第24話 結局ダンジョンに行くことになった。結局ダンジョンに行くことになった。大事なことだから2か…
後半ステータスが多いので嫌いな方はさっと飛ばしてください。
ムツキの策略により、勇者アズマ君がこっちに向かって来て、俺をぶっ飛ばそうとしてるらしいので、パーティメンバーとスズキさんで今は西のダンジョンに来ている。ダンガンポートで二番目に大きなダンジョンだ。
ダンジョンは外の見た目より空間が広くなってるらしく。
何やら、凄い広い洞窟みたいなパターンのやつだ。
定期的に構造が変わったりするそうだ。
平原あったり、森があったりはしないらしい。
こんなおっかねえとこ、絶対一人では来れないね。
今はダンジョンの中に展開したカワウソ村の中にいる。
カワウソ村の魔法の部屋の中に俺の魔法の部屋も設置してある。
魔法の部屋合体だ。そんなことできたの始めて知った。
ちなみにダンジョンに来ている理由は、アズマ君から逃げ隠れする為ではなく、スズキさんと子供カワウソ達のレベル上げの為だ。
勇者アズマ君が来るまで五日ほどあるので、それまでにできる限りレベル上げしときたい、とのピンタさん親子の案だ。
はあ、ダンジョンにだけは行くまいと思っていたのになあ。
まあ仕方ない。子供組とスズキさんの為だ。
「よしスズキさん、じゃあ引いてみて」
「……ええ、まんじゅうくんの口、真っ暗で怖いなあ……」
スズキさんの戦力強化の為にまんじゅうのプレゼントボックス発動中だ。
みんなまんじゅうの暗黒空間に手を突っ込む時、同じリアクションすんだなあ。
スズキさんが怖々とまんじゅうの口に手を入れる。
「……ええ?なにこれ?木刀?」
……木刀だわ、一目でなにかわかる物でてきたな。
なんか持つとこに書いてある。猪苗代湖?
東北だかの湖じゃなかったか?
「あれは、伝説の木刀では?」
「夜露死苦勇者様の木刀か!?」
カワウソ達は知っているようだ。
ていうか伝説?今よろしく勇者とかって言った?
……あ、夜露死苦勇者ってこと?木刀振り回すおっかない暴走族のやつでもいたの?
ええ?今時の暴走族、夜露死苦なんて絶対言わないだろ。
まあ、鑑定しよう。
アイテム名 超・木刀
分類 武具
レア度 B+
攻撃力 60
価格相場 8500000G~9000000G
効果及び説明
世界樹の芯の部分で作られてる木刀、下手な金属より遥かに頑丈で、ミスリル並みの硬度を誇る上に折れても数日で元の形に戻る。
植物の王様世界樹の力により、親密度が高い植物の声が聞こえるようになる。
余談
夜露死苦勇者こと勇者キムラ(地球名、木村ひろし)の愛用していた武器。
勇者キムラは暴走族の漫画が大好きなおとなしい青年で、異世界に転移する際に暴走族キャラでデビューしようとした珍しい精神構造をした青年だが、勇者らしく頑張って世界を救った。
木村君よ、誰だか知らんがなぜファンタジー世界にその概念を持ち込もうとしたんだ……。
俺が木村君関連以外の鑑定結果をスズキさんに伝えると、「なに基準で60なの?」との攻撃力の数値に疑問をいだいたようだが、それよりもスズキさんのサボテンこと、トゲ蔵1号と会話ができるかもしれないってことに驚いてた。
「……………」
スズキさんが何やらサボテン持って沈黙している。
「ヤスダ君、この子関西弁だっ」
トゲ蔵は関西生まれだったらしい。
スズキさんはサボテンの植え木鉢抱えながら「そんなこと無い」「救われたのは僕だよ」みたいなことをぶつぶつ言ってる。
端から見たら危ない人だが、どうやらトゲ蔵は閉店セールやってた花屋で、買われないままだと、処分される運命だったらしい。
閉店ギリギリで買ったのがスズキさんだったと。トゲ蔵は凄い恩を感じているそうだ。
何やらスズキさんの感動エピが展開されたな。
カワウソ達もみんな涙目でよかったよかった、スズキさんもありがとうございます、とか言ってる。
あれ?俺だけ乗り遅れたな……。
よし、じゃあプレゼントボックス二回目。
アイテム名 金剛綿花のじんべえ
分類 防具
レア度 A-
防御力 80
価格相場 38000000G~40000000G
効果及び説明
鋼より固い綿で出来たじんべえ。
軽く綿と同じ手触りだが、防御力が尋常ではない。
「金剛綿花のじんべえ!?凄いわ、本当にあったのね」
ピンタさんの奥さんのププルさんがびっくりしている。
凄い装備らしい。
じんべえだ。あのマッサージ師とか祭りの人が良く着てるやつだ。
じんべえちょっとうらやま、レア度もA-だし。
スズキさんヒキが良いな。
「これって、なんだっけじんべえって言うんだっけ?これは、防具なの?」
スズキさんが典型的な疑問を投げ掛けてくる。まあ、そりゃそうだ。
