表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
職業天使。  作者: karigyura
1/4

プロローグ ~天使40042760510号の生前軌跡~

〜プロローグ〜

○天使40042760510号の生前軌跡○







東京の真ん中で生まれて。



小中高と親に大事に育てられ。



有名大学に入り、有名企業に就職するはずが。



何故だか家庭の金銭事情で安いアルバイトに行かされ。



結婚して幸せな家庭を築くはずが。



見合い結婚した妻には尻に敷かれ。



今度こそきちんと就職した会社のエリート部に配属されるはずが。



上司の身勝手な人事異動で夢に終わり。



残業帰りに少し居酒屋に寄ったはずが。



気付けば飲みすぎて寝入って深夜をまわり。



家に帰れば鍵どころかチェーンまで掛かって入れない始末。



結局朝まで玄関で放置され。



中に入れてくれたはいいものの。



妻の第一声が「あんた、どうせ若い女と酒飲んでたんでしょ」。



そんなはずないのに。



ただ居酒屋でイロイロと発散してただけなのに。



勘違いだらけの妻の妄想。



いらいらいらいら。



ストレスで酒まみれの生活がしばらく続いて。



いらいらいらいら。



つい深酒してまた帰るのが遅くなって。



するとある日突然。



目の前に白い紙が。



…『離婚届』。



妻の名前と、赤いしるし。



…離婚?



そして彼女の言葉。



「好きにしていいから。実家に帰るね。出しといて」







俺は悪くないのに。



妻は自分勝手だ。



自分の被害妄想を押し付けているだけだ。







俺はその忌まわしい紙切れをしばらくの間睨んでいた。



でも。



すぐ傍に置いてあった万年筆で名前を書き。



自分の捺印を押す。






後悔はしたかもしれない。



自分の行動に。



その証拠に俺は。



しばらくその紙切れを役所に持って行けなかった。










数日後。



会社でパソコンをいじっていたときに。



ふと。



俺は決心した。



やっぱりちゃんと持って行かないと。







いつもの帰りの時間だと役所が閉まっているので。



今日は早めに職務を切り上げた。



乱雑にまとめられた仕事の資料と。



あの紙切れが入った鞄を抱えて。



会社を出て。



いつもの交差点を曲がろうとしたとき。





ずきんと。



腹の辺りが痛んだ。



…あれ?



視界が急に反転し。



痛い。



痛い。



なんで。



どうして。



なにがあった。



ただ腹部が疼くように痛い。



段々と視界がぼやけてきて。



周りの人たちが騒ぐ声や。



大丈夫かと声をかけてくる人の声も。



なにもかも分からなくなっていて。






ただそんな中で。



俺は心の底から思った。



ああ。



離婚。



しなくて済むのかもしれない。



よかった。



よかったなあ。



そう思う自分を振り返ってみると。



愚痴を叩きながらも。



嫌味を言われながらも。



なにかと面倒を押し付けられながらも。



俺は妻を。














心の底から愛していたのかもしれない。















死んでもなお思う。









離婚届を出さずに済んだと。








自ら夫婦の仲を解くことがなくて良かったと。






前にも増して文章力ダウンしますた←


しがないリーマン天使の活躍をとくとご覧あれっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