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地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!  作者: あざらし かえで
第三章 自分のこと、これからのこと

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48.気になって仕方ない

 氷室さんに後押ししてもらって、心は決まった気がする。

 おかげで気持ちがスッキリとしてきた。


「氷室さんが後押ししてくれたから、私もう決めました」

「そんなにすぐに決めていいのか?」


 私は頷いて笑いかけた。

 

「私はこれからも私の人生を歩んで行きたいです。勿論、家族がいてくれれば心強いけど……やっぱり、今の生活が性に合っているから」


 氷室さんは私が話す間も真剣に私を見てくれていた。

 最後まで聞いてくれた後、小さく頷く。


「そうか。君らしい選択だ。私はその意思を尊重するよ。うまく言えないが……また落ち込むことがあったら、いつでも声をかけてくれ」

「ありがとうございます。何だか、最初に厳しく言われたのが嘘みたいですよね。もっと他の人にも優しく接すればモテそうなのに」


 ウインナーコーヒーを飲みながら、自然に言ったつもりなのに。

 何故か氷室さんの動きが止まる。


「正直に言って、君以外の女性と仕事のこと以外で会話することが少ないから、比較にならないかもしれないが。私は小鳥さんだから気になっている……と思う」


 氷室さんは珍しく、妙に歯切れの悪い口調で呟いた。

 私だから気になるっていうのは……どういう意味で?

 ……ここまで来たら、もう一歩踏み込んで聞いてみよう。


「それは上司だから……ですよね?」


 聞かなければいいのに、聞いてしまった。

 氷室さんは少しの間、考え込んでから私と目線を合わせる。

 その真剣な表情から、目を逸らせない。


「勿論、それもある。だが、それだけじゃないのかもしれない」

「それって……」


 先が気になってしまう。

 胸がざわついて仕方ない。


 でも、嫌な感じじゃなくって。

 少し期待してしまうような、そんな感じ。


「私は少なからず君に好意を持っているみたいだ。特に悩んでいる小鳥さんを見ていると、どうにかして手を差し伸べて力になりたい」

「嫌われていないのは、嬉しいですけど……それに、色々と助けてくださってますし」


 この先を聞いて私が期待している答えと違っていたら、少し怖い。

 私も最近氷室さんと過ごす時間が、嫌じゃなくなっているし。

 出生の話がきっかけで、距離感が縮まったのは確かだけど、あくまで心配しているだけ、かもしれないし。


 私が一人緊張していると、氷室さんが静かに口を開いた。


「うまく伝えられなくてすまない。正直、私も分からない。だが、海音と小鳥さんが本当に婚約しなくて良かったと安堵した」

「そう、なんですか?」

「ああ。だから、これからも君のことを支えてもいいだろうか? 君のことを放っておけない」


 支えても、って……側にいてくれるっていう意味で?

 上司としての優しい気遣いなのか、それとも上司と部下とは関係なく、私個人への好意なのか。

 緊張するけど、私から突っ込んで聞いてみよう。

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