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自業自得ってやつ?

ヴァレンタインからの思念伝達を切り、再び探索を開始する。

(現在地と階層を伝えたから、来ようと思えは来れると思う……道に迷ったりしなければ…)


それで、現在は60階層付近。迷宮は相対的にモンスターの強さは大きくなる。しかし、まだまだB+も良いところ。

―――一体なぜ、地上に出ていたモンスターはあんなに強かったのだろうか……


この迷宮を守護するため?それとも他の目的のため?それに、強いモンスターが浅い階層に現れ、その下の階層には低ランクモンスターが湧くのは明らかにおかしい。階層の入れ替えぐらいしないとできない芸当。

いずれにしても、出せる結論は


―――わからない。これが今出せる最大の結論。これ以上もこれ以下もない。


もし、階層の入れ替えが可能であれば、その権限を持っているのは迷宮の主のみ―――

いずれ大きな被害になるのは間違いない。

より深く……よりもっと……”深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ”この言葉を聞いたことがあるだろうしかし俺はこう思う、”深淵を覗くだけでは何もなし得ない”


―――その後30階層潜ったあたり

ゴーレムの出現率が多くなった。物理攻撃は効かないし、特殊な素材でできた物で体が覆われおり魔法攻撃も効かない状態で、俺には何もできない状況。


(ヴァレンタインをちゃんと呼んでおくべきだったな……)


「お主、何をしておる?…うむ、なるほどのぉ。ソレは仕方あるまいな。あとは任せておくのじゃ。」


そう。ヒーローは遅れてやってくる。そう信じて待っていた俺の作戦勝ち。

ヴァレンタインの扱う魔法は、厳密には魔法ではなく、魔術という。魔法は魔素を媒介にして発動するが、魔術は違う。ヴァレンタインのような血を媒介にしたものや、水、植物、地などがある。

欠点として、使う量には限りがあるということ。再利用する分は到底足りず、一撃必殺が多い。

しかし、ヴァレンタインのような、自身の血を生成するような荒業(?)というより正攻法を習得できるのであれば、そのような欠点は無くせるのである。


そうこうしているうちに、決着がついたようだ。


「ふう、とりあえず全部倒したのじゃ。………それよりも、探すのに苦労したわ。」


「というか、なんでここへ来たんだ?」


「お主の……血を吸うためじゃ!!!!!!!!」


かぶりつかれ、吸われること15分。

その後、ヴァレンタインと一緒に迷宮の深くへと潜っていく。


「大体、このあたりの階層が100階層かな?」


「何を言っておる?まだ、70階層付近であろう?」


「この迷宮に入って、1から数えてる?」


「ああ、正確に言うと今は72階層であるぞ?」


やっぱり、ダンジョンの階層入れ替えが起こっている。それに、このあたりが最下層であることには間違いない。

俺が攻略しているとき、下から階層を持ってくることはまずありえない。だから、上から階層を持ってくる。すると、上の階層は少なくなる。そこでヴァレンタインが入ってくることで、その少ない上層階層を突破することで俺とヴァレンタインの階層の数え間違いが起こっている。


「……どうした?悪い顔をしおって。」


「いや、あとは時間の問題かもしれないなって。」


まず、階層移動をするのにノータイムで魔法か何かを使わずにできるわけがないということ。ただ、消費魔力が少なく、魔力回復量が上回っている場合は別となる。これでは太刀打ちできない。

しかし、これで諦めてしまうわけではない。魔法の発動には何かしらの準備が必要である。思考加速を施したとしても、0.0…何秒というほぼ0に近い隙が生まれる。

だが、これを有効に使うとなってもほぼ不可能に近い。実際にどうだろうか?迷宮の階層間は約120mから数kmにまで発達する。それを0に近い勢いで突破するなど、脳みそまで筋肉でできているやつでも不可能である。

階層を突破しまくるのも手であるが、魔力の回復量が上回っているとすれば、ただの永久機関である。


―――ではどうするのか……答えは単純。


魔力探知で最下層を探し、そこへ転移する。始めていく場所には性格に転移することはできないが、ただそれだけであって転移できないというわけではない。


ヴァレンタインと協力し、最下層を探す。


「見つけたぞ。ものすごい勢いで遠ざかっていくのを感じるわ。やつもこちらが探っていることに気づいておるようじゃが?」


「そんなこと気にすることじゃないさ。さっと転移するだけさ。」


転移魔法は位置情報が重要なので、階層移動中に転移すると意図しない階層に転移する可能性がある。自身の回想も移動して、撹乱しようとしているのだろうが、すでにマークしているのでどこへ行ったとしても必ず見つけ出せる。


