魔法界入学試験3
呆れ顔のジャンは前の愉快爽快のアネ先生を見据える。ジャンにはなんとなくだが、アネ先生がただものではないことだけが分かった。
「それでは、皆様、長らくお待たせしました。セントラルマギーに到着です」
アネ先生は声に合わせてくるりと回る。悠人には何がそんなに楽しいのかわからなかった。
窓の外を悠人は見て、驚いた。アネ先生と同じ黒いローブ着た人がずらりと駅のホームに立っていたからだ。
「窓から見えるあの方々はこれからあなた方が通う学校の先生達でーす。魔法電鉄を出たらしっかり挨拶しましょうね」
皆はアネ先生に返事を返すことなくあっけらかんとしていた。ホームに黒ローブのを着た先生方がいるのは、異様だなと悠人は思った。
「それでは私が呼ぶ順番に魔法電鉄を出てください。ちなみに。皆さんの手荷物は、先生方が持ってくれます」
アネ先生は、二人一組みで名前を読み上げていく。出ていく二人生徒は、外にいる生徒に連れられて駅舎をを去っていく。
悠人とジャンの名前が最後に読み上げられた。
「ユウト君とジャン君は、私に追てきてね。あと、手のもつ貸してください」
悠人とジャンは言われたとおり、教科書の詰まった重たいカバンをアネ先生に渡す。
一人では、どう考えても重たいよなと悠人は首をかしげる。悠人の分だけでも重たいと思ったのに、その上ジャンの分をもつとは、もしかしてアネ先生は力持ちなのか?
渡した荷物を前に置くと、人差し指をアネ先生はピンと立てた。
「よく見ておきなさい。これがあなた方が初めて見る魔法よ。『上昇』」
呪文を唱えるとアネ先生の前に置いてあるカバンがゆっくりと浮き上がる。
悠人とは初めて見る魔法に目を見張った。ジャンもその光景をじっと見ている。この時、ジャンと悠人は初めて魔法界に来たのだと実感することが出来た。
アネ先生は、そんな二人を見て、ふふっ、といたずらっぽく笑う。
「どう。テンション上がった?」
二人は、顔を一旦見合わせて再度アネ先生の顔を見て頷く。アネ先生は、それはよかったです、とニンマリとした笑顔を向けた。
「では、駅舎をでましょうか。序にこれからの予定についても話したいと思います」
アネ先生を含めた三人で駅舎を出た。
「まずは、今から二人が住む下宿所に向かいます。そして二人はこれからパートナーとなってもらいまーす」
「パートナーって?」
ジャンがすぐさま食いつく。
「これから、同じ部屋に住んでもらういうことです。後、学校の特別授業の場合も組んでもらいます」
特別授業って、と聞こうかと悠人は思ったが、そんなことを一々聞いていたら話しが進みそうもないので、飲みくだすことにした。
「二人はまだわからないことが多いと思います。けど、どうぞご安心を。この魔法界に住んでいる、うちの学校の生徒一人が支えてくれるようになっています。まぁ、つまりですね。
あんた方二人と経験者一人のスリーマンセルを組んでもらうということです。」
経験者ねぇ、まさかそれも男か、と悠人の頭の中では思考力が違うところで使われる。
「それにしても中世のヨーロッパみたいなところだな」
周囲を見てジャンが呟いた。悠人それに便乗して、確かに、と周りを見る。田舎の日本みたいな茅葺があるのかと思いきや、レンガの家や木造建築の普通の家がある。さすがにコンクリートが使われている家はないが。




