 これは、スキルが発動してんのかな?


「開けていいのか?」


 ……ミミックは微動だにしない、開けていいんだろうか?

 おそるおそる丁寧に開く。


 箱の中は異次元空間にでも繋がってんじゃねえかって位真っ暗だ。怖。

 ……手を突っ込めってことだろうか?ええ、まじで?

 超おそるおそる異次元空間に手を入れる。

 あ、なんか手に当たった。

 掴んで、表に出す。


「………………」


 ……なんか見覚えのある草が出てきた。

 ひとまず、鑑定してみよう。


アイテム名 タンポポ


分類    草花

レア度   F-

価格相場  0


効果及び説明


ありふれた草花。

どこにでも生えている。

一応食用にもなる。


余談


この世界にもあります。



 だよね。

 どうみてもタンポポだったもの。


 一日に三回できるらしいので、あと二回やってみた。

 その結果。


 タンポポ×1

 カビが生えてるパン×1

 道端の石×1


 だった。

 うん、レベル上げねばな。

 アイテムを生成してるらしいが、カビ生えたパン生成するってどういうことなんだろうか……カビの分だけむしろ難易度が上がってるんではないだろうか。


 あ、20あったミミックのMPが今は5しか残ってない。

 よし、じゃあこのホワイトシャインベリーを食わせてやろう。

 あ、でもこれ回復アイテムだが、実が成ってる木が魔物が嫌がったりする聖なる力がなんたらかんたらじゃなかったっけ?

 大丈夫かな?

 動物の鼻先に餌を近づけるように、箱の前にホワイトシャインベリーを近づける。


 バンバンバンバン言い出して。何とか体を揺すって食おうとしてる。大丈夫のようだ。


 真っ暗な箱の中にホワイトシャインベリーを入れる。これでいいんだろうか?奈落に物を投げ入れてる気分だ。

 ……あ、MP回復した。


 バンバンバンバン


 おお、大喜びだ。

 だがすごいアイテムを食わせれば、もしかしたら進化的ななにかをするんじゃないだろうか。という俺の目論見は失敗だったようだ。残念。


 そのあと日が暮れて来たので、夕食を食って風呂だ。

 肉じゃがを作ったんだが、ミミックにも食わせてみたら大喜びだった。こいつは基本なんでも食うらしい。


 ソファに寄りかかってまた考える。

 結局攻撃方法がないのが問題なんだよな。

 …………………あっ!そうだ魔法の本があったわ。


 よし、さっそく本棚から色々持ってくる。

 魔法の本は革張りで表紙に金属の板がついてて板には手の形の窪みがある。これに手をつけると覚えられる仕様だ。

 あと覚えられる魔法の種類によって色がちがう。

 この火の魔導書は赤だ。鑑定するとこんな感じ。



アイテム名 火の魔導書


分類    魔導書

レア度   ?

価格相場  5000000000G~6000000000G


効果及び説明


表紙の手形に手を置くと、所持スキル欄に火魔法のスキルが表示される。

ただし適性がなければ表示されない。


余談


火、水、土、風、闇、光の6種の魔導書がある。

スキルなのでレベルが上がれば成長し使える魔法も増える。

故にレベルが低い段階での使用推奨。

レア度が「?」なのはこのアイテムの存在を知るものが現在世界に一人も居ないため。

このアイテムが明るみに出れば、魔法文明が根本からひっくり返る。

地球人には使用不可、魔法はこの世界の管理者が造成したシステムのため。

例えるなら、型の違う血液を体内に入れるようなもの。

しかし魔導書を作成したのはかつて転移してきた地球人マヤマ。



 ……だそうだ。

 思ったよりとんでもないアイテムだった。


 手形が表紙にあるんだよな。

 まず、お決まりの火魔法のやつから試してみるかな?

 魔導書表紙の手形を下にしてミミックに乗せてみる。

 ……なにも起こらん。やはり手がないからだろうか。


 うーん、次は風魔法のを置いてみる。

 ……あっなんか光ってるっ!!きたっぽい!!やった!!


