魔法界入学試験1
どうして選ばれたのだろうか?
日本生まれの象徴たる、黒い目と髪を持った少年、中井悠人は再度考えていた。まだ、ここに来て一日もたっていない。
現在悠人は、一世代前のトロッコ並みのスピードで走る魔法電鉄に乗っていた。
ここは魔法界。悠人は、交換留学に選べれて魔法界に来ていた。
交換留学とは、魔法界に行きたい志願者の中から魔法協会に選ばれた百名のみが魔法学校に行けるのだ。
悠人が交換留学に志願したきっかけは、ごく単純なものだった。魔法の世界に行ってみたい。ただそれだけだった。
人間界の学校での先生からの評価と言えば、悠人君はなんにでも前向きでチャレンジ精神が旺盛です。と当たりざわりない評価をいただいている。
だからこそ、どうして選ばれたのかがわからなかった。
もちろん。友達にも魔法界に行けることは自慢したし友達もやっかんでいた。悠人もそれで舞い上がり浮かれていた。
魔法界に行くのに一番の生涯は親となるが、悠人にはその親がいなかった。
そういうわけもあり、すんなりと魔法界に来ることができた。
で、今こうして魔法学校の先生に引率されて悠人と、他の九九人の生徒が魔法電鉄に乗っている。
悠人は溜息を吐く。たかが、魔法界と人間界がつながって約五十年程度。窓越しに見える風景は地平線まで見える莫大に広がる草原だけ。
悠人は泣きそうになった。魔法界は日本の田舎に類似している。というか、全く変わらなかったからだ。こんなところに来るなら、都会の街で遊んでるほうがよっぽどよかった。
周りを見渡すと、悠人と考えが同じそうな生徒やまだ目に輝きが残っている生徒もいた。これからこの百人の生徒は、同じ学校に通うのだ。
住居や飯は、魔法協会から提供される。この状況下でそれが一番の心配だった。
今は、人間界の科学者のおかげでなんとか日本の田舎にまで発展したが、そうすると住む住居までが日本の田舎程度となってしまう。
そして最たる心配にあたるのが食事である。もともと、人間界と魔法界は異文化である。食べ物だってきっと違う。
魔法協会からはあらかじめ簡単な魔法界についての説明を受けていたが、食事の話しはでなかった。その最中に悠人の目を引いたのが魔物及び獣人の話しであった。
魔物とは、魔力を持つ動物である。獣人も魔物とさほど変わらないが、あえて魔物との違いを挙げるとすれば、人間(ここでは、魔法界の人間を指す)と共存していること。
悠人はこれからの生活に改めて不安を覚えた。
そうは考えるものの今の悠人にはどうすることも出来ないのが現実である。仕方がないので魔法鉄道に乗っている間、魔法界から貰った教科書を読むことにした。
『二世界の成り立ち』
XX892年、我々の世界の他にもう一つの世界を発見した。発見者は、世界で有名な賢者の一人である『ラグナル・ベル・ミスカス』である。
彼は独自の魔方陣を組み合わせにより異世界を発見することが出来た。これにより『風襲水晶部隊』を派遣して異世界へと向かわした。これはxx895年のことである。
ここからは、オルカーン部隊隊長による報告である。
「なんだ。この棒の世界は!?」これが、初めて人間界で漏らした言葉だそうだ。後に分かったことだが、初めて来た場所は東京であった。見たことのない物が走り、オルカーン部隊はすぐに引き上げました。
何遍か目でやっと人間たちも我々の存在に気づき、そこからは早かった。アッという間に世界のアメリカの大統領ら首脳陣と会談へとこぎ着けることが出来た。
「すっげぇ。もう勉強してんの?」
悠人声をかけられて我に返った。横を向くと、ハーフと思われる男が悠人の教科書を覗き込んでいた。
「……暇だったから読んでいただけだよ」
出来るだけ愛想良くと悠人は思って無理矢理笑みを作る。




