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新たな一歩

やっほーみんな!ゼラスだよ〜!この子アイナっていうんだ〜可愛い名前だね。

でも今日で覚えている人はいなくなっちゃう!悪魔は感情を餌に生きていく生き物さ。


感情は人の記憶が詰まっている場所でね、それを僕達悪魔は食べるのさ。するとどうだろうか?wその記憶は俺に取り込まれて養分になる。記憶なんてものは何も残らないのさ。


だけど、アイナちゃんの意識はちゃんとあるんだ。僕の体の中で大切に大切にかわいがってあげる。


今まで受けた仕打ちを全部なかったことにするような、自分が頼られて誇らしくなるようにね………


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


―――私はリーナ。ミウ様の従順なるメイドです。ブルーに悪魔が現れて、討伐へ向かった後無事帰還し、撃退に成功したとのことです!(ミウ様ほんとすごい!)


その後、この件は国王様の耳にも入り、直接お礼をしたいと招待を受けました。しかし、ミウ様はここしばらく部屋に引きこもっており、全く出てこようとしません。

疲れているとおっしゃっていたので長い休憩を取っているのだと思われます。

なので、招待には理由を添えてお断りしました。国王様もこのお断りに応じてくれました。


「こんばんは〜?ミウさんはいますか?」


あまり聞き覚えのない声がしますね。一体誰でしょうか?


「はい?どちら様ですか?」


「学園1年のアレスです。ミウに稽古してもらおうと思って…」


「アレスちゃんね。ミウ様は今、部屋にこもってて、数日間出てきていないのです。あっ!せっかく来てもらったし、お茶でもしてく?」


「良いんですか?ありがとうございます!」


誰かと思ったら、アレスちゃんか!声変わりしてて気付けなかったな。青年の成長は早いというものですね。レモンティーか、アップルティーしかない……両方用意しちゃおうか!


「おまたせ〜料理は上手じゃないって言われてるからあんまり美味しくないと思う。美味しくなかったら飲まなくていいからね。」


「そうなんですか…では、一口………うん!美味しいですよ!」


「ほんと!?よかった〜」


「それでなんで、ミウは部屋に引きこもっているのですか?」


「先日、悪魔が現れたというのは聞きましたか?」


「はい。無事撃退されたと聞きました。」


「あのとき、ミウ様も参加していてそれで疲労してしまい、部屋で長い間休んでいるんじゃないかな?と思います。」


「ミウも参加していたんですか!!!?」


「そうなんです!それに悪魔がここに現れて、大変でした。どうして現れたのかがわからないのですけどね…」


「普通悪魔は人間の感情に反応し、その人と契約の交渉をします。なので、必ず媒介となる人間が必要になるのでしょうが、そのような人はいましたか?」


「うーん……全く身に覚えがないなぁ〜泥棒でも入ったのかな?」


「そうですか……ミウに用があって来ましたけど、そんな状態では相手してもらえなさそうなので、今日はこれで失礼させてもらいます。」


「最近姿を見せなかったけど、どうしたの?」


「自己鍛錬を続けてました。お陰で、剣術の成績は学年で1位です!」


「すごいね!またいつでも来ていいからね!」


最期にニコッと輝かしい笑顔を見せて帰っていきました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「アイナごめんね。」「本当にごめん。」「ごめんなさい。」「ごめんなさい。」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい。」


アイナ………


あれ?アイナって誰だっけ?