 魔導書から出た緑の光の粒子がミミックの体に吸い込まれていく。


 「よっしゃあ!!」


 あっ、ミミックの宝箱の金属製の枠が、うっすら緑色のなんか綺麗な色になってる。よし鑑定だ。




名前   無し

年齢   0才

種類   魔法箱ミミック

称号   無し


レベル  1

HP   47/47

MP   20/20


STR   8

AGI   5

VIT  40

INT   8

MND  13

DEX   9



装備

無し


所持スキル


風魔法レベル1

エアカッター、ウインドウォール


プレゼントボックス



 種族名が変わってる。よし。


「成功だ!!やったな、なんか知らんが進化したなっ」


 ミミックを持ち上げて小踊りする。

 ミミックもバンバンバンバン嬉しそうだ。

 能力値も若干上がっている。


「よし、他のも試すぞ」


 残りの魔導書を試した結果、水魔法と闇魔法のスキルも覚えた。

 スキル欄に

 水魔法、ウォーターショット、ウォーターヒール、キュア、と

 闇魔法、ダークハンド、鈍足の呪い

 雷魔法、ショック

 が増えている。


 雷魔法?

 後で調べよう。

 ミミックの箱はまた金属の枠の色が変わって黒っぽい銀色になってる。


「おお、魔法がたくさん使える。ていうか名前まだ決めて無かったな」

「……うーん、よし、我が家に代々伝わるペット名を授けよう」


「今日からお前はマンジュウ三世だ」


 バンバンバンバンッ


 お、喜んでる感じがする。


「よし、今日は寝るか、お前にはこのクッションをあげよう」


 ミミックをリビングのローソファ横のクッションの上に置いて寝室に向かう。


 バンバンバンバンッ。


 なんか騒ぎだした。あれは置いていかないで、のバンバンバンの気がする。

 ていうか、置いていかないでのバンバンバンってなんだ?なぜそんなことがわかる俺。

 ……仲間に入ったから、何となく意思疏通できてるんだろうか。

 クッションごと寝室に持って行って、ベットの横に置いてから寝た。


 ていうかこいつは睡眠とかすんのかな?


 …………あ、宝箱の鍵穴の部分から鼻ちょうちん出てる。

 こいつも寝るのか。しかも寝つきがいい。













 ――――――「そこだ行け!!」


 マンジュウの口からプラチナソウルに向けて水の玉が飛び出す。

 銀色のプラモデルは、逃げる時のエビみたいな動きでジャンプして、水の玉をかわして林の中に消えていった。

 ああ、また外れた。


 朝飯食ってから、マンジュウ三世を連れ出してプラチナソウル狩りを始める。

 だがプラチナソウルは動きが速くてなかなか魔法が当たらない。


「!!また居た、いけマンジュウ!!」


 またマンジュウが水の玉を吐き出す。

 ――よし、今度は当たったっ。

 さすがにプラチナソウルは固いから、レベル1の魔法じゃほとんどダメージは無いが、ここで俺が段ボールブーメランをっ!!


 手の中にあった十字に切り取っただけの段ボールが回転しながらすごい勢いで飛んでいく。

 鬱蒼とする木々の間を右へ左へ飛んでいき、逃げるプラチナソウルを爆散させる。

 相変わらず全くブーメランではない。

 魔法の水の玉よりよっぽど貧弱であろう段ボールブーメランだが、俺のレベル高いからあの威力なんだろうか?

 いやでもレベル低い時でも一撃だったんだよな。

 ……まあ、アホみたいなスキルだからな威力とかもアホみたいなんだろう。

 そもそもブーメラン(十)ってそのまま書いてあるからね。

 投擲スキルとかじゃないからね。


 よし、ゴーレムに魔法の袋を拾いに行かせる。


 おっ、マンジュウがぶるぶるしだした。

 ……レベルアップか、やっぱり痛いんだろうか?

