意外な決着。
君主級悪魔がいなくなり、戦闘はどんどん優勢へ傾く。
そして残るはとうとう大侯爵が2匹、侯爵級が3匹となった。
侯爵級はすでにヴァンパイア・ダンピール軍と3匹とも全て交戦中。レッドが2匹同時に相手をしており、押されている状況。
俺はネロを取り出し、どちらかと言うと強そうな方の悪魔に即座に近づき、蹴りを一つお見舞いする。
レッドから、悪魔を引き離すことに成功し、その一匹と交戦状態になる。
(魔法攻撃が全く効かないのなら……物理攻撃で攻めるしかないな!!!)
身体強化、隠密スキルなどを駆使し、攻める。悪魔は魔力に敏感であるのは、魔法を極めていることからわかる。自分から漏れ出る魔力をピタリと止め、背後を取って切りきz……
ドゴーン!!!!!!
魔法で作り出した夜の外側でなにか物音がした。
ピキピキ……と亀裂が入り、血のような赤い液体が流れ込んでくる。空中でたまりになり、破裂する。
「はぁ……低血圧で貧血……頭痛に吐き気……最悪じゃ。しかし、妾が戦うのはいつぶりかのう?レッド!!お主は下がっておれ。そこのお前もじゃ………お主の血かなりうまそうじゃのう?後で血を吸わせてくれぬか?」
「お、俺ですか?ま、まあ死なない程度でしたら……」
銀髪に白いワンピースを身にまとった見た目的に15歳程度の少女が現れた。血の中から現れたこと、あのレッドに簡単に命令できること。それらを踏まえると、女王で間違いないだろう。
「皆のもの!!どいておれ!」
そこからは一瞬だった。血を使った魔法で相手を圧倒した。いや、この系統の魔法みたいなものなら魔術的なものか?
相手を圧倒して倒した女王が、舌を出し鋭い牙を見せつけ、荒い吐息漏らしながらゆっくりとこちらへ近づいてくる。
うまく言えない何かを感じ、後退りしてしまう。
「はぁ…はぁはぁ……約束したじゃろ?」
肩へがぶりと噛みつく。最初は痛い…と思っていたが、案外痛くなく吸われるのも悪くはないと思った。だけど十数秒すると、頭がぼーっとしてきた。
流石に吸われすぎと思って、肩を掴んで引き離してしまう。
「まだ足りぬ……」
口から唾液の糸が引いてていやらしい感じになっている。糸引きながら、俺に回復魔法をかける。
そしてまたかぶりつき、吸われる。
「も、もう十分ではないでしょうか?」
「まだ足りぬ……」
そうして回復しては吸われ、回復しては吸われを30分ほど続けられた。
「まだ足りぬところではあるが、戦闘で消費した分と今まで不足していた半分程度は回復できたのじゃ。感謝するぞ」
「レッドよ」
「は!」
「新たな住処を用意してくれる者はどこじゃ?」
「嬢様が吸わ割れておられたこの方です。名前はミウと申されます。」
「まさか、そなたであるとはな……また感謝することになるな」
「自己紹介が遅れました。私の名前はミウです。よろしくお願いします。」
「お主の一人称は”俺”であろう?立場を気にしてかしこまるでない。妾としてもかしこまったことは嫌いじゃ。ところで、新たな住処というのはどこじゃ?」
「では、遠慮なく。今から見に行きます?転移魔法ですぐに行けるけど…」
「ふむ。この国の代表として先に見ておきたいものじゃ。早速行こうではないか?」
「わかりました。従者たちは連れていきますか?」
「そうじゃな……何人まで連れていけるかのぅ?」
「いくらでも連れていけます。」
「レッド!お主は付いてこい。…付いて行きたいものはこちらへ来い!」
ゾロソロと集まる。
新たな住処となる場所だから興味があるんだろうな……ソロモンたちも付いていきたいようなので、しょうがなく連れて行く。
―――地下空間へ転移する。
「な…!(この場所…初めて見るぞ!いや、数千年もの間城に引きこもっていたのだから、この程度の変化は当然というもの……太陽の傾き具合……一般のヴァンパイアでも活動できるのではないだろうか…)」
「どうです?気に入りました?」
「うむ。」
「嬢様。すでに王国の領土内まで砂漠化が進んでいます。魔法をかけていると言っても後先少ないでしょう。お早めの決断をお願いします。」
「気に入ったと言ったであろう?すぐにでも移動するのじゃ。」
「かしこまりました」
そうこうしているうちに、王国全体をこの空間内に移せるような転移魔法陣が形成されていた。歓迎しているとは言ったが、こんな勢いで来るとは思わなかった。もう少し葛藤して、仲間と相談できる時間もあるかと……
「では、ミウ様転移させてもらいます。」
「ど、そうぞ…」
―――バリバリ…
転移してきた王国は…
美しい城を中心にきれいな町並みが形成されている。西洋風の建築が並び、とても美しい。
ただただ、美しい。
ダンピールもこの王国内に住んでおり、人間もまた同様。転移もここに住んでいる者たちを引き連れやって来た。これで地下空間の住人が増え、より発展が進むというわけだ。
「えーっと…女王様?」
「その呼び方はやめんか。妾にも”ヴァレンタイン”という名がある。気軽に呼んでくれたまえ。」
「ああ、よろしく、ヴァレンタイン。それと、ここには何も無いに等しい状態なので、住民を動かして食料などを作らせてほしい。それに無職たちに新たな職業を与えて上げたいと思う。」
「ほほぅ?例えばどのようなものじゃの?」
「付いてこれます?」
「うむ。気になるからのぅ。ついていくとしよう。」
なれない敬語、お嬢口調(?)気になれば報告ください。




