親バカ
とうとう討伐戦が始まる。
作戦はこうだ
1.まず、世界で最高火力を誇るソロモンによる先制攻撃から始まる。
2.先制攻撃後、剣士やタンカーが前線で戦う。後方は魔道士軍で固め、攻撃する。ヒーラーは負傷者が出次第、回復。
3.君主級の悪魔が弱り次第、魔道士軍は前線へと向かい、封印の魔法を詠唱する。
大まかにはこの流れだ。しかし、戦いはいつでも変化するもの。臨機応変に作戦が付け加えられたり、変更されたりする可能性がある。
そこは運次第ってやつ。
「そろそろ、準備は整いましたか?」
周りのみんなが同意し、あたりが白い光に包まれる。
「”転移”」
サト―さんの一言で転移した
―――最西の地…バレントンにて
転移先は廃墟と化した、小さな村の前。
「まずはこの小さな村を借りて、拠点を建てる。」
そう言ったのは、今回の部隊の隊長のソロモンだ。村の前で手を合わせ、膝をつき深く頭を下げている。他のメンバーは誰一人として真似していない。
この地で何が起こったのかは俺達には何もわからないが、確かにこの場所に人が住んでいた。そこを勝手に拠点とすることに申し訳無さを感じる。今はなにもないが、確かに思いが残っている。
そう思うと勝手に………
―――手を合わせたくなる。
「よし………、この村の一部を借りる。井戸はまだ使えるそうだから、その周辺にテントなどを建てた後、荷物をおいたあと今回の標的を探しに行く。」
ソロモンの声のあと、順調にテント建設が進み持ってきた食料などを置き、撹乱・錯覚の魔法をかけ、悪魔探しに出た。
「アイ、どうだ?見つかりそうか?」
「ええ、ソロモン。明らかに異質な魔力が感じ取れます。2時の方向、76.40km先……」
彼女はアイ。ソロモンの右腕。視力が一般の20倍程度良い。それに魔力探知のスキルも一級品、世界中どこにいても探しだせないことはないとのこと。
「まだこちらには気づいていないようです。しかし、警戒は解かないように。」
「よし、位置の確認が取れた。一時帰還し、綿密な計画を練り上げる。」
そうして、テントに一時帰還。
魔法による地図が目の前に展開され、会議が始まる。
「まず、この形をしたのが最西後バレントンだ。現在我々がいるのがここだ。」
地図の上にピンが刺される。
「それでここが悪魔たちを観察できた場所だ。それと、ここが悪魔たちの現在地。」
また同様にピンが刺される。
「悪魔たちを観察できた時、進行方向は北を向いていました。我々の拠点からは少しずつ離れていく計算です。」
アイがそう言うと、悪魔たちを示すピンから進行方向への矢印が出る。
「俺の魔法が届くのは最高2kmだ。だが、そこから近接戦へと持っていくのはかなり厳しい。そうだろう?」
近接部隊であろう人たちがウンウンと頷く。
「あの〜、転移魔法陣を悪魔たちの付近まで投げて、投げた先で展開させるのはどうでしょう?」
と俺が提案する。
「成功するのか?」
「遠くに飛ばせるのであれば。これをね」
手のひらサイズの魔法陣を見せながら
「その大きさだと、全員の転移は不可能では?」
「時間差で巨大化の魔法が発動するように設計しています。なので、全員での転移は可能です。」
「敵に魔法陣が飛ばされていると感知される可能性があるが?」
「隠密スキル、撹乱。錯覚の魔法をかければよいのでは?」
「うーん…かなり実用的なアイデアだ。候補の一部にはなるな。素敵なアイデアをありがとう。」
かなりぶっ飛んだ作戦ではあったが、かなり使えそうとの評価だ。しかし、これ以外に近づく作戦があるのだろうか?俺には思いつかないアイデアが出てくるのを期待。
「っふ…お主もなかなかやるではないか?」
「あっ!…えーっと…無理してる人?」
「ック…すでに我の名を忘れるとは…失礼という度合いが過ぎているな!我の名はカタストロフィ。冥界の万物を滅びさせし者」
「あ~!思い出した。名前長いから略称で……メイカとか?」(”冥”界の殲滅者:”カ”タストロフィ)
「お主、なかなかセンスが有るではないか!気に入ったぞ”メイカ”…これが今後呪の名として今後受け継がれていくだろう……」
「はいはい…ところで世界ランクはいくつかな?」
「っふ……聞いて驚くな?28位だ!」
「お?じゃあ実質後輩ってことかな?」
「ではお主のランクは?(誤差3位ならまだ………)」
「12位だよ。」
「……スイマセン…さっきまでの愚行をどうかお許しを……」
「急にキャラ変わるじゃん!?てか、さっきのキャラのほうが俺的には好きだけど?」
「だけど、目上の人とかにやると馬鹿にされたりするから……」
「そういうの気にしないし、かっこいいと思ったよ?で?本当の名前は?」
「!?本当にかっこいいと思いましたか?で!カタストロフィは本名です。親も同じ系統で…」
「親も同系統だったんだ…」