並列演算でいくつかの転移魔法陣を形成し、今度移動してくる可能性がある場所に設置する。その数200程度。


感覚を研ぎ澄まし、タイミングを見計らう………


『ここ!』


どうやらうまく行ったようで、マークした主の気配が大きくなる。それに、気配の大きさも変化しないので、最下層であることには間違いない。

先に進むことにする。

景色としてはフォレストと何も変わらず、そのまま持ってきたような森林。

しかし、とある巨木の後ろからほんの僅かであるが異質な気配がする。

巨木の後ろへ回り、巨木の状態を確認する。見た目上何もないように感じるが、魔術によるカモフラージュが施されている。

魔術で助かったと思う。魔法であれば、周りの魔力と同化して感知できなかったと思う。魔術とは魔法と比べて明らかに独自の進化、派生を遂げたものであり、鳥類と爬虫類ほど違う。


俺とヴァレンタインには植物関連の魔術を解除する手段は持ち合わせていないので、力ずくで破壊する。


中を確認すると、魔術で書かれた魔法陣が出てきた。

ヴァレンタインによると、”魔術を発動するには魔術が必要だ”と、とある人を想像させる言動を放った。

だから、これを発動することはできない。しかし、解析はできるようでヴァレンタインが解析してくれた。


「ふむ、転移魔法陣のようじゃの。転移先も特定できたわ。全く詰めが甘い……」


転移先がわかっても、その先に何があるかは分からない。魔法によるものであれば魔力探知で探ることはできるが、それ対策用になにかされている可能性が高い。

なにもないことを信じ、転移する。


転移した先には、今の時代とはかけ離れた構造、デザインが施された廊下が続いている。部屋がいくつかあるがいずれのどれにも主らしき気配はない。そして、その先には大広間がある。


奥へと進み、大広間へ向かう。

書物というのであろうか、SDカードとでも言えそうな何かが大量に保存されている。円形状に設置され、上に伸びている。青天井で全く終りが見えない。


あたりを観察していると、主の気配が近づくのを感じる。


「まさか、そっちから出迎えてくれるとはね。」


「勝ち目があらぬと思い、表へ出てきた所存。」


「そうかよ。それで、ここはどこなんだ?」


「”科学の保存場”と呼んでおる。人により呼び方は異なるが、認識は”保存”ということで共通しておる。」


「!?…科学だって!?」


「ほう…今の地上にも多少は普及しておるようだな……では、付いてきてくださるかな?教えたいことが山程あるのでな。」


どうやら、俺達は侵入者として扱われここへの侵入を拒んでいたようだ。ここを守るために拒んでいたのであり、奥へ進むように進めるのであるのだから、信用されたと思って良さそう。