 本人がとどめ刺さなくても、魔物にダメージ与えてれば経験値的な謎エネルギーが集まるらしいな。


「大丈夫かマンジュウ、マ、マンジュウ!?」


 ぶるぶるしていたマンジュウの体が、いきなり真っ黒になってうねうねと形が変わっていく。


「マンジュウ!?マンジュウ大丈夫か!?」


 あ、だんだん緩やかに形が整ってきた。色は黒いままだ、黒いままというかこれは……


「おお、鉄の宝箱になった」


 前の全体的に木で枠組みが金属の宝箱から、全体が鉄の宝箱になった。

 横幅40センチ程だった大きさも、20センチほどのサイズになった。


「大丈夫か、マンジュウ」


 ギャンギャンギャンッ。


 今のは大丈夫のギャンギャンギャンだな。

 鉄の蓋開けたり閉めたりだから音がギャンギャンギャンになった。

 でもサイズが小さくなってるから、うるささは大して変わらない。正直バンバンバンの時もうるさかった。


 さて、どうなったかな。



名前   マンジュウ三世

年齢   0才

種類   魔法鉄箱ミミック

称号   プラチナハンター


レベル  12

HP   127/127

MP    80/80


STR  21

AGI  25

VIT  73

INT  24

MND  33

DEX  20


装備

無し


所持スキル


風魔法レベル2

エアカッター、ウインドウォール、エアカッタートリプル、風の歌


水魔法レベル2

ウォーターショット、ウォーターヒール、キュア、ウォーターカッター、アイスボール


雷魔法レベル1

ショック


闇魔法レベル2

ダークハンド、鈍足の呪い、下級召喚魔法


プレゼントボックス



「ウオオー、すげえ、やったなマンジュウよ、きっとお前はミミック界の出世頭だっ」


 ギャンギャンギャンッ。


 今のは嬉しいのギャンギャンギャン、だな。

 もはや俺のスキル欄とは比べるべくもないほど、ゴージャスになったな。


「よし、この調子でいくぞっ」


 ギャンギャンギャン


















「……ふう、日も暮れてきたし、そろそろ帰るか」


 リンリンリンッ


 白色の後ろ側から羽根が生えた15センチ程の箱が、俺の後を飛びながらついてくる。



挿絵(By みてみん)



名前   マンジュウ三世

年齢   0才

種類   王箱ミミック

称号   神のごとき箱


レベル  70

HP   777/777

MP   777/777


STR  188

AGI  188

VIT  255

INT  188

MND  188

DEX  188


装備

無し


所持スキル


風魔法レベル5

エアカッター、ウインドウォール、エアカッタートリプル、風の歌、迷彩、エアブレイド、癒しの風、エアカッタートゥエルブ、スカイフォール、エアカッターハンドレッド、王の凱風


