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最終話 ひとまずのバイバイ。

本日二話目の更新です。お気をつけ下さい。

 ムツキボコボコにしてから一週間。

 ムツキは懲役333年だそうだ。

 三ならびで数字の縁起はいい。いや、本人は最悪だろうが。

 この世界王族だから刑期短くとか、内密に処理とかそういうのは無いんだな。

 でも死刑制度は無いらしい。よかった。

 別に死刑反対とかじゃないが、自分が関わってるなら他人の命云々を背負うのはごめんだ。

 ヘタレなのでね。


 今は飛行船に設置した魔法の部屋でボーッとDVD見てる。


「バンホーさんイケメンだわ。中身は」


「外身はこれおっかないよねー、地底人だからね。……あ、僕そろそろ行かないと」


「スズキさんまた缶詰売りやってんでしょ?」


 缶詰売りという名の食糧配布だ。スズキさんは相変わらずお人好しだ。


「うん。ヤスダ君も一緒に行かない?今日で充分食糧も行き渡ると思うから。多分最終日」


「いいよ。もうちやほやされんのお腹いっぱい。」


 ムツキボコボコにした後、色々あってやたらちやほやされるようになっちまった。

 マリアシリールのロボ領主さんや犬族のみんながやたらめったら俺を誉めちぎった宣伝を王都中にしたからだ。

 ダンガンポートのムキムキ一家もやってたしな。

 もうどこいってもちやほやされる。

 最初のうちは調子こいて、歓声挙げる一般人の中を通りながら両手広げて歌うたったりしてたが、3日で精神の胃がもたれた。

 もうめんどくさい。

 王様や王子様にもやたら平謝りされるしさ。

 聖人君子のような目で見られるから、申し訳ない気持ちになるしさ。

 なんか色んな貴族から誘われるし。

 俺の普通の銅像もとうとう建っちゃったし。


 そう言えばロボ領主さんを見たスズキさんとアズマ君はビックリしてたな。

 カニ缶50個貰った。


「そう?じゃあ僕だけ行くね」


「いってらー」


 スズキさんも行っちまったから、ボーッとDVD見てるべ。

 ボーッと、ボーッと、ボーッと……。






 ……はっ!?

 この謎空間は?

 また俺の頭ん中の世界だ。いつの間にか寝ちってたか。


「ヤスダさん」


「お、田中くん。元気か?」


「いや、元気ですけど、あれなんとかならないんですか?パーティー侵食問題。なんか嫁達に色々言われるんですけど」


「無理、色々やろうとしたが、全くわからん、そもそもパーティーシステム自体、なんで仲間になるのとかも全くわからんからね」


 鑑定しまくると、運命がなんたらかんたらみたいなわけわからない結果出るんだもん。そんなんどうしようもない。


「えー」


「あきらめてくれ。一緒にいないのにパーティーメンバーに入ってる人田中くん達だけじゃないし」


 バインバイン姉ちゃんことシラールも、旦那さんと再会してパーティー離れて今は王都の自宅に旦那さんと居るからな。

 まさかのすげえ禿げた旦那さんだった。禿げてヒョロヒョロの50過ぎたおっさんだった。

 俺も含めてみんなびっくりしてた。

 スパイとか云々の罪はアズマ君の陳情と、アズマ君パーティーで活躍した功績で相殺になったらしい。

 まあ、めでたしめでたしだ。


「じゃあ、そういうことで」


 俺は頭ん中の世界から脱出する。

 脱出が簡単にできることをこの間知ったのだ。


「あっ、ちょっとヤスダさんっヤスダさ」








「ヤスダさん、ヤスダさん」


「……うわっ!!ビックリした」


 ……アズマ君に起こされたらしい。

 世界で一番どこにでもいる顔との定評がある田中くんからの、鬼の権化みたいなアズマ君の顔にスライドするとすごいびっくりする。

 アズマ君の顔寝起きに悪いわ~。


 そう言えばアズマ君いまだに男のままだな。

 男女逆転薬まだ使ってない。

 このままな感じのビジュアルで女性になられてもあれだし。

 だからといっていきなり可愛い女の子になられてもあれだしな。

 どっちに転んでもおっかねえから鑑定もせずにスルーしてたんだが、今度鑑定してやった方がいいんだろうか?


 あら?よく見たらスズキさんやらカワウソ達も皆居るわ。

 スズキさんさっき出掛けたばっかだと思ってたのに……。


「……俺何時間寝てた?」


「僕が出掛けてから寝てたとすると、八時間位寝てたね」


 スズキさんが苦笑いしながら教えてくれる。

 昼間っから八時間睡眠してしまったか、もうダメだな。

 昼寝なのに本気の睡眠しちまった。

 ダメ過ぎる生活だわこれ。


「先生、夕食ですよ。今日は水炊きです」


 カワウソ族の料理人モモさんが俺を呼びに来た。

 いえー、水炊き大好きー。


 ……いやいや、もう、食っちゃ寝食っちゃ寝すぎる。

 いえー、じゃねえわ。

 いよいよダメだなこれ。



 俺は水炊きを皆で囲みながら目をつぶって考え込む。


「……どうしました先生?」


 ビンタさんが話しかけてくる。

 ……んー、よし決めた。

 目を見開いて宣言する。


「明日出発っ!!!!」


「「「「「ええっ!?」」」」」


 みんなの驚愕の声が聞こえる。

 だが予定変えません。明日出発します。


「ど、どこに行くの?」


「決めてない」


「決めてないの!?」


「ヤスダさん、せめて目的地決めてからにしませんか?」


 スズキさんとアズマ君が目的地決めてから行こうぜ的な、オールドタイプな思考をぶつけてくる。

 そんなんじゃ未来に生きれないぜ。

 一緒にニュータイプになろうぜっ。


「先生が行く場所が我々の行く場所です。お好きに決めてください」


 カワウソ様方はニュータイプだったようだな。


「よし、ダーツで決めよう」


「え?ダーツで決めちゃいます?」


 アズマ君のすごい普通な疑問を無視して、カワウソ達が用意してくれた地図に離れた場所からダーツを構える。


「世界樹あるとこに当たりますようにっ」


 掛け声と共に投げる。


「え!?世界樹あるとこに行きたいならダーツ投げなくてよくない!?」


「ホントですよヤスダさんっ、世界樹見たいなら世界樹行きましょうよっ」


 スズキさんとアズマ君がまたオールドタイプなことを言い出したな。

 ダーツで決めることに意味があるのさ。

 いやホントは無いんだけど。ただのノリだけども。

 ビンタさんが地図からダーツ取って刺さった箇所を見てる。


「えー、南の大陸のナピーナップ諸島ですね。世界樹もありますよ」


 え、まじで?


「え!?ホントに!?」

「ホントに?」

「すごいセンセー」

「すごいなヤスダ」

「すごいですね。ヤスダさん」


 パーティーメンバーの賞賛が心地いい。


「うーん。まあ、じゃあ行こうか?」

「しょうがないですね。付き合いますか」


「よし、明日出発っ、冒険こそ我が人生なりっ」


「うわ、ヤスダ君らしくないセリフ出たね」


「先生があらぶっておられますな」


挿絵(By みてみん)

はい、俺たちの冒険はこれからだエンドです。

昔からこれからも彼らの冒険は続いていく、みたいのが寂しくなくて好きなんです。


活動報告にちょっと後書き?みたいなのを書いたのでよければご覧ください。

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