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冷たくて儚い  作者: mikito
2/5

使い捨ての

目蓋の向こう側の光に誘われて、私は目を開いた。

「気が付いた?」

安堵と苛立ちと心配と。

様々な感情のこもった一言に、私の心はゆれた。

明るい車内に、ハンドルを片手で握る男の姿。

倒した助手席のイスに、私は寝かせられていた。

両手に握りしめたままの銃を感覚し、安堵する。

持ち上げて見ようと、手を動かした瞬間、

「応急処置しかしてないんだから、動くなよ」

私は目だけ動かして彼を見た。

確かに、体中のところどころに絆創膏、包帯、あとの小さな傷は消毒してあるようだ。

「……手間をかけて、悪いわね」

素直にそう言うと、彼はぎょっとしてこちらを振り向いた。

スミレ色と、見開かれた深い緑の瞳が、かち合った。

「何?」

「いや…別に……」

私は窓の外に視線を移した。

遠くできらめくたくさんの光が、私の心をざわめかせる。

「それよりアンタ、噂には聞いてたけど、マジで無茶苦茶だね」

「……ひとりで十分、だったでしょ」

「……じゃあ、今のこの状況は、どう説明する気なんだよ?」

私は少し、目を細めた。

窓ガラスに映る自分と、向き合う。

「私は、使い捨ての武器。それ以上でも、それ以下でもない」

エンジン音すらしない車内は、完全に静まり返った ―――


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