そう思っていただいているのであれば申し訳ないが、一応警戒しておいたほうが良さそうである。


奥へと進み、とある一つの部屋へとたどり着く。

そこには、広間で見た保存するものではなく、書物であった。何度も修正されているようではあったが、かなりボロボロ。


「ここには、この星のすべての歴史が書かれておる。」


書物は合計で13冊。13冊目は比較的新しく、まだ書き込むことは可能なほどである。


「読んでも良いですか?」


「構いませんぞ。あなた達からは強欲の匂いがかすかにするのでな。それに”あなた達にはこの事実を知る必要がある”と、そうワシの第六感が告げておる。」


1冊目を取り出す。

この世のものとは思えない言語体系で文字が刻まれている。

強欲の匂いがかすかにすると言われると、確かに何が書かれているのか気になってしまう。


―――「科学と魔法が入り混じったことで起きた1回目の消去。」


2冊目を取り出す。

また同じように知らない言語体系で書かれている。


「ヴァレンタイン、読めるか?」


「いや、妾にもわからん。」


―――「科学により生物、人体実験が行われ倫理観の喪失による2回目の消去。」


3冊目を取り出す。

また同じような知らない言語体系で書かれている。


―――「科学の発展により失われた本来の自然、環境破壊による3回目の消去。」


4冊目…


―――「科学の発展により知識を持つものと持たぬものとの不公正、金銭的問題の不幸による4回目の消去」


5冊目…


―――「科学による、薬などの使用で失われた人間性による消去」


6冊目…


―――「科学により得た無限の食料により人々は暴食の罪に触れ6回目の消去。」


7冊目…


―――「科学の発展で種族間の戦争が起き、圧倒的勝利を収め他種族を見下し、傲慢の罪に触れ7回目の消去。」


8冊目…


―――「あらゆる物を欲し科学の力ですべてを奪い強欲の罪に触れ8回目の消去。」


9冊目…


―――「自身らにない能力に妬みを感じ、他種族の殺戮を繰り返し人造生物を作り出した。他種族の能力に嫉妬した罪による消去。」


10冊目…


―――「科学の発展により、科学界隈で2極化し今後の発展による話し合いが上手くいかず、戦争まで上り詰めた。話し合いという纏めができず、怒りによる戦争。憤怒の罪に触れた消去」


11冊目…


―――「肉体的欲求を満たすために、人体改造を幾度となく施した。自然と男女の権力のゆらぎが顕著に現れ、色欲の罪に触れ、消去」


12冊目…


―――「科学の発展により、何事にも便利がつきまとい人々は何も行わなくなり、自然と消去された。」


13冊目…


まだ何も書かれていない。いずれにしても共通しているのは”科学”

科学により、すべてが奪われていった。


―――”誰も科学が広まることを望んでいない”


「お主、何をまた深刻そうな顔をしおって。」


「いや、なんでもないさ。考えさせられるなって思ってさ。」


「此度はこのようなことを学んでもらえて、感謝しております。それと一つ忠告を


―――”今までは失敗を許されていたが、もうこの星は耐えられない。これで終わりになる”


地上までの転移門ですぞ。また気になるようであったら尋ねくださいな。」


「では、また。」


そう言って、転移する。

無事に地上へ出てこれた。現在時刻は午後4時と言ったところ。帰宅すればちょうど良い頃だろうな。


ギルドにはなんと報告したらよいだろうか……

とりあえず、迷宮外に出てきたモンスターの種類と数。魔人の出現はどうしようか……証拠も残らない程に分解され消えていったので、報告しなくてもよいだろうな。


討伐成功の証拠がないので、ギルドが後に調査し確認が取れれば成功として認められる。なので報酬はあとになりそう。


―――ギルドへ帰還する。

帰ってきたのは良いが、報告はどうすればよいのか聞いておけばよかった。

本部行くか…


―――ギルド本部にて

カウンターへ行く。


「すいません…今朝、フォレスト付近の迷宮から出てきたモンスターの討伐をしてきたのですが、報告の仕方が分からず、来ました。」


「エフティアの方でしょうか?討伐はされたのですね?」


討伐をしてきたことを報告した。ミノタウロスや、オークが出現していたと報告する。迷宮に少し潜りましたが、何もなかったと報告した。必要な嘘をついたまで。


「後日調査が入り、確認が取れ次第、報酬を転移で送らせてもらいます。次から依頼達成時には……」


依頼達成時には、クエストリストに完了の印を書き、証拠とともに本部へ転移してほしいとのこと。


「わかりました。教えてくださりありがとうございます。」


「いえいえ、説明を怠ったこちらの責任です。あまり背負い込まないでください。また何かあれば、気軽にお尋ねください。」


報告と、今度から調査が完了したらどのように報告すればよいかわかった。

帰りになにか買って帰るとしますか!


帰りに所持金で買えるお肉を買って帰った。


―――ブルーにて


「!!!だーかーらーミウ様が食事を買うためのお金と手紙を残して依頼へと向かいました!!!だから、アーバスさん!食費を減らしてまで貯金しないでください!」


「そうですよ!アーバス!貯金などせず、ミウ様のためになるものを買いましょう!」


「リーナさんもいい加減にしてください!!ミウ様はみんなの食費用としてこの金貨をおいていったくださったのです。それがミウ様が望んでいる使い方ですって何度言ったらわかるのですか?」


「……」

呆れた。大人が二人してみっともない。ブランに渡しておいてよかったと思う。


「ただいま〜何をしているのかなぁ〜?言い様によっては夕飯はないと思え〜?」


「「……」」


「ミウ様!聞いてました?この人たち、ミウ様が手紙に書いておいた使い方をしたがらないのです!」


「うんうん!ブランに預けておいてほんと良かった…ありがとな、ブラン。今日はごちそうだぞ〜!もちろんお前らの分はないけどね。アイナもありがとうね。」


「はい!」


買ってきたお肉を調理し、ブランとアイナと俺で食べる。

自業自得で損したやつの前で食べる飯というのは格別にうまい。これを機にぜひとも学んでもらいたい。

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