水魔法レベル5

ウォーターショット、ウォーターヒール、キュア、ウォーターカッター、アイスボール、ヒールレイン、アイスランス、ディープキュア、土砂降りヒール、水星


雷魔法レベル5

ショック、アイアンサンドランス、レールガン、雷神


闇魔法レベル5

ダークハンド、鈍足の呪い、下級召喚魔法、痺れの呪い、吸生、ダーク爆裂拳、錆の呪い、中級召喚魔法、ダーク百烈拳、痛風の呪い、上級召喚魔法、眠りの呪い


体術レベル5

剛力、鉄拳、俊速、ぶちかまし、オーラ、金剛


威圧レベル5

王の威圧、超越者の咆哮


全状態異常耐性・極

全属性魔法耐性・強


プレゼントボックス


説明


宝箱ミミックの最も長い進化ルートの最終形態。

オリハルコンの肉体に魔法スキルと体術スキル、耐性スキルを最高レベルで有している最強クラスの魔物。

名前に王がついてるのは、魔王になる権利を持つ魔物もしくは魔族の証し。

本来漆黒のはずだがなぜか白い色の個体。



余談


パワーレベリングのしすぎ、レベル限界まで上げたのでこれ以上はレベル上がらない。

最強クラスと書いてあるが、紛れもなくリリパットグラウンドで最強の魔物。

色が白いのは、生まれてから月日がたってないにも関わらず進化したから。

本来は長い年月をかけて、この世の無常さを理解して様々な負の感情を溜め込んで黒色の体になる。

ヤスダが旨い食い物を食わせて、ただプラモデルを破壊させるだけのゆる過ぎる一日を送らせた結果、超ピュアな心を持ったまま最終形態になった。

世界で一番強くやさしい心を持った魔物が誕生した。




 ……やり過ぎた。まさか魔王を産み出してしまうことになるとは……。

 まあ、別にいいや。

 良い子に育ったようだし、最終形態まで今日一日、正味5、6時間の出来事だが良い子に育ったんだろうきっと、だってそう書いてある。


 しかしパワーレベリングに次ぐパワーレベリングで、プラチナソウルほぼ狩りつくしてしまった。

 あと4、5匹位しか残ってない。

 マンジュウはあの後。


 魔法鉄箱ミミック→魔法銀箱ミミック→魔法金箱ミミック→伯爵箱ミミック→侯爵箱ミミック→公爵箱ミミック→王箱ミミック


 という進化を遂げ、見た目的には


 鉄→銀→金→宝石だらけの銀→宝石だらけの金→灰色→白


 て感じに変わっていった。

 サイズも段々小さくなって、今や横幅15センチ位、完全に小箱サイズ。


 ちなみにいつの間にか増えたスキル雷魔法ってのは、風と水魔法に適性あるやつが覚えるボーナス的なやつらしい。

 地水火風の4つの魔法は組み合わせ次第で、より強力な魔法スキルが追加で増えるようだ。

 所で雷魔法のアイアンサンドランスとかレールガンとか雷じゃなくて磁力じゃね?


 宝箱ミミックのレベルは、70でカウントストップのようだ。

 つまりこれが最終形態ってやつだろう。

 まあ、鑑定にもそう書いてあるしな。


 今は隣で俺が作ったステーキを、箱から出てるひょろっとした手のような何かを使ってナイフとフォークで食べてる。


「……うまいか?」


 リンリンリンッ


 うまいらしい、箱蓋閉じる音なのに何故か鐘の音色のような綺麗な音になった。


 そういえば今日はもう一つ良いことがあった。

 俺はリビングの端に置いてある今日の戦利品のドロップ品の山を見ている。

 魔法の袋がたくさん積み重なっている横にアンティークっぽいドアノブがあった。しかも2つ。

 そうなのだ、とうとう魔法の部屋を追加で手に入れたのだ。しかも一気に2つも。


 普段は魔法の袋をドロップするプラチナソウルが、80分の1の確率でドロップするらしいからいつか落とすかな、と思っていたが、今日やっとこさ落とした。


 まあ、すでに家具つきの最高のやつ田中くんから一個貰ってるわけだから落とさないなら落とさないで構わなかったんだけどね。


 一つはロフトつきじゃあ無かったが20畳位の大部屋の他に10畳位の部屋が9つ位ある、かなりのでかい部屋だった。

 もう一つは、10畳位の部屋が2つに小部屋が4つ位の部屋だった。

 確か出現する部屋の広さは平均100平米らしいから、小さいのは外れなのかもな。十分だけど。

 もちろん家具なんかは一切無い。

 むふふ、しかし良いものを手に入れたぞ。

 セカンドハウスだ。……いや違うか?セカンドハウスってなんだっけ?


