決着
遅れてすいません
お互いの魔法が拮抗する。どちらかが、一時的に有利、不利になることもなく、お互いの魔法を相殺し合う。ただ、お互いの魔法を打ち合っているときにわかったことがある。マロウの展開した魔法陣は、ハッタリということ。俺が展開した魔法陣は本物なので、形勢は逆転する。
「なっ!………」
勝負はついた。
「勝負は終わりだ。とどめを刺してもいいが、聞きたいことがある。」
「っは、好きにしろ」
「では、まずあなたはどこから来た?」
「極北の地からさ。俺みたいなやつがたくさんいる」
「見た感じ、精霊でも、ただの魔物でも無いようだが、種族としてはどの部類に入る?」
「人間が言うには、俺は魔人という部類のようだな。」
「魔人……ありがとう。もう要はない。」
静かにとどめを刺す。マロウから魔力が放出される。渦巻き、一点にまとまり、弾ける。沼地だったところには、美しい花畑が広がっていった。
学園の生徒に「ミウ…なのか?」「ミウって誰だ?」等と言われている。先生からも問い詰められそう。
「大丈夫でしたか?僕はこれで失礼します」
そう言って飛び立つ。先生に後をつけられたが、更に加速し追われないようにブルーに戻った。
「ミウ!少女が目を覚ました。でも、体はまだうまく動かせないようだ。」
「目を覚ましたか!よかった。」
少女のもとに向かう。
「大丈夫かな?腕に付いてるのは、決して取らないでくれ。」
「…………」
ほんとに何より無事で良かった。精神面的に止んでるかもしれない。正直俺はどうしたらいいのかわからない。無理に相手の領土に入らないほうがいい。毎日挨拶がちょうどいいか?……
「簡単に食べれるものを用意したから、お腹が空いた時食べてね。」
そうアーバスが言う。一緒に面倒を見てくれて嬉しい。それにしてもこんなに早く目覚めるとは……体が痛むだろうな。鎮痛薬でも作ってあげられれば………
「今日はもう遅いから寝るなり、ゆっくりしてくれ」
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目覚めるとベッドの上だった。体中が痛い。見知らぬ20代前半の男性が、驚いたような顔をしている。外の様子を見たいが、体が痛んで動けない。動きたくない。
ベッドの上で、暇な時間が過ぎていく。すると、聞き慣れた声が聞こえる。痛む体を動かして、声の聞こえた方に背を向ける。
「大丈夫かな?腕に付いてるのは、決して取らないでくれ。」
腕?なにかついてるのかな?そこら中痛くてわからない………それに、私をすくってくれたのも彼かもしれない。いや、私の状況を知っているのは、お母さんから引き離そうとしたのは、彼しかいない。
あんな思いはもう思い出したくない。されたくない。
何故か涙が出てくる。頭の中は何も考えられてないのに、感情が先立って表に出てくる。こらえたいけど、止まらない。この人たちに抱くべき感情はなんだろうか?ただの感謝では、いけない………
私は、お母さんと離れたくなく、彼を拒否した。でも、支えてくれた。そしてまた拒絶した。だけど、それが大きく踏み外した。
死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。…………………
助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。…………………
自分から拒絶しておきながら、最後には助けを呼びかける。自分は最低なんだよ。後悔し続ける。最後の一発が来るまでの永遠とも思えるほどの時間の間。それでも、彼は私を助けてくれた。孤独に虚無、不安、空虚そこからすくってくれた。
そして、君が必要だ。そう言ってくれたんだ。
私は、彼の役に立ちたい。
もう、過去は振り返らない。もう行く先は見つけたのだから。
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夜が明け、日が昇る。朝食を食べ、図書館に行く。少女の娯楽のためだ。さすがに、1日中ベッドの上で過ごすのは退屈で、精神がもっとおかしくなられては困る。
数学、地理、この世の摂理。物語とか?えーーー、ロ本やないかい!
難しすぎるか?そもそも文字が読めるのか?さっき選んだ本に、文字を読めるようにするための本を借りる。それに新聞も一部購入し、帰宅(?)する。
「おはよう。よく眠れた?色々本持ってきたから、暇なら読んでくれ。」
「ありがとうございます………」
「そんなかしこまらないで、名前はなんていうの?」
「名前はないの、でも…いいえ、なんでもないです」
「そっか。痛み止め探してくるから、ゆっくりしててね」
「はい…」
部屋を出て、新聞を読む。”実技試験、無事に終了。その裏には何が”と書かれている。読み進めていく。元在校生の”ミウ”が現れ、S+ランクの魔物を撃破。
先生によると、「彼の実力には驚きました。彼がいなければ、全滅でしたでしょう。にしてもなぜ、ミウが現れたのでしょうか?見た目はそのままでしたが、雰囲気が全く異なっていました。未知の技術を使用していました。その後、宮廷魔道士に詳細を伝えましたが、わからないの一点張り。」
と述べています。詳細については、現状わかりません。それと王国から、”もし、ミウよ。この文を読んだのなら、王城に来てほしい”と前代未聞の事態となっています。
と書かれている。王城に行こう。
空からの侵入をする。多分、国王の部屋の窓から侵入する。ちょうどメイドさんが掃除をしていたようで、「え?……」と数秒見つめ合い、「ミウです」「っあ、そうですか。」お辞儀をして、応接室に連れて行かれる。もっと大騒ぎになると思っていたが、そうでもなかった。
応接室でしばらく待っていると、武装した兵士10人と国王、王妃が部屋に入ってくる。
「久しいな」




