絆の深め
さて、食器洗いも終わったことだし寝るとしますか!
(コンコン)
ノックする音が聞こえる。確かリーナに部屋に来てもいいよって言った気がする。
「どうした?」
予想通りリーナが入ってくる。
「っへへ、約束通り来ましたよ〜♪」
いつも通りのリーナ。ほんと元気になって良かった。楽しい思い出を呼び起こす方法……少しリスクはあったが、成功したようで何より。
約束通り〜と言いながら、ダイビングハグをして来た。ベッドが壊れそうだったと言うのは失礼極まりないと言うとこ。C寄りのBを堪能したのも内緒である。
「ごめんね。明日も早いから、今日は早く寝かせて欲しいんだ。」
「そうですか……仕方ないですね。それと、私明日からここで働きます!」
「もう大丈夫なのか?あまり無理しないでくれよ?」
「はい!大丈夫です!もう本調子ですから」
「それと、明日から働いて貰うなら、一人紹介しないといけない人がいるんだ。ちょっとついて来て。」
少女の部屋の前にくる。夜遅いので静かにノックする。
反応がないので、寝ているかもしれない。ゆっくりとドアを開け中に入る。スースーと可愛げに寝てる。
「リーナ。この子は、親からいじめられてこんな目にあった子だ。俺の大切な仲間なんだ。明日会う機会があったら、よろしく頼む。」
「そうなのですね………こんなボロボロになるまで……私よりも酷い……」
「今は、体は十分に動かせないけど話すことは出来るから、たくさん喋ってあげて」
「はい、ではミウ様おやすみなさい♪」
「おやすみ、リーナ」
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夜も開け……てない。うん!朝の3時。最近新聞とか読んでないけど、噂で近頃盗賊団が増えているらしい。解体や、鑑定までまだ時間があるしパトロールでもしに行くか?
(「キャー誰か助けて!!」可憐な女性が盗賊たちに襲われている。そこに現れたのは黒いロングコートを羽織った正体不明の者。その者は、俊敏な動きで相手を翻弄し、一瞬で相手を一網打尽。「あ、あなたの名前は?」「事件には巻き込まれたくないんだ。」そう言い、姿を消した。)
無駄な想像力であり、速く行けと言う話である。
しょうがない、早速行くとしよう。
まず、ブルー中心に探す。正味、あまり王国内に拠点を構える訳がなく見つかるはずなどない。ほとんど王国外に拠点を構え、夜に活動することが多い。理由としては3つ。まず王国外になら、拠点を構えても見つかることは少ない。2つ、夜なら暗くバレにくい。3つ夜なら人混みも多く、罪のなすりつけが出来る。そんな感じかな?なぜ知ってるかって?聞かない方がいいぞ。
まだ暗いからいると思ったが、全くいない。逆に人が少なくてバレにくいと思うのだが、朝に弱いのだろうか?