「そう、それちゃんとした防具らしいよ。俺もあれだから防具スーツだから」
「……スーツなの?」
「うん、ネクタイもワイシャツもあるスーツ一式が防具」
「……スーツなの?」
「うん」
「……ホントに?」
「うん」
じゃあ三回目。
あ、分かりやすい兜?出たな。
アイテム名 ミスリルヘルム
分類 防具
レア度 C+
防御力 37
価格相場 900000G~1000000G
効果及び説明
ミスリルで出来たヘルム。
それ以上でも以下でもない。
おお、普通のファンタジー装備でた。
しかし防具二つに武器一つか、スズキさんやっぱヒキ良いな。
プレゼントボックスは消費アイテム出ることも多いからな。
スズキさんには早速装備してもらおう。
「……安田くん、これ頭だけ浮いてない?命に関わることだってのはわかってるし、すごくありがたいんだけど、僕これ嫌なんだけど」
うん、凄いちぐはぐだものね。
首から上がローマ兵士で首から下がお祭りに来てるおじさんだものね。
まあ、わかってたが、結局兜はお蔵入りになった。
「よし、レベル上げだ」
俺たちはみんなで魔法の部屋からダンジョンに乗り出した。
早速鑑定をしよう。
場所名 西のダンジョン
説明
全15階構造のダンジョン一階辺りの広さは約30平方キロメートル。
低階層には分裂スライム、鉄ヤギ、針毛虫などの魔物。
中階層には暗黒スライム、鋼甲虫、などの魔物。
高階層には鋼カマキリ、赤々樹人、ミサイル牛などの魔物がいる。
おお、虫とスライムが多いなあ。針毛虫とか見たくもないな。
「あ、分裂スライム」
「戦闘体制だ」
「「「おうっ」」」
お、魔物が居たらしい。カワウソ達は即座に何やら陣形を整えてる。頼りになる。
スズキさんも緊張してるが、じんべえを着て、片手にはサボテンを持ち、片手には木刀を持って身構えてる。
中々凄いビジュアルだが、着ぐるみだらけのカワウソ達の中だとインパクトが薄いな。
あ、なんか灰色のアメーバみたいのがいる。あれがスライムか、一杯いるな。
魔物名 分裂スライム
危険度 C-
レベル 4
HP 35/35
MP 7/7
STR 18
AGI 5
VIT 20
INT 1
MND 2
DEX 2
装備
無し
所持スキル
分裂
消化液飛ばし
ドロップ
片栗粉
やる気の粉
説明
敵を見つけると消化液を飛ばすか分裂する。
スキルや魔法などで、一辺に倒さなければ再現なく分裂し続ける魔物。
おお、分かりやすい魔物だな。こんなんゲームにも居たわなって感じ。
片栗粉くれるらしい。
あとやる気の粉って、なんか危ないネーミングのドロップアイテムは、一時的に力のステータスが上がるアイテムらしい。
あ、鑑定してる内に、クレープさんが土魔法でさっと倒してしまった。
「分裂スライムはほっとくと分裂して危ないから、子供達のレベル上げには向かないのよ」
クレープさんのお言葉だ。
……ていうかコイツ分裂すんのか?
……うーん、じゃあウルトラ鑑定。
場所名 西のダンジョン
説明
二時の方角に数百メートル進むと罠の隠し部屋があり、分裂スライムがうじゃうじゃいます。
あ、あった。あれこれいけるんじゃね?
「ちょっと隠し部屋見つけたんですけど」
「え、本当ですか先生」
ピンタさんがちょっと驚いてる。
ダンジョンには隠し部屋があって、貴重なアイテムとかもあるらしい。
逆にハズレの罠の隠し部屋もある。
今回はハズレの方だ。
「ちょっと考えがあるんで、行きましょう」
そしてすこし進むと、岩の壁があり、よーく見ればでかい岩が扉みたいに道塞いでる感がある場所に着いた。
これが隠し部屋か。
「ここですか先生、確かに隠し部屋ですが、罠なのでしょう?中からたくさんの魔物の音がします。これはみんなわざと放置してある隠し部屋だと思いますよ」
カワウソの聴覚で魔物の存在を感知したピンタさんが警告してくる。そりゃそうだわな、中魔物だらけなんだから誰も開けないわな。
俺は魔法の袋からゴーレムの杖を出して、スズキさんに渡す。
「?、これなに安田君?」
俺はゴーレムの杖の説明をした。
スズキさんは何となく、俺のやりたいことに気づいたらしい。
「よし、じゃあやってみて」
「え、本当にいける?そんな攻略本に載ってる効率のいい経験値稼ぎ、みたいなさ……」
名前 スズキ(地球名、鈴木義一) ♂
年齢 36
職業 異世界剣士
称号 気づいてやれなくてごめんな者
レベル 28
HP 261/261
MP 0/0
STR■■■■■
AGI■■■
VIT■■■■■■
INT■■■
MND■■■■■
DEX■■■
装備
超・木刀
金剛花綿のじんべえ
所持スキル
缶詰精製
バリア
