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地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!  作者: あざらし かえで
第四章 私たちが歩む道

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67.次に向かうところは

 ショップに足を踏み入れる。

 中にも見ている人はいるけど、少しお高めのお店だから人はまばらだ。

 でも、シックな色使いが多いし秦弥さんが着ても似合いそうなものが多い。


「何か試着します?」

「いや、特には。折角だしお勧めしてくれたデニムは買うつもりだが」

「いいと思いますよ。でも、それなら余計に試着しないと!」


 私はサイズを聞いてから、秦弥さんに渡して試着室へと押し込んだ。

 店員さんからもオッケーをもらったし、私は近くで上に合わせるのも何かないかなと店内をのんびり探してみる。


「お客様、いかがですか?」


 女性の店員さんが声をかけると、着終えた秦弥さんがカーテンを開いた。


「良かった。スリムすぎると筋肉ありそうだから入らないかなと思いましたけど。いい感じですね」

「ああ。丈も丁度いいし、着心地も悪くないな」

「身長も高いですし、何を合わせても似合うと思いますよ」


 今着ている服でも合うくらいだし、黒だから単純に白のシャツで充分カッコイイはず。

 皆で納得したので、このデニムはお買い上げすることになった。


 着替え終えた秦弥さんがカードで会計を済ますと、私の元へと戻ってくる。


「風音は何か買わなくていいのか?」

「私は大丈夫です。一目ぼれしたら買うかもしれませんけど」


 店員さんに見送られて、ゆっくりと外にでた。

 他にも化粧品や小物を売っているお店を覗いたりしたけど、特に欲しいなと思うものは見当たらなくてのんびりと見て回る。

 でも、一緒に見て回るのが新鮮で。

 普段ショッピングモールに来ないという秦弥さんを連れ回していることが、一番楽しい。


「はー……いっぱい見て回りましたね」

「本当に何も買わなくていいのか?」

「一緒にいられるのが楽しいから、なんだか満足しちゃって」


 私が笑顔で言い切ると、秦弥さんも無理強いするつもりはないみたいで、そうか、と笑顔を向けてくれた。


「普段は百貨店かネットで済ませることが多いから、私も新鮮だ。一緒に回るというのも楽しいものだな」

「そう思ってもらえることが一番嬉しいです」


 時刻は夕方に差し掛かってきて、少し日も落ちてきた。

 今日はこのまま帰ってもいいし、どこかに移動してもいいけど……カラオケじゃない気がする。


「一通り見て回ったし、この後は特に何も決めていないのだが」

「そうですよね。なんだかお腹もいっぱいだし、帰るには少し早いですけど……」


 一旦駐車場まで戻ってきて、車の中で話し合いを始めたもののいい案がパッと浮かばない。

 車を走らせてもらってドライブでもいいんだけど、ゆっくり話したい気もするし。

 でもお腹はまだ空いてないから夕飯って感じでもない。


「そうだな……嫌じゃなければ私の家にでも来るか?」

「え? あ……ええと、嫌ではないですけど。その……」


 お家デートって言うと、一応準備した方がいいのかなとか考えちゃうけど。

 夜も一緒に過ごしてお泊りとか……ではないはず。


「すまない。変なことを言ったな。女性にとってはハードルが高いということを失念していた」

「いえ! 嬉しいです! けど、そのつもりじゃなかったので準備していないと言いますか……って。私も何を言っているんでしょうね? あはは」


 笑って誤魔化したけど、二人の間で妙な空気になる。

 別に付き合っているんだから、何を今更って感じだけど。

 やっぱり緊張しちゃう。

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