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ミウ様が部屋に引きこもって一週間が経ちました。部屋のドアノブは魔法で固定されていて、開けることができません。

部屋の前に食事を置いても、何も変化はなく、こもっている間、一食もしていません。

疲れているといえど、流石に心配になってきます。


ガチャ……


二階からドアが空いた音がする。まさかと思って、階段を駆け上がる。階段を登った先、一人の少年の姿が目に入る。


だけど、その姿は整然としているが、顔の表情は引きつっている。

何かをなくした、奪われた喪失感。大切なものを失ったように、心に穴が空いたかのような失踪感。それ以上に守れなかった後悔。

それを全部上書きするような、無駄に空いた記憶のスペースを自分の知らない何かで埋め立てられている。その支配されている状態に怒りの感情が募っている。


関わりのない人から見ればただただ絶望しているように見えるが、リーナにはすべてわかる。数年という長い年月をともにしているのだから。


「リーナ……あいなって奴知ってるか?」


「いいえ……全くわかりません…」


初めて知った単語を使う様にその名前を言った。私にだってその名前を知らない。生まれてから今までその人の名前を聞いたことがない。でもミウ様はなにか知っているような……そんな感じ。


「ちょっと外歩いてくる…」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アイナが連れ去られて数日、ゼラスに嫉妬の感情を食べられ記憶共々食べられた。そして、ミウたちのいる世界に”アイナ”という人物を覚えている人は覚えていない。

そう…”覚えている人はいない”―――



あいな……不思議な事にこの名を呟いた。誰なのかはわからない。だけど、かすかに残っていた喪失感、失踪感、後悔、心残りの感情が俺の心の中を漂っていた。

その感情から推測して、大切な人だったのだろうと思う。

そこまでは良いのだが、俺の記憶に黒いモヤが一部かかっている。モヤではっきりとはわからないが、具現化していて、俺の記憶として残っている。

違和感としては無いが、俺の記憶なのか?と思うような節目がある。

記憶の前後をたどると、明らかなおかしい部分がある。


―――出会いは、崖の上で出会った。そこから共同で生活し始めた。でもある日突然、「家を出ていく」と言って、本当にブルーを出ていってしまった。しかし、その日の夜にその彼女の部屋から嫉妬の悪魔”ゼラス”が現れた。その後、撃退に成功し休息のために部屋へ引きこもった。―――


不可解な点は2つ。

記憶の中の出会ったその人物の名前がわからない。共同で生活いているのであれば、必ず名前を知っていてもおかしくはない。それなのに知らない。


2つ、悪魔は人の感情を媒介に顕現するということ。誰もいない部屋の中から突然現れるということは絶対に有り得ない話。


だから、この記憶はゼラスによって、作られたものか書き換えられたものだと推測できる。

端的に言う―――”気色悪い”


俺は、あいつを絶対に許さない―――


―――その頃ヴァレンタイン城内では――――――――――――――――――

「レッド、お主も記憶が書き換えられているか…」


「他者の記憶が写し取られ、そのまま埋め込まれているようです。」


「創作記憶の元ができれば、あとは写し取って埋め込むだけじゃからの…」


ゼラスほどの悪魔になれば、記憶を残して感情のみ味わうこともできたはずじゃ……どうして記憶共々味わう必要があった…?ヤツのことじゃ、欲しいものは必ず手に入れる……なにもないはずがない。

事態は深刻……ミウと先に連絡を取り合った方が良いじゃろう…


〈ミウ、お主に連れ去られた少女の記憶は残っておるか?〉


〈いや全く残っていない。黒いモヤみたいなものがかかってて、無理やり現在と俺の中にある記憶がつながっている。不思議な点が多くて、俺の記憶か?って疑いたくなる。〉


〈どう言ってやるのか正しいのかわからぬが、それはお主の記憶ではない。ゼラスによる創造記憶じゃ。話がある。こちらへ来てくれぬかの?〉


―――創造記憶:とある記憶を食べることにより、その記憶の所有者についての記憶を他者にまで影響を及ぼせる能力。しかし、影響を及ぼせるのは所有者についての記憶までである。

他者に影響を及ぼすとき、所有者との記憶の代わりとなるものが必要となり、その記憶を創造することを

”創造記憶”と呼ぶ。


「話ってなに?」


「ゼラスについてじゃ。お主も薄々気づいておるようじゃが、我々に深く関係していた者がゼラスによって連れ去られた。じゃが、妾たちにはその人物について記憶創造された痕跡が少ない……」


