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地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!  作者: あざらし かえで
第四章 私たちが歩む道

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71.一時の休息

 私のことまで言われるとは思ってなくて、なんだか心臓がバクバクする。

 説明するとは言ってたから分かるんだけど……ここまで丁寧に説明されるほどのこともしてないし。

 私もよい経験になったし、できればこれからも働きたい気持ちは変わらない。


「以上、終了します」


 社長が笑顔で言い切ると、シンと静まり返る。

 何か言いたげな人も、結局何も言えずに退席していく。

 ぞろぞろと全員が出て行ったところで、社長がパソコンのカメラの前までやってきて笑顔で手を振ってくる。


「終わったよー。ことりちゃんもお疲れ。今、そっちに行くね」

「いちいち言わなくていい。回収するぞ」


 やや疲れた声の秦弥さんが、パソコンを落としてしまうと映像も消える。

 私は椅子の背に寄り掛かって、ゆっくりと息を吐き出す。


「何もしてないのに、私まで疲れた……」


 ぼんやりしているとドアが開いて、社長と秦弥さんが帰ってきた。

 私の体勢を見られてしまって、社長にすぐに笑われる。


「ことりちゃん、どうしたの? 見守ってくれてたんでしょ」

「笑わないでくださいよ。いきなり真面目な声で私の名前を出して説明するから、緊張したんです。真面目モードの社長は慣れなくて変な感じですし」


 私が言い切ると、ひどっ! というおどけた声が返ってくる。

 秦弥さんは分かりやすく長い息を吐いて、呆れた顔を社長と私へ順番に向けた。


「気の抜けた会話をしてる場合か。この後に何か言ってくる者も確実にいるだろう? もう少し気を引き締めて取り掛からないと。まだ就業時間中だ。戻るぞ」


 パソコンを抱えた秦弥さんに促されて、私もゆっくりと立ち上がる。

 社長が私の目の前に置いてあったパソコンを回収して、私は余った資料を机の上から集めて抱える。

 一仕事終えた感じの空気の中、扉を開けて待っていてくれる秦弥さんにお礼を言って部屋を出て三人でエレベーターへと向かった。


 +++


「最初はこのフロアに来るのが不安でしたけど、最近はむしろ落ち着きますね。戻ってきたって感じで」

「そうだね。でも、このフロアともお別れになるからね」

「今度は別の場所に移るからな。この景色も見納めだな」


 社長室に戻ってきた私たちは、少し休憩したいという社長命令で私はお茶を入れるために給湯室へ、二人は先ほどの会議の映像を眺めて会議室に来た人たちの反応を見ているみたい。

 

「お茶で良かったんですよね」


 二人の前に湯のみを置いていく。

 珍しく日本茶が飲みたいと言われて、緑茶を入れた。

 私もお茶にしたので、社長のデスクの上に静かに置かせてもらう。


「ありがとうー。たまに飲みたくなるんだよね、緑茶」

「まあ、気持ちは分からんでもないな」


 パソコンの画面を覗き込んでいた二人が、私を見て笑顔を向けてくれる。

 違うタイプのイケメン二人に笑顔を向けてもらうと、普通に嬉しくなって私も笑顔を返した。

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