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勝手に魔王認定された魔女は勇者に魔力を奪われたので取り戻すために旅をする~なお500年経っても魔力は戻っていない~  作者: 山岡桃一


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強欲

 遺産……遺産かぁ……でもこのジジィ、どう見てもまだまだ逝きそうにないよなぁ……

 毒を盛るなら、毒効果のある魔法を使用すれば物的証拠がない分、上手くやれば犯人だとバレることはない。

 特に魔女狩り相手に毒を盛るのだから、細心の注意が必要になる。なお下手な奴は魔力を探知されて即バレる。

 ただ継続的に魔力を使用しているので、相手を死に至らしめるまで魔力が戻ってこないことが最大の欠点だ。

 魔力を無駄に使用したくない私にとっては、あまり現実的な方法じゃないんだよなぁ……

 でも遺産……貴重な魔術かぁ……

「ワシは齢90になる。お迎えはもうすぐじゃろうて」

 私を愛人にするため、逝きそうな高めの年齢を言ってないだろうな? どう見ても90歳には見えず、70歳後半かと思ってた。

「そんなワシに若い頃の夢の続きを見させてくれるのなら、ワシの財産など安いものよ。

 特に魔術関連は魔女狩りを行うために必要だっただけであり、引退した今は使用しとらんかのう。

 飾っとるのは美術品と同じような扱いじゃしな」

 それはわかる。魔術は使えればいいというものではない。見た目が伴ってこそ、名器と言えるのだ。

「なら魔導研究者であるお前さんに譲った方が有意義じゃろうて

 なんなら前払いとして、この屋敷にあるものの内、いくつかは譲渡しても構わんが?」

 ……ふぅむ……それなら無駄に毒を盛る必要もなく、前払い分だけもらって逃げる、が正解か。

 その直後、なんらかの事件に巻き込まれて死亡した、とでもしておけばいいけど、身分の変更とかちょい面倒だな……

 それでも貴重な魔術には変えられないか。ちょっと時期が早くなったと思えばいい。

 あとは魔術の選定中、いかにしてこの超性欲のジジィから逃れるか。

 一番簡単なのは幻覚魔術を使用し、あとは穴の空いた木でも用意しておけば、勝手に腰を振っているだろう。

 飴玉魔術はいただくとして、できれば3日ほどで選定を終えて逃げ出したいところ。

「おじいさん! ルシアさんは僕の妻となる人ですよ!」

 おっと。ストーカーの存在をすっかり忘れていた。ジジィに取り入れば、未熟なライセルは用無しだな。

「心配するな。ワシは、愛人、と言ったのじゃ。夫の座はお前で良い」

「なるほど!」

 ……こいつらの倫理観、どうなってんの? 家族間で輪姦すつもりなの?

 魔女狩りの、特に下衆い方は捕えた魔女相手にヤってたって話を聞いたことがあるけど、本当だったんだな。

 しかもそのほとんどは罪のない一般女性という、地獄に堕ちても許されない極悪行為。

 とっととくたばれ。このゴミクズどもが。

「もし迷っとるようじゃったら、一度倉庫を見てみるか? その方がお前さんも決めやすいじゃろう?」

「ぜひ」

 ……つい即答してしまった。私も欲には勝てないなぁ。魔導欲。

 警戒心を持てぇ、警戒心を。先ほどのように緩ませてはダメだぞ……絶対……でも貴重な魔術を見たらちょっと自信がないのが本音。

 あとは倉庫という密室に連れていかれるわけだから、罠に気をつけないと。

 それが性浴を全開にした器具なのか、あるいは魔女裁判器具なのか……


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