緊急要請
〈拝見させてくれるなら、レッドサーペントの肉を差し上げまーす〉
〈話はずーっと聞いてたぞ。本当に肉をくれるんだな?〉
〈ああ。もちろんさ。そのかわりに、自宅を拝見(定住)させてくれるならな。約束破ったら、分身は解いて、意識も俺の中に戻すからな〉
〈ああ。わかった!早くしてくれよな?〉
「ミウ様〜〜!!!」
どうやら、リーナが到着したようだ。
「大豆です!!……このくらいでいいですか?言われた通り、一袋分ですけど…」
「十分だよ。いま、あっちの方でレッドサーペントの肉を切ってるんだ。”切る”のを手伝ってきてくれる?」
「お任せください!」
リーナから大豆を受け取り、醤油の作成に手をかける。
基本的な醤油の作り方で進める。発酵時間は魔法で短縮する。
9段階魔法と言うと、詠唱時間がとんでもなく長い。美味しく食べられるのなら致し方ない。
―――脳内で1年後…
現実では5分程度。時間の加速度は150万倍。6ヶ月を10秒程度までに圧縮(?)する。
だから、たったこの10秒のために1年を費やすと考えるとなんかもったいない感覚がする。でもそれなりの報酬はあると思う。そう思いたい。
そう考えているうちに10秒が過ぎようとしていた。
慌てて魔法を解除し、取り出す。そこから搾り取り、醤油を搾取する。
自分には品質の良き悪きが分からないので、上手に評価できないが、かなり良さそうに見える。
肉の切りもそろそろ終わりそうなので、焼き肉会場へと向かう。
―――焼き肉会場にて
自然影響無効を解除し、フライパンを……鉄板焼みたいに板状にしたほうがいいかもな
炎魔法で鉄板を加熱し、切り終わった肉を准に焼いていく。醤油をかけたり、塩をかける。あまりかけすぎないのがポイント。
焼き終えて、手の空いているものから順に焼いた肉とパンを渡していく。
全ての住民に食事が行き渡った。午後も頑張ってもらおう。
そう言えば、自宅の拝見がまだだったな……肉とパンを持って自宅へと向かおう。
「よ!肉持ってきたぜ。それと同時に約束は守ってもらうぞ。」
「おう、好きにしてくれ。肉ありがとうな」
「好きにしていいのか?二言はないぞ?」
「……?……ああ。いいとも」
(実質これは俺の自宅!!前にも同じようなこと言っただろう…)
「俺にも用事があるから、じゃあな」
「いってら〜」
今の昼食会で、おおよそ2割の肉が持っていかれた。補充しないと食糧難でみんな死んでしまう。
だから、ギルドへ行きクエストを受け、資金を集めつつ、食料も補充する方針だ。
―――ギルドにて
1.推奨ランクS-:ワイバーンの群れの討伐。高山地帯へ向かっている途中であるが、あたりに甚大な被害が出ているため、討伐の依頼が発生した。報酬:個体数×200万
2.推奨ランクS+:先日、ベヒーモスが確認されたという報告が入った。真相は確かではなく、調査が現在進んでいる。しかし、調査員の帰還が一度もなく、その存在がいるのはほぼ確かである。討伐は行わなくても良いので、調査を依頼したい。報酬:150万
3.推奨ランクA+:ブラックサーペントの討伐。産卵期で活動が活発化しており、いつも以上に凶暴化している。いつ、人的被害が出るかわからないので早急の討伐を依頼する。報酬:120万
4.世界ランク100以上の方。全ギルドからの要請です。最も西の大陸にて、君主階級の悪魔が確認されました。その元に複数の悪魔が従事した状態で大陸内を彷徨っているようです。これは緊急要請です。国の存続をかけた戦いになると予想されます。10月1日に集った先鋭部隊で攻略する。
………12位だったよな…それに俺にだって事情がある。
〈ミウよ!!!最西の大陸にて悪魔が現れたようだ!俺からの直々の依頼だ。頼む!!!下手をすれば世界が滅ぶ。〉
意識を監獄の分身体へ移す…
「とりあえず、落ち着いてください。まず率直にお話をすると、討伐にはいけません。私にも私なりの事情があるのです。」
「わかっている…わかってはいるのだ……しかし、我々にも使命……がある。一体誰から授けられた使命なのか分からぬままな。しかし、逆らってはいけない……いや、どうあがいても逆らえない使命がこの王家には代々受け継がれてきた。」
「わかりました。交渉次第です。とりあえず討伐へ向かう方針は立てました。仲間たちにも連絡を取り、討伐へ向かいます。」
「交渉内容は?」
「考えている暇はないでしょう?後付でも問題はない。」
「わかった……では頼んだぞ」
―――意識をギルド内にある分身体へ移す。
〈リーナ、これから悪魔の討伐をしてくる。アーバス、ブラン、アイナにも伝えておいてくれ。食料についてはおいていく。恐らく3日が限界。だから食料を買うためのお金もおいていく。地下空間の管理は任せた〉
〈わかりました。お気をつけて〉
とりあえず連絡は取れて、食料と、金はあとで転移魔法で移せば問題ない。あとは、自分用の食料と地図が必要だな。それになぜあの地にて悪魔が現れたのか突き止めたほうがいいかもしれない。
―――こうして準備を始めた