 寝室に向かい部屋の奥にある方のタンスを横に動かす。すごく分かりづらいが、タンスが横にスライドするようになっていた。昨日洗濯したパンツをタンスに仕舞う時に発見したのだ。

 そこには電子ロックっぽい鍵つきの扉があって「暗証番号はヤスダさんのアパートの部屋番号を2回繰り返した数字です」て張り紙が貼ってあった。

 貴重品は全部そこに仕舞っといた。

 よし、片付けたし、もう風呂に入って寝ることにするかな。



名前   マンジュウ三世

年齢   0才

種類   王箱ミミック

称号   神のごとき箱


レベル  70

HP   777/777

MP   777/777


STR  188

AGI  188

VIT  255

INT  188

MND  188

DEX  188



所持スキル


風魔法レベル5

エアカッター、ウインドウォール、エアカッタートリプル、風の歌、迷彩、エアブレイド、癒しの風、エアカッタートゥエルブ、スカイフォール、エアカッターハンドレッド、王の凱風


水魔法レベル5

ウォーターショット、ウォーターヒール、キュア、ウォーターカッター、アイスボール、ヒールレイン、アイスランス、ディープキュア、土砂降りヒール、水星


雷魔法レベル5

ショック、アイアンサンドランス、レールガン、雷神


闇魔法レベル5

ダークハンド、鈍足の呪い、下級召喚魔法、痺れの呪い、吸生、ダーク爆裂拳、錆の呪い、中級召喚魔法、ダーク百烈拳、痛風の呪い、上級召喚魔法、眠りの呪い


体術レベル5

剛力、鉄拳、俊速、ぶちかまし、オーラ、金剛


威圧レベル5

王の威圧、超越者の咆哮


全状態異常耐性・極

全属性魔法耐性・強


プレゼントボックス



名前 ヤスダ ♂

年齢 26才

職業 最強の教師

称号 手を差し伸べてしまうアホ


レベル 86

HP  899/899

MP  0/0


ちから   196

はやさ   224

みのまもり 218+100

ちりょく  255

せいしん  255

きんりょく 196



所持スキル


ケンカキック

ブーメラン(十)

ウルトラ鑑定

パーティーメンバーステータス確認



 このスキル欄の差が切ない。

 風呂に入りながら、縁に頭乗せてまったりステータスを見比べる。

 後半はマンジュウ一人にレベリングさせていたが、前半の手伝いで4レベルだけだが俺もレベルが上がった。経験値はパーティで分ける形式じゃないみたいだな。戦ったメンバーで分ける形式のようだ。

 そういえば、能力値は255が最高なんだな。

 俺の知力255なんだけど頭よくなった気はしない。なんでだべ。

 

