過去の共感と現在の共感
屋敷から追い出されて、2日が経った。俺の身元は消息不明となっている。学園の出席もなくなり、俺の存在自体消された。
とりあえず、ブルーに向かった。まだ閉店時間……前から計画してた地下空間を作る。ブルーの二階に上がる階段元に転移用魔法陣を設置する。
俺は、地面を掘り20mくらい掘ったところに、10m³ほどの空間を作り、魔法陣を設置。それに加え、魔晶石も設置。コーティングしてあるので、濃密な魔素を放出することもない。
スーツを取り出し、作り出した空間にスーツを貼り付ける。魔晶石をスーツに接続し、コーティングも剥がす。スーツに魔力が流れ、制御不能になりそうなほどの魔力量。暴発する前に、俺は事前に予定していた、事を行う。
スーツを上以外の方向に拡張しする。押しのけられた土や岩盤は、圧縮され強固な地盤と成る。これ以上拡張できないほど拡張させる。魔力の供給量と、拡張する力が釣り合う。上側、横側のスーツは、地上と変わらない、風景…太陽、雲の動きなどを再現。気温、湿度なども管理できるようにする。ただ、常に日が高いと、目がやられたりするので、極夜状態にする。ロマン面も含まれているが、住みやすさの問題。
ただ、今はただの正方形(高さはそこまでない)の形で、特徴的な地形がない。現状、500km×500km×10km(縦×横×高さ)の広さ。
標高2万キロの山を形成。その地形を活かして、巨大な建造物を建てる。モチーフとしては、イギリスのビッグベン。高さを少し加えた感じ。うまくいえないけど、いい感じ。予定では、ここで組織の予定とかを議論したり、決定する場にしようと思ってる。
後は、木を生やしたり、川を引いたりしてとりあえず、人の手がついてないような状態にした。
一度、地上に戻ることにした。とりあえず、アーバスたちにも報告するためにも…
転移用魔法陣を通って、ブルーの店に入ると、アーバスがいた。
「よお、アーバス。とりあえず、こっちに来てくれないか?大事な話がある。」
「?…わかった。」
そう言って、地下空間に転移する。
「…ここは?」
「前、話しただろ?地下空間を作るって。」
「確かに!っはは!すごいねほんと君は」
「ありがと。それよりも大事な話がさ……」
「?」
「実は、俺…クアドラ家の末っ子だったんだ。でも、迷宮で体に変化が起こって、外見はそのままだけど中身が違うらしく、自分の家族から見捨てられた。”お前はミウじゃない”ってさ。雰囲気から違うそうだ。だから長い時間図ごしてきた家族からはひどく拒絶されてね…でも、自由の身にはなれたんだ。悔しくもないさ。だから、ここを”次の居場所にしてほしい”」
「(強さと引き換えに、家族という大事なものが去っていった。状況は違うけど、心境としては同じ…)実は、僕も小さい頃両親に見捨てられてね、親がいない環境で育ってきたんだ。
優しく微笑む。そして、ミウにゆっくりと歩み寄る。
「強がっても無駄だよ。僕だってその辛さを知ってる。だから、一緒に…
身長差で、うまくハグできないがその思いは十分に伝わる。
「ここで暮らしていこう。クイナとも協力して、もっと豊かにさ」
「ああ、そうだな。じゃあ、早速ここを豊かにしてくか」
そう告げ、転移用の魔法陣でブルーに。アーバスに感謝を述べ、立ち去った。
そして俺が向かった先は、王国内のスラム街だ。鑑定スキルで、能力を見て勧誘する。今欲しい人材としては、賢明な頭脳を持つやつだ。 ある程度教育を施して、今後指導者として役立ってもらおうと思う。
賢いやつはだいたい、家の中にいて人を避ける。地面に降り、スーツでロングコートを羽織る。あたりを見回しつつ、目当ての人材を探す。
突然、銃声が聞こえる。どうやら弾丸はこちらに向かってきているよう。弾丸を指で摘んで、”邪魔しないでくれ”と告げ、歩みを進める。
家の窓から視線を感じる。目線をそらすと視線を感じる。とりあえずノックし、返事がないので家の中に入る。そこには、死んだふりをした7歳ほどの少女がいた。全身傷だらけで、親や近所の住民にいじめられてたんだろう。可哀想に…
「おーい、頼みがあるんだ」