「俺も出会ったのが数月前になっている。記憶を作り変えられた箇所も少ない……そこまで親しい仲じゃなかったんだって推測できる。でも家を出ていくってなったとき、最後悲しそうに笑っていたような……」


「お主の記憶はかなり大きく作り変えられているようじゃ。所有者にとって根強く残っている人物ほど、想像するのは難しい…故、黒いモヤなどでごまかすしか無い。」


「でもなんで最後の作り変えられた箇所はわかるんだ?」


「嬉しいなどの良い感情が芽生えた記憶は創造しにくいが、嫌だなどの悪い感情が芽生えた記憶は創造しやすい。これに従うとな…」


「何かしら嫌な感情が芽生えたっていうことか……」


「創造記憶は、完全に独立して想像されることはできぬ。故、元の記憶に基づいて想像される。つまりは、元の記憶をおおよそ予測できるということである」


「じゃあ、最後の笑みは嬉しい意味での笑みじゃないんだな……だから、”ここにはいられない”と思って出ていったのかな……?」


「まあ、そういうことになるな。じゃが、おおよその記憶が戻ったであろう?」


―――数ヶ月前、とある人物と出会いお互いに暮らし始めた。リーナや、ブランなどとも一緒に暮らしていた。しかし、とある日に軽く微笑んで家を出ていき、その夜に嫉妬の悪魔:ゼラスが現れた。


「と、まとめるとこうであろうな。それに嫉妬の悪魔が現れたということは、身内の仲間に嫉妬した可能性が高いであろう…」


「それで、ここにはいられないって思って出ていったのか……俺がもう少し面倒見たりかまってあげたりしていたら、こんな事にならなかったかもしれないのに……」


「そう落ち込むでない。人の感情ほど読み取ることが難しいものはない。それに人生に正解など無いわ。少しの間、深く考えるのはやめてみたほうが良いであろう?次に何をするべきかを考えればよかろう」


「…………確かに、少し気が楽になったよ、ヴァレンタイン。情報収集が終わり次第、復讐へ行こうかと考えていたけどここは控えるべきだね。」


「早とちりは損しかせぬ。それに、連れ去られた者は無事であろう……奴ら悪魔は精神生物、奴らの世界で物体に影響を及ぼすことはできぬであろうからな。復讐するのであれば、こちらの世界に再び現れたときのみであろうな。」


「こちらから迎えに行くのは駄目なのか?」


「行ってはいけないということはないが、通常の人間の精神力では耐えられない世界じゃ。行っても精神が破壊されるだけ破壊されて戻って来るだけであろうな。」


「奴らが再び現れるのは何時頃か分かりそうか?」


「私なりの解釈ではありますが、今後悪魔は頻繁に現れると思います。しかし、ゼラスのような悪魔がまた現れるとは限りません。つまり、予測は不可能。」


「ありがとうレッド。来るかもしれないだけでも十分さ。来たときに潰す。それだけさ。」


―――そうして、ミウはブルーへと戻っていった。


(ふぅ…ミウのやつ、始めは怒りに満ちておったが、だいぶ落ち着いたようじゃの。落ち着いてもなお、復讐心が湧いておるあたり、”浄化”を知れば引き起こそうとしかねない。ゼラスの登場自体、浄化の前夜祭の可能性も否定しかねん。人類史が始まっておよそ5万年。しかし、調停者さんは、何をしておるのかの?毎度毎度、失敗しておるではないか……じゃが、今季は傑作であろう?今までに最も長引いたであろうな……)


―――ブルーにて

「ミウ様!地下におられたのですね!先ほどアレスちゃんが来ていましたよ」


「最近顔見せないから少し心配してたけど、大丈夫そうで何より。それで何か言ってたか?」


「”稽古してもらいたくて〜”ってこちらへ来ていました。”ミウは忙しそうだし、また今度来るよ”とか言ってましたし、近頃また会えるかもしれません。」


「そっか〜どれくらい強くなったか気になるなぁ。ブランが見当たらないけど、何処行った?」


「”現状エフティアの戦力が少なくて、肉などの食料が十分に確保できていません!なので、新たにヴァンパイアや、ダンピール、人間で戦力になる者を早急に登録し、クエストをこなして貰う必要があります”とか言って、数日前から地下へ行ってヴァレンタインさんと話し合っています」


