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第12話 まんじゅう無双

きりの良いところで切ったらかなり短くなってしまいました。すいません。

 さて、取り敢えず一番でかい島から治すとしよう。


 ウルトラ鑑定


場所名 マリアなんちゃらって街の一番でかい島


説明


人口二万人そこそこの島。

鑑定してないで、さっさとまんじゅうに魔法を使わせろ。


 ええ!?

 鑑定結果がずさんな上に急かされだした。

 ……なんかわかんないけど急ぐか。


「まんじゅう、どしゃぶりヒールだ。島全体いけるか?」


 リンリンリンっ。


 楽勝のリンリンリンだ。

 まんじゅうの口から大量の青い煙が吹き出して、島の上空を覆う。

 どしゃぶりだ。俺もまんじゅうもびしゃびしゃ。


「よし、次の島行くぞ」


 リンリンリンっ。


 同じ要領で二番目と三番目の島も、まんじゅうのどしゃぶりヒールを降らせた。

 あっという間だな。まんじゅうのMPは3分の1程度しか消費してない。

 すげえわまんじゅう、無双だな。まんじゅう無双。

 俺もなんにもしないのは居たたまれない気持ちになるから、一応ウルトラ鑑定もう一回やっとこう。

 また怒られっかもしんないけど。


 ウルトラ鑑定


場所名 マリアシリール


説明


三つの島のセレナ病感染者0人、潜伏患者1251人。

直ちに治癒を要する人は0人。

暗闇卿ことサイカ・ムツキの召喚獣でありこの街にセレナ病を蔓延させた魔物である黒病蝿が38秒後に襲ってきます。

注意してください。

ちなみに鑑定結果が出ない又は曖昧なのはウルトラ鑑定はスキル行使者の感情、行動指針に合わせた分かりやすく適切な言葉で表現されるからです。



 ……え!?なになになに!?

 なんか襲ってくるの!?

 38秒しか猶予ねえのに、後半で淡々とウルトラ鑑定の仕様の説明するんじゃねえよっ!!


「まんじゅう、な、なんか襲ってくるらしいぞ、気をつけろ」


 リンリンリンっ。


 襲ってくるってなにが?のリンリンリンだ。


「いや知らんよ。なんか黒病蝿って魔物だかなんだかが襲ってくるらしいぞっ」


 ……んん!?

 なんかブーンブーン的な、嫌ーな音が聞こえるっ。

 嫌な音だわー、夏の夜に聞こえたら倒すまで眠れなくなる音だ。


 ブーンブーンブーンブーン。


 んん!?すぐそこで羽音が聞こえてるのに姿が見えない。

 俺の周りをぐるぐるしてる感じがするのに。

 これはあれか?まんじゅうの魔法と同じで姿を消してんのか?


 あ、でもそれ以上近づいて来る気配がない。

 ……近づいて来る気配がないっていうか、これは近づけないんだな。

 なんか音が近づいては離れて、近づいては離れて、みたいな感じに聞こえる。

 ああ、まんじゅうのウインドウォールがあるからか。

 よし、とりあえず落ち着こう。まずは鑑定してみるかな。


 ウルトラ鑑定


名前   無し

種類   黒病蝿

称号   使い魔


レベル  23


装備

無し


所持スキル


風魔法レベル2


エアカッター、エアカッタートリプル、迷彩


疫病運び


余談


マリアシリールに疫病を広めた魔物。風魔法の迷彩で姿を消して街の上空を飛び回り疫病を広めていた。

暗闇卿の使い魔。



 えーと、お、あるわまんじゅうと同じ迷彩。

 て言うか、ウルトラ鑑定、現物見えなくても出来るのか。なにをもってして鑑定だ。

 疫病運びってまんまだな。最高にろくでもないスキルだ。


「よし、まんじゅう超越者の咆哮だ」


 まんじゅうの超越者の咆哮は威圧スキルってやつだ。

 効果はこんな感じ。


スキル名 超越者の咆哮


発動条件及び説明


自分をイケイケなテンションに持っていって、すごい大きな声を出すと発動する。

最高位の威圧スキル、レベル差があればあるほど効果がでやすい。

効果が出た場合。

相手は体が硬直し一切の身動きがとれなくなり、混乱、憔悴、スキル封印の状態異常が発症する。



「わんわんわんわんわんわんわんわんっ!!!!」


 ちなみに超越者の咆哮をまんじゅうがやると、知らない人が家に入って来た時の臆病な座敷犬みたいな声が出る。

 まんじゅうが唯一喋れる、というか吠える瞬間だ。


 あっ、黒病蝿とやらの、姿が見えた。

 でっかい蝿だわ、気持ち悪っ。

 スキル封印の効果で、迷彩使えなくなったんだな。

 あ、飛べなくなって落ちていく。

 ……ん?落ちてる途中で灰みたいになって消えた。

 何でだ?


 ウルトラ鑑定


現状説明


 暗闇卿であるサイカ・ムツキが、黒病蝿の異常を感じ取り召喚を解除したため消えた。

 サイカ・ムツキから黒病蝿側の細かな状態は理解できないが、異常位は感じ取れる。

 故に勇者ヤスダやまんじゅうの存在はまだバレていないが、無駄に高い知能指数を持つこのポンコツ王子は、レベル23の魔物を三体瞬時に倒せる存在がこの付近にはいない、そして付近に住むカワウソ族の言い伝えなどの要素から、勇者が現れたのだろうとの確信を得た。

 ヤスダが自分の正体を完全に見破っており、ヤスダの心の中でネクラヒキコモリポンコツ人間失格と呼ばれていることにはさすがに気づいていない。



 無駄に賢いネクラヒキコモリポンコツ人間失格は、俺の存在に気づいたらしい。

 ネクラヒキコモリポンコツ人間失格め。


 まあ、とりあえず流行り病問題は一応解決だな。まだ潜伏患者がいるから暫くこの街に居ることにはなりそうだなあ。

 あとはピンタさん達にこのネクラヒキコモリポンコツ人間失格のことを話すべきなんだろうな。

 一先ず馬車兼カワウソ村兼自宅に戻ろう。

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