96話 デリケート
その日の夜、鈴凛さんは僕の前で顔を赤らめていた。
「どうしたの?鈴凛さん」
「いや……パンツを見られちゃったから」
「あらぁ」
「いやその……あれは不可抗力なんだよ」
「どこが不可抗力なのよバカァ……」
「本当にごめんよ」
「いいけど……付き合う前だったら絶交だったよ」
「そうなの?」
「じゃ、幸くんの服を着させてね」
「……それで許してくれるんだったら着させるけどさ……」
「やったー」
そんな事もあり、鈴凛さんに僕の服を着せると言うなんか久しぶりの彼シャツをさせることになった。
「ほら、早く着せてよ」
鈴凛さんは太ももを叩き、早く着させろというしぐさと鼻息で喧しかった。
「もう……どうしてそんなウキウキなんだよ」
「だって久しぶりの彼シャツなんだよ?」
「そうだけどさ……」
僕は鈴凛さんにシャツを渡した、すると僕に突き返してきた。
「幸くんが着せてよ」
「……もうわがままだなぁ」
ここで断らない僕も悪いと思うけど、どうして着せなければいけないのかがわからない。
「ん……そこっ」
「なんでいやらしい声を出してるんだよ!?誤解されるだろ!?」
「だって……くっついてるから」
僕はすっと鈴凛さんに服を着せた、そして勢いでベットに倒れこんだ。
「恥ずかしぃぃいい」
「……ふふっ、ありがと」
鈴凛さんは僕の服の匂いを嗅ぎながら部屋の外に出ていった。
「本当に恥ずかしかった……このまま寝てしまいたいなぁ」
僕は恥ずかしさのあまり自暴自棄になりかけていた。
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