「!?いつの間に……ブランらしい賢明な判断だ。俺も今から首を突っ込んでこようかな?」


「2日前ほどに話し合いが終わって、今はギルド本部で登録をしてもらっているところです。」


「一日準備を挟んで、本部へ向かったってことか…」


「ヴァンパイア兄弟がついていったので、襲われる可能性は無いかと。」


「それじゃあ、安心だね。無事に帰宅してくるまで待機してるか!」


―――一方、ギルド本部にて


「「「「「ブランちゃん、かわいい…」」」」」


全員尊死寸前であった。小さく幼いその姿で一生懸命に全員に指示を出していた。その姿を見て指示に従わないというのはほぼ不可能。


「では、皆さんここからはギルドの職員さんたちの指示に従って登録をしてきてください!」


「「「「「かわいい…」」」」」


登録する者共はギルド職員から連れ去られて登録を行いに行った。


「ふぅ…なんとか指示が通ったようで良かったです!今は大体何時でしょうか?時間があればこのあとクエストをこなそうかと考えていますけど……」


「今は、お昼過ぎですね。ヴァンパイアとダンピールは1食事しなくても大丈夫な体質ですので、人間は地下に戻ってもらい、ヴァンパイアとダンピールのみでクエストをこなすのが良いかと……」


そう提案するのは、インテリ・バレント(兄)である。あまり出番がなく忘れられていたが、かなりの実力者である。冷静沈着で合理的な判断ができる。

一方……


「人間も多少の食事は我慢できるだろ?経験を積ませるためにも参加させるべきじゃねえのか?」


そう提案するのはジェント・バレント(弟)である。兄に次ぐ実力者なのはもちろん。しかし、残念な点であるかもしれないのが、さっきの発言のように衝動的に行動・発言をしてしまう。活発であるのは良いところだが、たまに度が過ぎたことをしてしまう。


兄の合理的なことを打ち壊すようなアイデアを思いつく、弟。そのアイデアを補強するように兄が補足する。相対する性格だが、足りない部分を補っていく2人で1人なのだ。


「今回登録しに来たのは、3人だったな……クエストの目的地に向かっている間に食べてもらうように今のうちに持ってくるか……そうすれば、食事を取りつつクエストにも参加できるでしょう」


「では、そうしましょう!…私もお腹が空いているので、私の分もお願いします……」


「分かりました。では十数分後また戻ります。」


(インテリが食事を持ってきてくれる間、ジェントが落ち着いていられるはずはないと思います……確か本部の地下には訓練場があったと聞いた気がします……)


「ジェントさん、地下に訓練場があるそうです。誰でも利用可能なようですので、ご利用されてみてはいかがでしょうか?」


「あ~?あれか!前回の登録すっとき、行ってみたんだがよぉ…思いの外もろくてなぁ…全部駄目にしちまったんだよ…」


ブランは思考停止した。ギルドが用意した訓練施設の物を破壊した。しかもギルドが用意できるものとなるとかなりの強度があってもおかしくはないのに破壊したと言われては”はぁ?”となってもしょうがない。