 ……あ、そうだ、プレゼントボックス。


「マンジュウ、プレゼントボックスやらせてくれ」


 リンリンリン。


 すごい綺麗な音で、了解のリンリンリンが聞こえる。

 今マンジュウは箱の中から出てくる謎の手を使って、シャワーの前で背中をごしごしタオルで洗っている。

 もう錆びたりもしないらしい。

 材質はファンタジー界隈では有名な、オリハルコンってやつだそうだ。



 風呂から上がってホカホカになりながら、同じくホカホカのオリハルコン製の蓋に手をかける。


 プレゼントボックスはレベル依存らしいので、楽しみだ。

 胸を高鳴らせて蓋を開けて、異次元のごとき穴に手を入れる。


 お、箱がちっちゃくなったから、入ってる物も小さいのかと思ったが、ファンタジーよろしくみょうんって出てくる。

 青い猫型ロボがデカイ道具出す時と同じ感じだ。

 ……お、これは……。



アイテム名 黒鋼絹のスーツ


分類    防具 ※文化系職業専用装備

防御力   56

レア度   B+

価格相場  8500000G~9000000G


効果及び説明


世界樹に生息する天涯蚕の糸から作られる黒鋼絹で織られている貴重な装備。

装備するとスキル欄に火属性耐性・中、水属性耐性・中、のスキルが追加される。

文化系職業の者しか装備できない。





 何やら黒のスーツ一式が出てきた。


「……文化系職業専用装備……防御力ある服が必要になる文化系の職業ってなんなんだよ……」


 ファンタジー世界の文化系も大変だな。俺の教師も文化系職業なんだろうな。プレゼントボックスは開けた本人に使えない物は出ないらしいから。

 そしてやはりなに基準で防御力56なのかわからんな。


 ……ていうか効果の所に面白い単語があるな。

 天涯蚕に世界樹か。


「やっぱ世界樹とかあんのか、見てみたいなあ」


 恐らくとんでもなくでっかい樹なんだろうな。

 うわ、わくわくが止まらん。いつか見に行こう。

 ウルトラ鑑定してみればどんな感じかわかるだろうが、やめとこう。

 また訳のわからんネタバレ地雷踏み抜くのも嫌だしな。



 よし、もう一度。



アイテム名 風銀製の腕輪


分類    アクセサリー

レア度   C

価格相場  500000G~800000G


効果及び説明


風属性の魔力が籠った銀で作られた腕輪、

装備すると、スキル欄に風魔法、ウインドカッター、風属性耐性・中がつく。


余談


スキル行使者ヤスダにも使用可能だが、地球人は魔法の素養0なのでクソのような威力のウインドカッターしか出ない。



 ……俺にも魔法が使えるらしい装備出たな。

 でもクソのような威力しか出ないらしい。

 この余談って項目出る時と出ない時あんだよなあ。なんか口悪かったりするし。


 まあ見た目は装飾にも手が込んでる感じの淡い緑の腕輪だ。


「俺がつけるにはこじゃれすぎかな」



 じゃあ次で最後……。

 あ、なんかファンタジーっぽいの出てきたな。

 まあ、ファンタジーはファンタジーだが、思いきりゲームの方のファンタジーだが。

 わかりやすいゴツゴツした、いかにも凄い剣でした、みたいな形の錆びの塊が出てきた。




アイテム名  錆びた剣


分類     ?

攻撃力    ?

レア度    ?

価格相場   ?


効果及び説明 



余談


今現在リリパットグラウンドにいる勇者アズマ(地球名東秀千代)が、常闇の神殿の奥底で見つけた勇者にしか装備出来ない聖剣ヤオヨロズ、の封印された状態。

鍛冶の国ギアマイルにいる。神匠ロザリンデにしか封印を解くことが出来ない。

アズマは現在賢人国家ローランブックの大図書館で封印を解く方法を探している。

この世界の管理者が設定したアイテムのため、この世界の鑑定スキルでは鑑定できない。


神の領域に踏み込んだスキル行使者ヤスダのパーティーメンバーマンジュウ三世のスキルにより復元され、聖剣が二本になってしまった。

ちなみにヤスダは装備できる。勇者とは地球人転移者の神の幼子達の別名であるため。

ただし剣術の心得0のヤスダでは使いこなせないだろう。




「……またネタバレ食らったか……」



挿絵(By みてみん)



 どうやらこの世界に、今現在俺以外にも日本人がいるようだ。

 アズマ君は無事ロザリンデさんとやらに会えるんだろうか……。

 あとなんか俺相変わらず小馬鹿にされてるけどもさ。

 こんなわけのわからんファンタジーなでっかい刃物自在に振り回せる日本人なんて多分居ねえだろ。

 そして振り回す気も更々ない。二十六才そういう血気盛んなことをしたくなる年頃はもうすぎているのだ。

 刃物振り回して返り血浴びるような生活はまっぴらごめんなのだ。


「……さ、もう寝るか」

「明日は旅立ちだぞマンジュウ」


 リンリンリンッ


 マンジュウの喜びのリンリンリンを聞いて寝ることにする。


 ……見なかったことにして寝る。

タイトル回収ですね。

これからもおかしな物が出てきます。


ボツネタではまんじゅうから禿げたおっさんが出てくる案もありました。

もしかしたらいつか禿げたおっさんが出てくるかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