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勝手に魔王認定された魔女は勇者に魔力を奪われたので取り戻すために旅をする~なお500年経っても魔力は戻っていない~  作者: 山岡桃一


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魔導衣服は難しい

 旅を続ける上で衣類に求めることは『丈夫なこと』だったが、それは昔の話。

 現代ではカジュアルな衣服でも魔術さえ施せば、旅はもちろん探検や登山、戦闘だってできる。

 そんな魔導衣服は使用目的によって値段はピンキリとなっており、当然丈夫であればあるほど値段は上がる。

 それこそ富裕層が着用するような質のいい服と同等以上の値段となり、一般庶民には手の出せない値段となる。

 まぁそこまでいくとほぼ戦闘用になるので、一般庶民には関係ないレベルではあるが。

 その一般庶民が着用するレベル、例えば覗き見防止魔術が施された魔導衣服なんかは、流通量もかなり増え、値段もだいぶ抑えられるようになってきた。

 その中でもたまに見かける激安品に迂闊に手を出すと、術式がちゃんと組まれておらず、覗き見防止魔術が半分しか機能していないこともあるので、あまり安すぎるのは要注意だ。

 ちなみに魔術を付与するのは違法ではないので、そんな激安品を購入して不足した術式を補う人も少なくない。

 ただ初心者が行う魔術付与は、やはり専門業者に比べれは精度は劣るし、下手すれば衣類の素材に変な干渉を起こす。

 結果、逆に脆くなることもあり、少し引っ掻いただけでも衣服が四散し、街中で真っ裸になる。

 とまぁ、衣類の魔術付与は意外と難しく、術式の組み込みに不安がある人は手を出さないほうがいいだろう。

 だが、この美少女魔導研究者である私にかかれば、子供の小遣い程度で買える衣服であっても、高級品と同等かそれ以上に仕上げることが可能。

 というわけで、この首都でもお手頃な価格で衣服と下着が購入できるアパレルショップにやってきた。

 まずはアリスの下着から。

「アリス。気に入ったものはあるか?」

「えぇと……数が多過ぎて……」

 たかが下着。しかしデザインの数は無数と言っても過言ではない。それにここは下着専門店ではないが、種類は豊富。

 今まで興味を示さなかったアリスでは、好みを見つけるのも大変だろう。

「では今回は私がアリスに似合いそうなものを選ぶが、次からはスマホなどで色々と情報を得て、これが欲しい、これが可愛い、というものを考えておくんだ。

 それと、必要ない、という答えは却下だからな」

 アリスが必要ないとかいいだしたら、私はどうなるんだよ? というわけではなく。

 貧乳をバカにする愚かな脳みそしか持ち合わせていない男にはわからないかもしれないが、貧乳であっても必要なものは必要。

「わ、わかりました。勉強しておきます」

「よし。それじゃぁ……」

 採寸は昨夜の健康診断時に行っていたので、あとはアリスのイメージに合いそうなものを数点、そしてデザインはできるだけ違ったものを選ぶ。

 これで今後、アリスは無意識にでも好みのものを着用するようになるはずなので、選ぶ方向性を見出せる。

 次に、一応店員にはフィッティングは私が大なうので何かあれば呼ぶ、と伝え、いざフィッティングルームへ。

 カーテンを開けると、二人は余裕で入れる広さに、荷物を置くスペースもちゃんと確保されている。

 ではまず、アリスに服を脱いでもらい……

「失礼します」

「……用があればこちらから呼ぶと伝えたはずだが?」

 アリスに合わせていたところ、いきなり店員……っぽい人が入ってきた。

 普通の店員なら、まずは外から声がけするだろうし、そう伝えている。

 ただの同性を狙った、もしくは女装した変態犯罪者か、あるいはこれがこの店の本来のやり方で、先ほどの店員に言ったことが伝わっていなかったのか。

 現状判断がつかないので、一応話だけは聞いてやり、怪しい動きを少しでも見せたら、その眉間に魔力弾を打ち込む用意はしておく。

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