「……近くにカースオブジェクトができたみてぇだ。十数年ぶりにできたみてぇだし、それに危険性も少ねえみたいだから、一緒に見に行くか?」


「……まず、カースオブジェクトとはどういったものなのでしょうか?」


「そーだな…今回は炎が主流みてぇだから、爆発するか、魔力が尽きるまで炎を撒き散らすかのどっちかだろーな。」


「あの……構造は分かりましたけど、その外見などがわからないのですが……」


「説明すんのがむじいのよ…見たほうが早いってやつよ」


「…そう言われると気になりますね……」


「登録が終わるまでまだ時間かかるみてぇだし、大丈夫じゃねえか?」


「そうですね。見に行きましょう!」


―――カースオブジェクトの下へ行く。


「…かなり不気味な見た目ですね。」


カースオブジェクト:自然界における魔素のたまり場で形成されるもの。吸収した魔素の量や、その土地の属性によって大きさや、属性が変化する。カースオブジェクトが及ぼす影響は大きい。大抵、自然災害として恐れられることが多い。災害が起こるまでは時間がかかるため、対処する時間は多い。災害発生のプロセスとしては、魔力暴走がほとんどである。それまではただの魔素の塊という認識であっている。


「こんけぇは、早く暴走しそうだぜ、ギルドの要請なんて待っていられねえ感じだが、大丈夫か?これ?」


「ギルドの規定によると緊急事態の状況下ではギルドの要請を待たなくても事態の処理を優先しても良いそうですので、お願いします。」


「ちょっとむじぃ話だったが、壊しちゃっていいってことだよな?」


「はい!いや、でも………いえ、何でもありません」


「爆発するまでまだ時間あるから話は聞くぜ?」


「えっと……話すと長くなるのですが、ミウさんと私達は昔から魔導列車というものを作ろうと計画しているのです。その魔導列車を作るにあたって、動力源が必要なのです。そこでこの魔力の塊を利用できないのではないか?と考えました。」


「何がなんだかわからないんだがよ……とりあえず、これを使って対物兵器とか作ろうっつうことか?」


「対物兵器とかではないのですが……簡単に言うとこれを使いたいということです」


「そういうことか!まあ、今のままだと魔素が暴走しやすいから、少し砕く必要はあるけどよ」


「では、暴走しない程度に壊しちゃってください!」


―――一方ミウたちは…


「待つとは言ったものの、かなり暇だな…」


「私と良いコトしますか…///」


「遠慮しときます……なんか、本部近くに変なものがあるみたいだな……」


「行くのですか?」


「ああ、なぜか知らないけどブランの気配も一緒にするんだよ。」


「それは心配ですね。では、行ってらっしゃい」


―――目的地に到着


(えーっと、あれは……ジェントか?……確かについて行ったとは言っていたから、いるのは必然か……それにあの物体はなんだ?初めて見るな。それにジェントあれ壊そうとしてないか?)


「ちょちょちょっとまて!」


「んら?誰だてめぇええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……」


「あっ!ミウさん!……ジェントさんが驚いて壊れちゃいました…」


「…そんな機械みたいな人だったの?」


「ジェントさん、気が強いですけど以外に神経質ですからね。」


「それは意外だな…それでこれは何なんだ?」


「カースオブジェクトと言うそうです。放って置くと魔素が暴走して災害を引き起こすようです」


「じゃあ、ジェントが壊そうとしていたのも……」


「はい…未然に防ぐためにですね」


「邪魔しちゃったか…それで、壊れちゃったジェントはどうする?俺は壊し方わからないからジェントに頼るしか無いんだけど……」


「まだ災害が起こるまでには時間があるというのでもうしばらく待っても良さそうですね」


「そっか〜どうしようか……暇だから来たんだけど暇になっちゃったな…」


「ミウさん私お腹が空きました。インテリがブルーへ行って食事を取ってきて来るようにお願いしました。おそらく、そろそろ戻ってくる頃だと思います。」


「じゃあ、ジェントを連れて本部に戻るか!カースオブジェクトが出現したことも本部に連絡通したほうが良さそうだしさ」


―――本部にてカースオブジェクトが出現したことを報告……


「本部から北西に数十キロ先にカースオブジェクトの出現を確認しました」


「分かりました。報告ありがとうございます。このままクエストとして引き受けますか?レベルに見合わなければ引き受けることができませんが、基準に達しているので引受可能ですよ?


