表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

魔法界入学試験4

 街には沢山の人がいるが、獣人が居ないことに悠人は気がついた。魔法界からの説明では、たしか共生し合っていると言っていたはずなのだが、と悠人は疑問に思い懸命に探すがどこにも見当たらない。

 本当のことを言うと、はじめに獣人と共生していると聞いたときは、ゾッとしていたが、その反面、会って見たいという気持ちも悠人にはあったのだ。


「キョロキョロしてどうしたんだ?」


 せわしなく見えた悠人にジョンが声をかける。悠人は単調に、いや、別に、と返した。


「そう言えば、私、お二人の名前しか知らないんです。自己紹介しましょう。うん。そうしよう」


 拳を振り上げて、アネ先生が上機嫌に言った。


「では、赤髪の君から」


 アネ先生が急かす。ジャンは仕方なく自己紹介をし始めた。


「ええっと、名前はもうご存知と思うので、生まれからで。生まれは、人間界のイギリスです。年は、十六歳です。好きな食べ物は、カレーで、苦手な物は、イギリス料理全般です」


「へぇ~。自国の料理が苦手なんだ。珍しいね」


 確か、イギリス料理はあんまりうまくないって聞いたな、と悠人は昔友達に言われたことを思い出す。


「他に、……好きなスポーツは、サッカーです」


「おっ、僕と一緒じゃん!」


 悠人は、中学一年から中学三年にかけてずっとサッカー部に所属していた。自分と共通のものがあり悠人は喜悦する。まさか、こんなところでサッカー仲間に出会えるとは思っても見なかった。


「先生はそんなの知らないなぁ」


「そういうことでよろしく」


 ジャンは、軽くアネ先生に会釈する。


「じゃあ、次は僕だね。生まれは、人間界の日本です。年は十五歳です。好きな食べ物は焼肉で、嫌いな食べ物は、野菜全般です。後は、好きなスポーツはジャンと同じくサッカーです。以上。これからよろしくお願いします」


 悠人もジャンと同じく、アネ先生に会釈した。


「二人ともこれからよろしく」


 二人の自己紹介が終わるとアネ先生も自己紹介を始めた。


「私も名前は言ったので省略しまーす。生まれは、魔法界のここ。魔法中央都市(セントラルマギー)です。年は、ひ・み・つ。スリーサイズも秘密です。好きな食べ物は、男です。……嘘ですよ! そんなに引かないで」


 悠人とジャンは五歩後ずさる。それをアネ先生は慌てて制した。


「アネ先生、もうわかりましたから。それよりもあれなんですか?」


 ジャンが遠くの方をみてアネ先生に訪ねた。悠人もその視線の先を追って、遠くの方を見る。

 視線の先には、周りの建物から孤立し、一つだけ作りが違う白い城が見えた。筒丈の白い棟がいくつも並びたち、それぞれのテッペンに付いた青い旗が風に揺らめいている。青い旗には何か描かれているのが見えたが、ここからでは遠くて悠人のは見えなかった。


「あれはね」


 アネ先生はもったいぶって態と一拍間をおく。


「あなた方が通うことになるであろう学校。ミリテリア魔法学校よ。綺麗でしょ」


 アネ先生が得意そうに胸を張る。悠人は学校そっちのけでアネ先生の胸を凝視する。ジャンは、これがオレの通う学校、と誰にも聞こえない声で囁いた。


「そろそろよ。あなた方のこれからの宿が見えてくるわ」


「そう言えば。どんな人なんですか? オレ達と組むことになる人は?」


「そんなに急かさない。宿についたらわかるわよ」


 アネ先生は人差し指を自分の口に押し当てる。悠人は兎に角、男じゃないことを祈った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