「…」
(まあいい、抱っこして連れてくか。親もいじめてるようだし、連れてっても問題ないだろう。)
「おい!あんたどこの連中だ?みねえやつだからよぉ」
この少女のお母さんといったところだろう。
「この女の子を連れてっていいでしょうか?」
「ああ、構わないよ。もう十分弄んだし、体も持たないだろうしね。」
そう告げると、少女の体が小さくビクッっと動き、目から涙が溢れていた。親を信頼……心の拠り所がここしかなかったのかもしれない。それが今、なくなったんだからこの反応も同然か
「では、失礼します」
「………お母さんのことは残念だ。」
そう言うと、少女が声を上げて泣き出す
「ね゛え帰して、帰してって!!!」
「これで戻ったらまた同じ仕打ちに合うがいいか?賢いお前になら分かるはずさ」
とりあえず、リーナとデートした、街の高場に向かう。そこで、十分な食事をし、連れ去った理由を教える
「……だから、君には協力してもらいたい。衣食住は保証する。」
「………………」
だまりっきりだ。物凄い拒絶。打ち解けるのに時間がかかりそうだ。
「無理強いはしない。お母さんのもとに戻るか?」
縦に頷いた。簡易的な治癒魔法も施して、あのお母さんの家の前において去った。
次の日も、訪れた。またひどい姿になって倒れていた。また少し離れたところに移動し、十分な食事、治癒魔法を施して、「お母さんのもとにいる?」と聞くと、また縦に頷く。
また次の日も、
少女は言葉を発したが、予想とは大きく異なった。
「毎日食事、回復魔法を施してくれますが、邪魔です。消えてください。あの件についてもなしです。」
「わかった。でも、これを持っててほしい。」
そう言い、手渡すと、地面に叩きつけ、粉々に砕けた。食事も取らず、その足で少女は、家に帰っていった。
俺も諦めたわけではない。その後も、遠くから見守った。ひどい悲鳴も毎晩聞こえたが、これも心を開いたまま、こちらの手柄にするためだ。
2週間が経ち、明らかに、今までとは比べ物にならないほどひどい状態になってた。でも、後一日…
その日の夜。また、お母さんがやろうとしている。
1発…………
2発…………
3発…………
4発…………
5発…………
6発目に入ろうとしているその時、魔法でお母さんの行動を束縛し、少女を連れ去らう。
にしても、ほんとにひどすぎる様態だ。顔も識別できないほどグチャクチャに。全身の骨が折れてる。体の養分もすべて抜け、極度の痩せ状態。応急処置として、高度回復魔法をかけ、ブルーに向かった。
「アーバスいるか!!!」
「どうs、こっちだ!!!この子は?
「スラム街で拾った天才さんさ。それよりも治療が先だ。1Lの水に8gの塩をスーツに入れろ」
「わかった。すぐに用意する。」
栄養失調……ブドウ糖も必須……殺菌も急がなければ。
「用意できたぞ。」
「水をもう少し足して、砂糖を混ぜて、一度煮沸しろ。スーツで密閉状態にして煮沸してくれ。」
「わかった」
煮沸が完了するまで、少女の手を握りつつ、治癒魔法をかけ続けた。
「できたぞ。」
「人肌の温度に成るまで、冷まして」
「このくらいでいいだろう」
そうして、スーツを変形させ、点滴にし、少女の腕に針を刺す。
「これでもう大丈夫だ。栄養失調で死ぬこともない。目が覚めるのは1週間後あたりかな。」
「良かった。助かって…それで、彼女はどうしてこんな目に?」
「母親から虐待を受けていた………何回も何回も……でもこの少女はお母さんに信頼を寄せていたそう。この行動にも何らかの意味がある。そう信じて。でも実態は、ただの母親の気晴らしおもちゃ。”サンドバッグ”だ。俺は何度も救いの手を差し伸べたが、邪魔だと言いわれ、しばらく彼女から距離をおいたんだ。数週間ほど彼女を見張った。その仕打ちはひどかった。でも、またここで救えば、また同じ結果に成る。だから、死の寸前まで追いやって、身を持って分からせることにした。
”お前の母親は、もうお前の母親じゃない”ってな。
それで、今に至る」
「そうだったのか、」
「少女の安静も確保できた、今後について話し合おう。」