剣術レベル3
たて斬り、横切り、面胴小手コンボ、心意の一撃
はい、いけました。
部屋の中にゴーレム送り込んで、一匹だけ残して分裂ループ作戦は見事成功に終わりました。
「なんというか、先生は我々小市民とはやり方が違いますな」
ピンタさん他カワウソ達が、みんなびっくりしてる。
まあ、ゴーレムの杖みたいの無いと不可能だし、なにより多分邪道なんだろうしな。
途中、スズキさんの急激なレベルアップによる「アイタタタタっ」という悲鳴は出たが、完全にうまくいった。
新しいスキルのバリアはバリアだった。
スズキさん以外に、絶対に破れない透明な壁をつくるスキル。
使い方によっては、かなりおっかないスキルだ。
あ、称号に管理人だかからのメッセージ来てるわ。
まあいいや、よし、次は子供組だ。
名前 ぺぺ・リバーフェニックス ♀
年齢 8才
職業 カブトライダー
種族 ニホンカワウソ族
称号 超・突撃兵
レベル 25
HP 188/188
MP 123/123
装備
突撃魔法兵装一式
古代魔法銃剣
所持スキル
槍術レベル4
一閃突き、連続突き、受け流し、突撃突き、突撃オーラ、分身突撃、エクスプロージョン突撃
水魔法レベル3
ウォーターショット、キュア、ウォールヒール、ウォーターカッター、幻影霧
調教レベル3
魔力弾(装備効果)
名前 ショコラ・グレイシードラゴン ♀
年齢 7才
職業 拳闘魔法師
種族 ミックスカワウソ族
称号 喧嘩の花
レベル 24
HP 167/167
MP 125/125
装備
自動攻撃防御機能つき水晶玉
月への旅人の服
所持スキル
水魔法レベル4
ウォーターショット、アイスニードル、キュア、シャワーヒール、ウォーターカッター、アイスランス、ウォーターウォール、氷刃水流
体術レベル3
正拳突き、肘鉄、ぶちかまし、ドロップキック
水流拳
水晶結界(装備効果)
名前 タルト・グレイシードラゴン ♀
年齢 4才
職業 杖術魔法師
種族 ミックスカワウソ族
称号 青色魔導
レベル 23
HP 135/135
MP 133/133
装備
黒鬼の杖
きのこの着ぐるみ
所持スキル
水魔法レベル3
キュア、シャワーキュア、ウォーターヒール、ウォーターカッター、クリアウォーター、アイスランス
杖術レベル4
受け流し、石割り、兜割り、回転叩き、連続突き、大回転岩盤割り
擬態(装備効果)
部屋空間(装備効果)
名前 ミカン・ホワイトブリッツ
年齢 6才
職業 湖の魔法使い
種族 ミックスカワウソ族
称号 獣族随一の癒し手
レベル 24
HP 118/118
MP 191/191
装備
銀星湖の杖
銀山鳥の白衣
所持スキル
水魔法レベル4
ウォーターヒール、キュア、ディープキュア、ヒールレイン、ウォーターウォール、アイスボール、アイスランス、癒しの深霧
杖術レベル2
受け流し、回転叩き、石砕き
水大蛇召喚(装備効果)
名前 アクゲンタヨシヒラ
年齢 1才
種類 真炎のカブトムシ
称号 超・甲虫
レベル 24
HP 303/303
MP 65/65
装備
カブトムシ用鋼の鎧+5
所持スキル
火魔法レベル3
ファイアショット、ファイアブレス、ファイアショットトゥエルブ、ファイアウォール
体術レベル4
ぶちかまし、角突撃、超・角突撃、金剛
光の鎧
巨大化
火属性吸収
名前 トゲ蔵1号
年齢 6才
職業 世界樹の苗木
称号 植物の王族
レベル 23
HP 321/321
MP 123/123
装備
結界機能つき浮遊植え木鉢
所持スキル
新緑の平穏空間
トゲマシンガン
トゲミサイル
結界(装備効果)
二日間での急激なレベルアップにより「アイタタタタっ」の大合唱になったが、みんなのレベルがこんなに上がった。
カブトムシのアクゲンタヨシヒラとトゲ蔵にも杖持たせてレベル上げやらせた。
持たせたって言うか、地面に置いてある杖の上に植え木鉢とカブトムシ乗せただけだが、ちゃんとゴーレムも召喚できた。
ちなみにトゲ蔵は、プレゼントボックスから出た植え木鉢により、飛べるようになった。
カブトムシのアクゲンタヨシヒラは巨大化して、なんとペペちゃんが乗れるようになった。
もっとみんなのレベル上げたかったが、分裂スライムの分裂も限界があるようだ。
最終的には、どれだけ待っても分裂しなくなった。
ていうかあれ?おかしいな、急激なレベルアップの痛みで、俺気絶しちゃったんだけどな、みんなアイタタタですむの?
連射機能つきのコントローラーにセロハンテープ貼って一晩放置、みたいなレベル上げだったが、これで勇者アズマ君襲来で何かあっても対応できるんじゃないだろうか。
次話は月曜になります。




