実技試験
ごちそうさまでした。
とりあえず、最東の湖に向かう。あのモンスターの行方が気になる。
未だに、湖の中心で立ち尽くしている。この辺り一帯を統べて入るような……やっぱり、Sランクに届きそう。お前は、誰だ?ってなった後、死んでそう。
〈ここで俺の出番ってわけさ、〉
〈とりあえず、黙ってろ。お前にはうんざりしてる。〉
〈まあ、そう言うな。二重詠唱は知ってるか?〉
〈知らねえな。〉
〈二重詠唱は、2つの魔法を同時に詠唱する技法さ。こればかりは、魔力量なんてものは関係ない。どれだけうまく詠唱できるかだ。ズレたらだめ。他人と協力できない、個人で行う必要がある。〉
〈へえ〉
〈二重詠唱だが、魔法を放った後、後付で別の魔法を付与できるが、その威力が掛け算だとしたら、二重詠唱は”累乗”さ。〉
〈で、どうやるのさ?〉
〈もはや俺は、お前だ。だから俺の詠唱もお前と共有できる。つまり、個人で完結している。だから二重詠唱ができる。そういうことさ〉
〈そうか、いざってときは頼らせてもらう〉
これ以上長居してるとバレそうなので、今日は食事を済ましたところで寝ることにした。
翌朝、皆ものすごくクタクタな感じ。毎日美味い飯、高級なベッドで寝てる貴族民からしたらこれは拷問だろうな…お疲れ様です。
起きて、ストレッチなどした後、魔物と戦う実技試験が開始された。バーンもしっかり戦闘に参加してるし問題ないだろう。
しかし、スライム…ゴブリン…弱い…………__ん?…オーーー……ク……か?
連れてこよ〜
そうして、スーツで分身体を作り、攻撃し生徒たちの方へ向かう。オークも付いてきてた。ある程度近づき、分身体を消す。オークは戸惑ってたけど、新たな獲物を見つけたように、試験中の生徒たちに向かっていく。
だけど、先生がいち早く気づき、生徒たちを避難させる。ただ、まだなんのモンスターか、わかっていない様子。オークが近づき、体の一部が見えると、先生もなんのモンスターか気づいたようだ。そして、先生たちも逃げていった。
俺のせいで人が死ぬのは嫌だし……
ネロを取り出し、風魔法を付与して、大きく振りかざす。迷宮内で取ったポーズと同じ。ただ、今回はオークの方向へ向かってネロを振る。オークは残り数mの距離で斬撃に気づいたが、時すでに遅し。首をきれいに跳ねる。
倒れる音が教員の耳にも入ったようで、一人の教員が確認しにいく。無事死んでいるのを確認すると、生徒を呼び戻す。
教員が、近くにオークがいるかどうか調査しにいくようだ。俺も探す。まだ近くにオークが3体いるので、さっきと同じように、ネロを振り、倒しておく。
生徒の方を向くと、アレスが俺の方を向いている。俺は、親指で西の方を指し、移動する。
「久しいね、アレス」
「変わったねミウくん。見た目はあれだけど」
「あれとかいうな、ここにやばいやつがいるから、見に来た。それに実技試験だ、って言うから受けに来た」
「っはは、面白いこと言うね。学園の出席はなくなったというのに。それより、やばいやつって?」
「モンスターのランクで言うと-Sかな?」
「へ〜どうにかしてくれるのかな?ここに来たってことは。」
「まあ、そうだね。ちゃんと活躍見といてよ?」
「ああ、見といてやる。でも死ぬなよ」
「当たり前さ。近くにオークとかはもういないから、安心して。沼地の最東にやつがいるから、って言っても試験だし、何かしら起こるだろうね。
じゃあ、頑張ってね。」
「ああ、それと少し頼みたいことがある。」
「どうした?」
「強くなりたいんだ。だから、俺に稽古してほしい。」
「ほほお……ついにアレスにも春が訪れたか…」
「春とは?」
「…好きな人ができたってことか…」
「ち、ちげえよ」 (図星だな)
「放課後、ブルーって店に来てくれ、そこにいつもいる」
「わかった。お互い無事に帰ろうな」
「心配することでもないさ、必ず帰す。」
そうして別れた。
その後も実技試験は行われた。その間、だんだん例の湖に近づいていた。
日も沈み、雰囲気としてもとっても良い。俺はスーツでロングコートを羽織る。後頭部に漆黒のヘイローを身につける。
一つの悲鳴が上がった。
さあ、始まりさ
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