にしても、本当にいない。酒に酔って、オエってる奴しかいない。平和(?)だな〜。よし帰ろう。…………フラグ立てたつもりだが、発動しない。やっぱ、平和だな〜…………これもダメだ。
結局、ブルーに帰ることにした。人生うまくいかないことばかり。気にしていてはダメだ。
とは言っても、まだ朝の5時。朝食も抜いてパトロールしに行ったから、腹が減ったな。
はちみつレモントーストだな。食パンと蜂蜜はあるが、レモンがない。酸味を出すために必須なのだ。盗むか。まだ人だかりもないし、市場も開いてないし不可抗力。
と言うことで、レモン農園からレモンを一つ盗むことに。これだと俺が盗賊者だが、王国のパトロールをしたんだ。代価は支払われるべき。ん?適当を抜かすな!って?少し黙っててもらって。
あたりを見まわし、魔力探知を使いながら誰もいないことを確認する。
ガシっとレモンを掴み、華麗な手首の捻りでレモンを一つ回収する。
もしかしたらを含めて、その場から近くの崖上に向けて速攻で撤退する………ち、力加減ミスった………半径2mくらいののクレーターが…新聞に載るかもな!ここは元気に行こう♪
色々あったが、誰にも見られてない。そう、気づかれることはな…
「あ、あの〜……」
10歳前後の女の子だ。
「ど、どうした?お兄さんはな、何もしていないぞー」
「いえ、あなたはここの農園から無駄の多い動きでレモンを一つ回収しました。」
(無駄な動きはいいだろ!それよりも、ここからさっきのレモン回収したところまで300mはあるぞ?視力すごいな……)
「バレちゃったなら仕方がない。」
「ひええ、や、やめてください!!!!」
ただただ逃げただけである。空を飛んでいたが、すぐにバレてしまった。
彼女がこちらを見て、手を大きく振りながら、ジャンプしている………ように見える?とりあえず近づいてみることにした。
「お兄さん空飛べるんですね!私も一緒に空へ連れて行ってくれますか?この王国の地図を最近書いているんです。でも、それの上から王国を見ることができなくて」
「わかった。でもその代わり、地図ができたら複製を一つ貰ってもいいか?」
「どうやって複製するのですか?」
「それは後々考えるさ。」
そう言って、天高く舞い上がった。朝焼けもとても美しく、見惚れてしまう。
「きれいだな〜、君は毎日こうやって朝起きているのか?」
「うん、毎日ほとんど。でも、丘の上の景色とはぜんぜん違う。」
少しやってみたかったことをする。
もっとそれ高く舞い、雲の上を突き抜ける。より朝日が眩しく見え、これ以上無い最高の朝だ。
「えっ……?」
女の子を手から離す。それと同時に俺も自由落下を始める。
「どう?結構スリルあるだろ?」
「こんなの初めて。うまく言葉で言えないけど、すごく感動した。」
俺としても、やりたかったことができて満足。それにこの世界がこんなにきれいなんだなって気づけた。他にも衛生が12個あることにも。不思議だけど、とても神秘的。
無事着地して、別れの挨拶をする。
「じゃあね、また会えるといいね」
「まって!ついて行ってもいいですか?」
「ん?どうして?帰る所あるでしょ?」
「両親は1か月前に殺されちゃったの。今は家の中にある食べ物で生きてて、それで、それでもう少しでなくなっちゃうの。」
「うーん……付いてきてもいいけど、泊めたりする部屋がないんだ。怪我してる少女の部屋と一緒でもいいかな?話し相手になってあげて。ずっと一人なの、悲しいって言ってたし。」
「その子は、どうして怪我してるの?」
「親から、痛めつけられてもうすぐ死んじゃいそうってなってるところを見つけた。」
「………ごめんなさい。いけないこと聞いちゃいました。」
「気にしないで。……じゃあ、その分少女を励ましてあげて。」
「はい!」
そうして女の子を抱え、ブルーに戻った。
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「むぅ〜〜むにゃむにゃ……ミウ様?またどっか行っちゃいました。」
(まだミウ様の布団があったかい。今さっき出かけていったところかな?)
体に染み付いた屋敷の業務を淡々とこなす。布団、ベッドの整頓、窓の清掃、床の掃除。たった30分程度でブルー全体の片付けがある程度できてしまった。
(そう言えば、ミウ様が少女と合うように言われてたな〜)
少女の部屋のドアをノックする。
(返事がないから、昨日のよるみたいに寝てるのかな?)
「すいませ~ん」
予想通り、スースーと寝ている。
(昨日の夜は眠くてじっくり見ていなかったけど、か、かわいい〜〜)
じっくり顔を見ていると、起きそうな顔をして少し動いた。
目がうっすらと開いていく。(あなた誰?)みたいな顔をされた。初対面なら何事にも挨拶から……
「ミウ様のメイドを担当しています。リーナと言います。よろしくね?」
「こちゃらこひょ……わたしゃは、………っは!」
(起きたてホヤホヤだから、まだ意識がはっきりしてないね。でも可愛い。)
「わ、わたしは!ミウくんの友達です。名前は無いです。よろしくお願いします……」
お互い自己紹介が終わると、ミウの気配がした。