―――通常のクエストは、依頼者→ギルド→依頼書作成→みんなの元、という順で流れてきますが、依頼作成書を制作する上で、依頼者との交渉は必須でそこに人件費や、手数料がかかります。

しかし、今回の場合は依頼者→ギルド→依頼者、という順で回ってくるのでギルドの取る手数料が少なく済みます


なので、お得ということです。得た素材もあなた達のものとなります。」


「ここで引き受けなかった場合はどうなりますか?」


「カースオブジェクト自体珍しいので他のギルドの標的となり、クエストの売買にまで発展する可能性があります。それに十数年ぶりの出現なのでより一層希少価値は高いです。」


「では、引き受けます。」


「カースオブジェクトにも階級があるので後で鑑定させてもらい、正当な報酬金を支払います。」


―――カースオブジェクトへ向かう(ジェントも一緒に)


「おーい!ジェント起きろー!」


「…?ミウ様………」


二度目の気絶である。もはやわざとではないか?と思うほどきれいに気絶していった。

どうしようか……変に壊して被害が出たら困るからな……ジェントは永遠に気絶ループしそう…どうしよう…


「…ミウ様でしょうか?」


「…えーっと……イ、インテリ?」


「…!!!!、覚えていてもらえて光栄です!」


「(うる覚えだったのは内緒)それで、カースオブジェクトがさっき出現したみたいで、壊し方とかよくわかんないんだよね……お願いしてもいいかな?」


「――これでミウ様にやっと自分の手柄を見せることができます!…ボソ……」


「ん?何か言った?」


「いいえ、なんでもございません。カースオブジェクトの破壊ですね。承知いたしました。」


「この声……兄貴か?」


「ようやく起きましたか、ジェント……」


「インテリ……俺は一体……!?そうかミウ様の御威光に押されて気絶しちまったのか…」


「情けないですね。ですが、ミウ様の御威光に気圧されてしまうのは事実。では私はこれからカースオブジェクトの処理へ向かいます」


「俺も行きてえよ!ついて行っていいか?」


「今回の手柄を私のものにしてくれるのでしたら構いませんよ」


「ああ、それでも良いぜ。久しぶりのものだからな!」


―――カースオブジェクトにて


ドゴーーーーン!!!……

カースオブジェクトが見事に破壊された。


「ミウ様!とりあえず安全にはなったけどよぉ、危ないものには変わりねえから気をつけてくだせえ」


「ありがと!ちょっと使い物になりそうか少し見てるからあたりを散策してきてもいいよ」


「(こりゃミウ様からの命令か?)任せておいてくれよな!(?)」


―――さてと、このカースオブジェクトだが魔素が安定していない。これが災害などが起こる最大のトリガー。しかし不安定が故により安定になろうとして、魔素を魔力へ変換し魔力を放出することで安定化を図っている。地球で言う放射性物質に似ている。

災害が起こるのは放出した魔力がカースオブジェクトの周りにまとわりつき魔力が放出できない状態になると、放出した魔力同士で干渉し合うようになる。カースオブジェクトにはそれぞれ属性を持っており、魔力が干渉すると魔法が発動する。発動した魔法が不安定な魔素へぶつかるといつも以上の威力を持った魔法が発動してしまい、災害とみなされているのである。


放射性物質と同じである(断言)列車のエネルギーに利用できるのではないか?と思ったが、放射性物質と同じ性質だと考えれば、放出する魔力量も減っていくと考えられる。

もともと、フェニックスの心を運用する予定ではあったから特には問題ない。


フェニックスの心での運用はほぼ十分。でもロマンを追い求めると、よりエネルギー効率が良くて出力が良いものを求めたくなる。

エンシェントドラゴンの心……とか思っているが、あいつらまさかの神として崇められ、ギルドからも人的被害が出ない限り手出しは厳禁と注意を受けている。


エネルギー源はフェニックスの心で運用し続け、より良いものが出たら交換という形で”魔導列車製造計画”を進めていく。

できれば評価お願いします!!


この作品がどの程度か知りたいのです。ほんとにひどいと思っているのでしたら最低評価でも構いません。

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